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夜と霧 新版 の商品レビュー

4.5

1240件のお客様レビュー

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2024/04/21

かなり前に読んだのだが、再読しなくてはならないと思っていた本。読むことに覚悟が必要な本でもある。 戦争とはこういうものなのか、と平和な時代に生き、平和に暮らせている私としては、ただただ信じられぬ想いで読み進める。強制収容所と戦争はまた別ものという気もする。人間の愚かさ、愚劣さ、稚...

かなり前に読んだのだが、再読しなくてはならないと思っていた本。読むことに覚悟が必要な本でもある。 戦争とはこういうものなのか、と平和な時代に生き、平和に暮らせている私としては、ただただ信じられぬ想いで読み進める。強制収容所と戦争はまた別ものという気もする。人間の愚かさ、愚劣さ、稚拙さを嫌というほど見せつけられるが、一方で人間の強さ、精神性の高さもそれを上回る形で見せてくれる。 これ以上の理不尽はあるのかという状況で、黙々と生きる。生きるだけでなく、他者を生かそうとする人々のその精神性を誇らしく思う。ユダヤ人だけでなく、ロマ、同性愛者、ジプシー、社会主義者も収容されていたとのこと。恥ずかしながら、今回読んで初めて気がついた。そして、この本の中で、ユダヤ人という記載は極めて少ない。ナチスの表現も出てこない。それがあの時代だから、あの地域だからという限局的なイメージを抱かずに読ませる。より自分事として読めたのではないかと思う。例えば、日本に置き換えて考えることを可能とする。人間の心理の話だから、国や国籍や人種はもはや関係ないと思う。ある状況下に陥れば、人間は被収容者側にも反対にもなれてしまう恐ろしさ。 戦争を起こしてはならないというのは、ただ殺してはいけないだけではない。ひとたび戦争となれば、こうした状況に人間は陥るということが、戦闘で死ぬことと同じくらい恐ろしいことだからこそ、戦争を起こしてはならない。人と人との間に亀裂を入れてはならないのだ。

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2024/04/13

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79971000S4A410C2BE0P00/

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2024/04/11

想像を絶する収容所生活での毎日。 どのエピソードを読んでも心を締め付けられるが、 想像の範疇でしか無く、実際の収容所での毎日は全く違うものなのだろうと思った。 自分にも家族が居る。 妻や子供が、毎日無事に居てくれているだろうかと思う毎日だけでも、どれ程心を削られるのか。 出...

想像を絶する収容所生活での毎日。 どのエピソードを読んでも心を締め付けられるが、 想像の範疇でしか無く、実際の収容所での毎日は全く違うものなのだろうと思った。 自分にも家族が居る。 妻や子供が、毎日無事に居てくれているだろうかと思う毎日だけでも、どれ程心を削られるのか。 出所した後も全て何事も無かったかのような生活が送れる訳では無いという残酷な現実。 人間が人間に対して絶対に行なってはいけない、鬼畜の所業。

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2024/04/11

極限状態の人間の心理学を紐解いた作品。 感想となると稚拙になってしまうため、印象深い文を引用する。 「苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在は初めて完全なものになるのだ。」p113 非収容者が、この言葉を残すことに驚いた。読み進めていると収容所には苦悩と死しかないように...

極限状態の人間の心理学を紐解いた作品。 感想となると稚拙になってしまうため、印象深い文を引用する。 「苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在は初めて完全なものになるのだ。」p113 非収容者が、この言葉を残すことに驚いた。読み進めていると収容所には苦悩と死しかないように思えるからだ。 今生きている者で、苦悩がない者はいないのではないか。また、生物である以上人はいつか死ぬ。この二つがあってこそ人は完全なものになる。 苦悩はできればない方がいい。しかし、この苦悩こそが感情であり、人としての象徴なのかもしれない。、

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2024/04/11

極限の状態に置かれて初めて、「愛は人が人として到達できる究極にして最高のものだ」と悟る。凄惨な状態に置かれて精神が破壊されても、愛する人との美しい思い出を壊すことはできなかった。

