夜と霧 新版 の商品レビュー
人生で一度は読んでほしい。 アウシュビッツ収容所とは比べものにならないかもしれないが、ブラック企業勤務など、程度は違えど、今辛い状況にいる人は勇気づけられる本。
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どの章を切り取っても生々しい苦しみに満ち溢れていて、その渦中から時間的にも世界情勢的にも遠いところにいる私は、しっかり噛み締めたいと思った。 心理学者の…というよりはアウシュビッツに収監された1人の日記。一文一文、しっかり噛み砕いて消化しないといけない使命感と、読み進める苦しさ...
どの章を切り取っても生々しい苦しみに満ち溢れていて、その渦中から時間的にも世界情勢的にも遠いところにいる私は、しっかり噛み締めたいと思った。 心理学者の…というよりはアウシュビッツに収監された1人の日記。一文一文、しっかり噛み砕いて消化しないといけない使命感と、読み進める苦しさと闘いながら読了。 特に印象に残ったのは「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」 どんな辛い状況でも、過去だけは揺らがない確かなもの。忘れがちだけど深い。 絵画に始まり映画、歌、どれも恋愛至上主義に思えることが多々ある。主題になりすぎている、と思っていたが作者の極限状態での内心の自由は妻だった、愛こそが全て、という文で然るべくして主題に君臨してるのかと考察。そうであるならなおのことしっかり向き合わなければ。
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震災の時などに被災地で勇気づけられたなど話題にあがるので、前から読んでみたいなと思っていたが、なんとなく重そうで手が伸びなかった。 先日アウシュビッツ強制収容所を扱った映画「関心領域」を見たことや、イスラエルのガザに対する非人道的な攻撃が続く中で、図書館で見かけ読むことにした。...
震災の時などに被災地で勇気づけられたなど話題にあがるので、前から読んでみたいなと思っていたが、なんとなく重そうで手が伸びなかった。 先日アウシュビッツ強制収容所を扱った映画「関心領域」を見たことや、イスラエルのガザに対する非人道的な攻撃が続く中で、図書館で見かけ読むことにした。 思っていたより、とても読みやすい内容で強制収容所での著者の生活が記録されているものだった。過酷な状況で起こったことだけでなく、著者が精神医学者であるため精神面や思考について書かれている。収容生活で張り詰めていた分、開放されて自由になれてさぞ嬉しかっただろうと思ってしまうが、そうではないというところに現実があるなと思った。生き残った人はいい人ではないと言い、生き残った人が暴力性を持った状態になってしまうこと、出てきた後で幸せがあるわけではないことなど 読んでいる最中、映画「関心領域」の風景をイメージしていた。あの映画はすごく実体験のように私の記憶に残っている。今、闇の中を知っている状態で、加害者側の視点で見るというのはとても意味があったなと読みながら思った。
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ページ数も多くなく、読みやすい。実体験なのに客観的に分析していて、感慨深い。人間は本当に辛くなったら、脳や体がそれに対応しようと変化するのが良くわかる。辛いから逃げる、は死を意味する。それは何分、時には何時間、そして何日も痛めつけられて。人種とは、差別とはなんだろう。ここまで辛い...
ページ数も多くなく、読みやすい。実体験なのに客観的に分析していて、感慨深い。人間は本当に辛くなったら、脳や体がそれに対応しようと変化するのが良くわかる。辛いから逃げる、は死を意味する。それは何分、時には何時間、そして何日も痛めつけられて。人種とは、差別とはなんだろう。ここまで辛いと自殺を一概にダメとは言えない。死ぬのに勇気はいらない。生きるのに勇気がいるなと。
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過酷な収容所生活の実態、被収容者の心理状態について、語られており、それは自分が想像していたものよりも、壮絶であった。生きることへの気力が僅かにでも残っていること自体不思議なほどである。当時の状況と今を比べるのはどうかと思ったが、本書を読むことで現代の生活に不平不満があるというのは...
過酷な収容所生活の実態、被収容者の心理状態について、語られており、それは自分が想像していたものよりも、壮絶であった。生きることへの気力が僅かにでも残っていること自体不思議なほどである。当時の状況と今を比べるのはどうかと思ったが、本書を読むことで現代の生活に不平不満があるというのは、言語道断な気がした。
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一気に1日で読了。名作と言われてきた理由がわかる。その収容所の描写は壮絶なものであるが、そこにフランクルならではの心理学的な視点を加えることで、単なる悲劇の描写ではなく、人間の本質に迫る内容になっている。 最も印象に残ったのは、「この世の中にはふたつの人間の種族がいる、いや、ふた...
