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夜と霧 新版 の商品レビュー

4.5

1240件のお客様レビュー

  1. 5つ

    631

  2. 4つ

    353

  3. 3つ

    119

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2024/11/14

私たちが人生に意味を求めるのではなく、人生が何を求めているのか考えるべき、という言葉が印象に残った。今となっては想像もつかない過酷な環境の中で、生きる意味について考え、人間らしさを忘れない著者には頭が上がらない。自分たちがいかに恵まれているか知ったと同時に、未来に希望を持って一日...

私たちが人生に意味を求めるのではなく、人生が何を求めているのか考えるべき、という言葉が印象に残った。今となっては想像もつかない過酷な環境の中で、生きる意味について考え、人間らしさを忘れない著者には頭が上がらない。自分たちがいかに恵まれているか知ったと同時に、未来に希望を持って一日一日を確実に丁寧に生きていこうと思った。難しいところもあり全てを理解できなかったので、また絶対読み直そうと思う。

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2024/11/10

感情を消して身を守る、未来に希望を持って生き、自分の存在理由を知り、愛のすばらしさを知る。そして、どんな状況においても人間はどう生きるか選択できるということ。 強制収容所での経験を静かに綴った一冊を「人間とはなにか?」と悲しみや感動を覚えながら読み終えた。

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2024/11/09

これは、、、人が直面する体験としては最も過酷でヘビーな話だと思う。にも関わらず、心理学者という職業柄なのか、あくまで客観的に自分の様子が書かれた文章は、読んでいて心が痛くなってくる。決して忘れてはならない歴史だし、これからの未来にこの経験をどう活かしていくのかは重大な問題であると...

これは、、、人が直面する体験としては最も過酷でヘビーな話だと思う。にも関わらず、心理学者という職業柄なのか、あくまで客観的に自分の様子が書かれた文章は、読んでいて心が痛くなってくる。決して忘れてはならない歴史だし、これからの未来にこの経験をどう活かしていくのかは重大な問題であると思う。

Posted byブクログ

2024/11/08

辛い内容が多くて読むのに時間かかっちゃった。 悪夢にうなされる隣の人を「現実よりは悪夢の方がましだろう」という理由で起こさなかったというエピソード(46ページ)が収容所の過酷な環境を一言で表していてとても強烈だった。 先が見えない状況でも自分を強く持ち、人間らしく生きることの...

辛い内容が多くて読むのに時間かかっちゃった。 悪夢にうなされる隣の人を「現実よりは悪夢の方がましだろう」という理由で起こさなかったというエピソード(46ページ)が収容所の過酷な環境を一言で表していてとても強烈だった。 先が見えない状況でも自分を強く持ち、人間らしく生きることの大切さを主に説いていたが、あの過酷な体験を通じた筆者だからこそ説得力がある。 「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」 「人間が生きることには、つねに、どんな状況でも、意味がある、この存在することの無限の意味は苦しむことと死ぬことを、苦と死をもふくむのだ」(ともに138ページからの引用) 良い言葉です

Posted byブクログ

2024/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私の愛犬の最期を見届けることができず、 後悔していたときにこの本に出会った。 著者の強制収容所の実体験から真の絶望を学び、私はもう軽々しく「つらい」「悲しい」「しんどい」といった言葉を発することができないと感じた。 そして、「まっとうに苦しむことは、それだけでもう、精神的になにごとかを成し遂げることだ」という言葉に出会い、私のしている後悔も精神的に何かを成し遂げているのかもしれないと思えたことで、少し希望を持つことができた。

