夜と霧 新版 の商品レビュー
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過酷な環境下では「生きる希望を失わないこと」が生き残る秘訣であるとあった。ニーチェは「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」という、まさに的を得た格言を残している。 また、著者は強制収容所の中でまともではない人間を多く見たが、人間とは何かを常に決定する存在であり、どんな環境下であっても善と悪、どちらを選ぶかは個人の選択である、とまとめている。
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苦しさの中においても、わたしがわたしであることは、誰にも奪えない。人間の強さに希望を感じた。 辛いとき苦しいとき、困難に立ち向かえるような強い心をじぶんが持てるとは思えない。けど、いや、わたしにはその強さがあるのだと、信じたい。
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Audibleによって読了。 劣悪な環境で人の精神がどのような段階を踏んで蝕まれてゆくか、精神科医が経験した強制収容所での人間の末路が本書に克明に記されている。心が痛んだと同時に、自分は恵まれた労働環境で働けていることを実感した。(比べるものではないかもしれないが) 少し古い書の...
Audibleによって読了。 劣悪な環境で人の精神がどのような段階を踏んで蝕まれてゆくか、精神科医が経験した強制収容所での人間の末路が本書に克明に記されている。心が痛んだと同時に、自分は恵まれた労働環境で働けていることを実感した。(比べるものではないかもしれないが) 少し古い書のため言い回しなどが古典的で難しい部分もあったため、読むのは簡単ではなかった。しかし、本書を読む機会が得られたことは大変良かったと思う。
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収容所での悲惨な体験を心の面からアプローチしており、ここまでの極限状態でなくとも今にも通じる考え方が示唆されているところが良かった。 特に解放後の心理を書き込んでいるところは考えさせられた。
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ユダヤ人の精神科医である著者の強制収容所での体験及びそこでの被収容者の心理分析が綴られている。 人生に意味を問うのではなく、あなた達が人生に意味を問われているのだ。 これ程の苦しみや苦悩を与えられた今、貴方はどの様な決断をしますか。貴方の決断を神が、貴方を愛する人たちが見ている...
ユダヤ人の精神科医である著者の強制収容所での体験及びそこでの被収容者の心理分析が綴られている。 人生に意味を問うのではなく、あなた達が人生に意味を問われているのだ。 これ程の苦しみや苦悩を与えられた今、貴方はどの様な決断をしますか。貴方の決断を神が、貴方を愛する人たちが見ている。 どれほど自由を奪われても、尊厳を奪われても、そこでどのような態度でいるかを決定できる事はその人に残された最後の自由であり、その選択こそが人生に意味を与える。 作中で印象に残った一文 映画や本を読んで強い感銘を受けてもその後サンドウィッチやコーヒーを食べているうちに忘れてしまう。 苦しい境遇の中で精神科医として周囲の人間を励まし、鼓舞するチャンスが幾度もあったにも関わらずそれをしなかった事があった。と告白していた。 美しい人間性に感銘を受ける感受性があってもそれを自身のものとして継続して発揮することの難しさを強く感じた。
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強制収容所に収監された精神科医の自叙伝。すべてに絶望するような状況で人間はどのように変化し、何に希望を持って日々生きていくのかを綴った本。安全に生きることができるこんにちにこそ、大事にしたい価値観や人間の本質を学ぶことができる。
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第二次世界大戦中に、心理学者でユダヤ人である筆者が実際に体験したドイツにある強制収容所生活を記録したもの。内容としては、現代では考えられない獄中生活。劣悪な環境の中、重労働を強制され、食事もパン一切れと水に等しいスープのみの生活。監視兵からの暴力は当たり前。超過酷な環境の中で人間とは何かというものを筆者なりに説いた本。個人的な感想としては、自分も現在仕事でメンタルをやられて休職をしているが、「全然自分の方がマシじゃねえか…」と思ってしまった。むしろ恵まれすぎている環境で過ごしているんだなあと実感した。
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私はこのような状態で生きていけるだろうが、ただ、死ぬことが怖くてとりあえず生きるかもしれない。 フランクルが奥様にささげた言葉が素敵です。 もう一度、君に感謝したいエリー。君が人生の中で私にしてくれたすべてのことにね。 私も主人に贈りたいです。
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強制収容所内でのつらく厳しい環境下で『人間として生きること』を貫いた作者の本。 すんごい哲学的な本で、私には持ち帰りが難しい内容だった。
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ナチスの強制収容所での体験をまとめた本で、とても重く苦しい内容ではありますが、それ以上に胸に響く言葉がたくさん散りばめられている。 ▼特に印象に残った言葉 ・あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない →ハイパーハードボイルドグルメリポート...
ナチスの強制収容所での体験をまとめた本で、とても重く苦しい内容ではありますが、それ以上に胸に響く言葉がたくさん散りばめられている。 ▼特に印象に残った言葉 ・あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない →ハイパーハードボイルドグルメリポートを思い出す。どんな苦しい環境でも、そこでどう生きるか、振る舞うかは自分次第。 ・わたしが恐れるのはただひとつ、わたしがわたしの苦悩に値しない人間になることだ →わたしはわたしの苦悩に値しているのか? ・なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える →自分の人生の軸がしっかりしていれば、辛いことがあっても耐えられるということかな ・わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ →この解釈が難しかった。人生が自分の思い通りになる、自分が人生を操っていると思いがちだけど、実際は自分の行動によって人生が変わっていく、自分は人生の従者だということ? ・自分を待っている仕事や愛する人間に対する責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。まさに、自分が「なぜ」存在するかを知っているので、ほとんどあらゆる「どのように」にも耐えられるのだ。 →とても共感した。と同時に、自分を待っているものがない人間はどうすればいいのだろうか、という疑問が湧いた。 全体を通して、「生きるとは」について考えさせられる作品。
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