一気に1日で読了。名作と言われてきた理由がわかる。その収容所の描写は壮絶なものであるが、そこにフランクルならではの心理学的な視点を加えることで、単なる悲劇の描写ではなく、人間の本質に迫る内容になっている。 最も印象に残ったのは、「この世の中にはふたつの人間の種族がいる、いや、ふたつの種族しかいない、まともな人間とまともではない人間と、ということを。このふたつの「種族」はどこにでもいる」という記載だ。このような冷静な視点を自分も常に持ちたいと思う。
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第二次世界大戦でユダヤ人としてナチスの強制収用所に収監され生きて出てきた心理学者の書いた本。 ずっと積読しておいたのをやっと読んだ。 読んで良かった。 希望も何もなく恐ろしく過酷な状況に置かれた時、愛する人の思い出が心を温めてくれるということを知ったから。 或いはどっちを選べば...
第二次世界大戦でユダヤ人としてナチスの強制収用所に収監され生きて出てきた心理学者の書いた本。 ずっと積読しておいたのをやっと読んだ。 読んで良かった。 希望も何もなく恐ろしく過酷な状況に置かれた時、愛する人の思い出が心を温めてくれるということを知ったから。 或いはどっちを選べば生き残れるかの二つの選択肢を与えられた時、自分で選んでも選ばなくても運命はどう転ぶかわからないし、選択というものはあまり意味がない、運命に身を委ねるしかないということを知ったから。 過酷な境遇に陥らずに一生を終えられるならそれは幸いだけれど、それが完全に保障されることはないから、懼れずに進もうと思いました。
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原書題名の直訳は「心理学者、強制収容所を体験する」。 前から読むべき本なのだろうと気にかかっていたが、読んでいない本だった。 本屋店頭に旧版と新版が並んで平積みになっていて、原書の1956年版と1977年改訂版を両方を出版中とのこと。出版社の思い入れが感じられる。読んだのは新版。...
原書題名の直訳は「心理学者、強制収容所を体験する」。 前から読むべき本なのだろうと気にかかっていたが、読んでいない本だった。 本屋店頭に旧版と新版が並んで平積みになっていて、原書の1956年版と1977年改訂版を両方を出版中とのこと。出版社の思い入れが感じられる。読んだのは新版。 有名な本だが強制収容所の話と聞き、心理的にハードルが高かったが、読みだすと抵抗なく読めた。情緒的でないあまりに冷静な記述なので、読み終えて逆に強制収容所で何が行われたのかを大局的に把握するべきなのではとの思いもわいてきた。 心理学者としての視点での冷静な観察報告である。人間としての尊厳を蹂躙され、日々周りの人々が死んでいく中で、この著者の冷静さは驚嘆する。悲惨だ、理不尽だ、恨み言は山のように筆舌に尽くしがたいほどあるだろうに、それには触れず、そのような環境において人間はどう感じ、どう行動したかを心理学的に精神病理学的に観察し、思考する。 被収容者の精神が破綻しなかったのは、未来の目的があったから、というのがこの著者の考えだが、そのような思弁できる精神が、著者自身の精神の破綻を救ったのだろう。 以下、個人的備忘 この苦しみや死には意味があるのか、との問いかけ113 人間の内面は外的な運命より強靭なのだという思弁114 精神の破綻を防ぐには、未来の目的を見つめさせること、人生が自分を待っている、誰かが自分を待っていると思い出させることが重要。123 著者の思弁はさらに進む。 「私たちが生きることから何を期待するかではなく、生きることがわたしたちから何を期待しているかが問題。」129 「具体的な運命が人間を苦しめるなら、ひとはこの苦しみを責務と、たった一度だけ課される責務としなければならない・・・この運命を引き当てたその人自身がこの苦しみを引き受けることに、二つとない何かを成し遂げるたった一度の可能性はあるのだ。」131 生き延びる見込みのない過酷な運命にあった著者がこのような思考ができるとは、ただただ信じられない。 苦しみを責務と考える点については、今の自分では理解できない。今後また読書や経験を積んで改めて再読してみたいと思う。 蛇足(言及のある作品) ・トルストイの映画「復活」 ・トーマス・マン「魔の山」 ・スピノザ「エチカ」 ・ニーチェの格言 ・リルケの言葉
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読んでおけて良かった。 いつ買ったか記憶になかったが、積読になっていた一冊。 友人からのオススメのLINEが来てなかったら、ずっと積読のままだった。 すすめてくれた友人に感謝。 ホロコーストを知る上で、大きな一冊だと思う。 これまで見てきたニュースや映画、読んできた記事...