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2024/04/15
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攻撃されたら、攻撃し返していいのか。始めた方が悪いのは確かだが、双方が死ぬまで続けて、そこに何が残るのだろうか。大体にして、何をもって勝利とするのか。二十一世紀になっても、憎しみの連鎖は止まらず、むしろ加速している。そんな今だからこそ、この本を読んで逆に良かったと思えた。楽観視しすぎても、過去を懐かしみすぎてもいけない。未来に希望を持ちすぎてもいけないし、今を悲観しすぎてもいけない。この前正解だった答えが今度は不正解で、それが死に繋がる。人間性を失わずにいることが大事だが、いい人すぎてもすぐ死んでしまう。被収容者の運命とは、何と苛酷なものか。そう考えると、著者が生きてこの本を残すことが出来たのは、本当に運命の偶然で、奇跡に近いものだと改めて思う。ゲームのようにやり直すことは出来ない。そんな状態では、自分を守る手段として感情が消滅してしまうのも、当然のことかもしれない。そんな中でも人を思いやることを出来る人間もいれば、逆に痛めつけることで憂さを晴らす人間も居る。どんな集団の中にもまともな人間は居て、「純血」なものは存在しない。生きる目的を持った者は、あらゆることに耐えられる。それが例え強制収容所のような、この世の地獄であっても。

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2024/04/07

名作中の名作が故にまずは一読してみました。1度で理解するにはあまりに深く考えさせられる内容でした。著名な精神科医フランクルの職業的フィルターを通して、第二次世界大戦下のアウシュヴィッツ収容所での生活を伝えてくれます。 私たちがよく目にするアウシュヴィッツでの悲惨な様子のみを伝える...

名作中の名作が故にまずは一読してみました。1度で理解するにはあまりに深く考えさせられる内容でした。著名な精神科医フランクルの職業的フィルターを通して、第二次世界大戦下のアウシュヴィッツ収容所での生活を伝えてくれます。 私たちがよく目にするアウシュヴィッツでの悲惨な様子のみを伝えることとは違い、人々の精神的な動きのパターンを詳細に捉え教えてくれます。 自分自身も死と常に隣合わせの状況にありながらも、これだけのことを考え今の世の中に本として残してくれたこと。まず、ここに感謝の気持ちが湧き出てきました。 再読必須の名著でした。また、歳を経て読ませていただきたいとおもいます。 ありがとうございました。

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2024/04/01
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※このレビューにはネタバレを含みます

読みやすかった。が故に情景がありありと浮かんだ。想像もしたくない地獄。 人は人種や性別など何かしら名前を与えて分類すると、そこまで非人道的になれるのか。生きることを自身で決定せず誰かの命によって下すことで冷酷さを窮めることができるのか。(自身が既に人の下にいるから自分の下を作ってしまう?) その状況下で育つ内面の充実。そこに感謝する心の純度さや悟りのようなものに感動した。 なぜ生きるか、でなく、生きることで何を求められてるか。経験は、何にも奪われない宝。愛の偉大さ。人の本質的な教えが詰まっていると感じる本。旧版も読みたい

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2024/03/31

想像を絶するような過酷な環境の中での人々の生き様が、今何不自由なくなんとなく日々を過ごしてしまっている自分に突き刺さりました。自分の甘さ、根性のなさに恥ずかしさを覚えました。もっと1日1日を大事に、もっと感謝を持って生きたいと思いました。「もはやなにも残されていなくても」、「生き...

想像を絶するような過酷な環境の中での人々の生き様が、今何不自由なくなんとなく日々を過ごしてしまっている自分に突き刺さりました。自分の甘さ、根性のなさに恥ずかしさを覚えました。もっと1日1日を大事に、もっと感謝を持って生きたいと思いました。「もはやなにも残されていなくても」、「生きる意味を問う」、の段落が特に好きで、今や私の人生においての指標となっています。生きることが辛い、と感じる時期もありましたがこれを読んでからは生きることに前向きになれました。

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2024/03/27

 今でもそうなのかどうか、学生時代、だから、もう、50年近くも前には、ちょっと前のめりの高校生や、世の中に疑問を持つ大学生には必読図書でした。   軽佻浮薄であることこそが「イイネ!」と称えられる世相を、真っ向から否定する、人間の真実が記録されている書物ですね。読めば、わからない...

 今でもそうなのかどうか、学生時代、だから、もう、50年近くも前には、ちょっと前のめりの高校生や、世の中に疑問を持つ大学生には必読図書でした。   軽佻浮薄であることこそが「イイネ!」と称えられる世相を、真っ向から否定する、人間の真実が記録されている書物ですね。読めば、わからないということがあり得ない本ですが、読まれているとは思えないです。  友人の文章ですが、この本の紹介をブログに載せています。読んでみてください。  https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202011050000/

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