読んでおけて良かった。 いつ買ったか記憶になかったが、積読になっていた一冊。 友人からのオススメのLINEが来てなかったら、ずっと積読のままだった。 すすめてくれた友人に感謝。 ホロコーストを知る上で、大きな一冊だと思う。 これまで見てきたニュースや映画、読んできた記事などが、この本を読む前はかなり遠い世界の遠い昔のこととしてしか認識しておらず、その視点からでしか物事が見えていなかった。 人はこれほどまでに残酷になれるのかという底なし感と、過酷の極みのような状況で生きるということの壮絶とその代償を知ることができた。 映画のハンナ・アーレントでの、ハンナの取った行動の凄さと、親友がなぜ彼女を許さなかったのかが、ようやくわかった気がする。 この本を読む前と後では、第二次世界大戦というもの、戦争というもの、そういったことを扱った作品を見る際に、ある程度頼りになる感触が持てるようになったと思う。 この本の感想を書いているとき、ラジオでインドネシアで行った日本の統治の話を聞いた。 農民たちを酷使し、多数の死者を出させたこと。 破傷風のワクチンの人体実験に現地の人々を使って死なせたこと。 自分は高校は進学校に通っていて(成績は下から1割ではあったが)、こういった歴史は学んでおらず、授業でもやっていたか記憶がない。 これは、教育がまずいのか、学ばない個人の怠慢なのか、、、 まず、自国がやらかしたことを、最低限教えなければ。 まずはそこから始めないことには。 日本人として生きるということは、否が応にもこの国のやらかしたことが付いて回るということで。 国外に出なければ気にすることもないのだろうが、国の用意した教育の中に、これまでにやってしまったことを包み隠さず教え、二度と同じ過ちをしない、という確固たる理念を内外に示せていない、ということなので、そういう国の発言や各国に与えうる影響は、自ずと軽んじられてくるわけで。 漠たる悪循環 何が嫌かというと、そんなバカにされ軽蔑されている、か、何を考えているのかよくわからない変人、か、なんでこんな頭悪そうなヤツが首相やってんだ? か、とりあえずおだてて仲間感出しとけば財布の紐が緩むカモ、とかと外国から思われてしまっていると思うのだが、それに気づいていないのか、そういうふうに思われてるかもとすら思わないのか、百も承知で鼻毛をわざと出しているシタタカさの現れなのかわからないが、そんなトップを担がせちゃってるテイタラクがデフォルトになっている、というのが嫌で、げんなりするのだが、そういう自分には力がなく、他力本願で、管巻くことしかできてないこの無力感と諦念とに呑まれるがままになっていることが、どよーんと嫌なのである。 本の話に戻る。 実体験の部分は食い入るように読んでいる自分がいた。 しかし、収容所を出てからの心理学的な考察の部分はなかなか頭に入って来ず、何度も同じところを読み返しながら、睡魔と攻防を繰り返しながら読み進めていった感じ。 ラスト、切ない。 現実は一貫して残酷である。 いろいろと書いては消してを長々としていたら、パレスチナとイスラエルの戦争が起きた。 イスラエルの他国の言うことを聞かない徹底した態度。 ジェノサイドされた側は、ジェノサイドしてもいいのか。 自分自身が情けなさすぎてうんざりするが、本当によくわからないし、どうしていいのかもわからない。 ロシアも、イスラエルも、この星では止まらない。 本を読んで賢くなった気でいたが、まだまだまだまだ学ばなければ。
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一生に1度は読んで欲しい。いや、1度だけでは足りない、何度も読み返して欲しい。「生きる」という意味について深く考えさせられる。 きっとあなたの人生に何度も辛いこと苦しいことが起こるだろう。その度にこの本を読み返して欲しい。その時、この本があなたをまた1歩前進させてくれるだ...
一生に1度は読んで欲しい。いや、1度だけでは足りない、何度も読み返して欲しい。「生きる」という意味について深く考えさせられる。 きっとあなたの人生に何度も辛いこと苦しいことが起こるだろう。その度にこの本を読み返して欲しい。その時、この本があなたをまた1歩前進させてくれるだろう。 もちろん、私もこれから定期的に読み返し、この本を後世まで引き継ぐ役割を担いたい。
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