Posted byブクログ

2024/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ユダヤ人のフランクル氏が実際に体験した、ナチスドイツ支配下における収容所内での体験談。 今を生きる私たちに教えてくれる。生死は運命で、どうにもならない事が起こった時に、絶望の中で何を心の拠り所に生きるか、愛する人が心に語りかけてくれる人生を送れているか。また読み返したい。 「石を手にするなら、自分がその立場だったらやはりそうしないだろうか、と胸に手を当てて考えてからにするべきだ。」 「極限状態を経験した人は、この世にもはやなにも残されていなくても、心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんのいっときにせよ至福の境地になれるということを、わたしは理解したのだ。」 「収容所の日々、いや時々刻々は、内心の決断を迫る状況また状況の連続だった。人間の独自性、つまり精神の自由などいつでも奪えるのだと威嚇し、自由も尊厳も放棄して外的な条件に弄ばれるたんなるモノとなりはて、「典型的な」被収容者へと焼き直されたほうが身のためだと誘惑する環境の力の前にひざまずいて堕落に甘んじるか、あるいは拒否するか、という決断だ。 この究極の観点に立てば、たとえカロリーの乏しい食事や睡眠不足、さらにはさまざまな精神的「コンプレックス」をひきあいにして、あの堕落は典型的な収容所心理だったと正当化できるとしても、それでもなお、いくら強制収容所の被収容者の精神的な反応といっても、やはり一定の身体的、精神的、社会的条件をあたえればおのずとあらわれるもの以上のなにかだったとしないわけにはいかないのだ。そこからは、人間の内面にいったいなにが起こったのか、収容所はその人間のどんな本性をあらわにしたかが、内心の決断の結果としてまざまざと見えてくる。つまり人間はひとりひとり、このような状況にあってもなお、収容所に入れられた自分がどのような精神的存在になるかについて、なんらかの決断を下せるのだ。強烈的な「被収容者」になるか、あるいは収容所にいてもなお人間として踏みととまり、おのれの尊厳を守る人間になるかは、自分自身が決めることなのだ。」 「およそ生きることそのものに意味があるとすれば、苦しむことにも意味があるはずだ。苦しむこともまた生きることの一部なら、運命も死ぬことも生きることの一部なのだろう。苦悩と、そして死があってこそ、人間という存在ははじめて完全なものになるのだ。」 「おおかたの被収容者の心を悩ませていたのは、収容所を生きしのぐことができるか、という問いだった。生きしのげられないのなら、この苦しみのすべてには意味がない、というわけだ。 しかし、わたしの心をさいなんでいたのは、これとは逆の問いだった。すなわち、わたしたちを取り巻くこのすべての苦しみや死には意味があるのか、という問いだ。もしも無意味だとしたら、収容所を生きしのぐことに意味などない。抜け出せるかどうかに意味がある生など、その意味は偶然の僥倖に左右されるわけで、そんな生はもともと生きるに値しないのだから。」 「被収容者を心理学の立場から観察してまず明らかになるのは、あらかじめ精神的にまた人間的に脆弱な者が、その性格を展開していくなかで収容所世界の影響に染まっていく、という事実だった。脆弱な人間とは、内的なよりどころをもたない人間だ。」 「人間らしい善意はだれにでもあり、全体として断罪される可能性の高い集団にも、善意の人はいる。境界線は集団を越えて引かれるのだ。したがって、いっぽうは天使で、もういっぽうは悪魔だった、などという単純化はつつしむべきだ。事実はそうではなかった。収容所の生活から想像されることに反して、監視者として被収容者に人間らしくたいすることは、つねにその人個人のなせるわざ、その人のモラルのなせるわざだった。そのいっぽうで、みずからが苦労をともにしている仲間に悪をなす被収容者の卑劣な行為は、ことのほか非難されるべきだ。品位を欠くこうした人間が被収容者を苦しめたことは、他方、監視者が示したほんの小さな人間らしさを、被収容者が深い感動をもって受けとめたことと同じように明らかだ。」 「この世にはふたつの人間の種族がいる、いや、 ふたつの種族しかいない、まともな人間とまともではない人間と、ということを。このふたつの「種族」はどこにでもいる。どんな集団にも入りこみ、紛れこんでいる。まともな人間だけの集団も、まともではない人間だけの集団もない。したがって、どんな集団も「純血」ではない。監視者のなかにも、まともな人間はいたのだから。 人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。」

Posted byブクログ

2024/11/02

ずっと読もうと思っていた本をやっと読んだ。 この本は軽い気持ちで読めないな、とか読後の気持ちを想像して横目に見つつちょっと避けてた。今だ、と思って読み出して3日で読んだ。 心理学者の著者が書く本書は、収容所での壮絶な体験や生活を前提として共有する程度で、大部分は心理学の観点からの...

ずっと読もうと思っていた本をやっと読んだ。 この本は軽い気持ちで読めないな、とか読後の気持ちを想像して横目に見つつちょっと避けてた。今だ、と思って読み出して3日で読んだ。 心理学者の著者が書く本書は、収容所での壮絶な体験や生活を前提として共有する程度で、大部分は心理学の観点からの観察と考察として語られているため、感情的になる部分が少なく冷静に読むことができた。実際に収容所に収監された体験に基づいた心理学者の著書というだけで貴重だし、読後にさまざまな考察を与えてくれるのは良書だ。 読後、心に残ったことは ・人間にはふたつの種族がいる。まともな人間とまともではない人間。このふたつの種族はどこにでもいる。どんな集団にも入り込み、紛れ込んでいる。まともな人間だけの集団も、まともでない人間だけの集団もない。被収容者の集団にも監視者の集団にも。まともな人間は、勇敢でプライドを保ち 無私の精神を保ち続けた者、まともでない人間は他人を痛めつけることに快感を覚え、保身のための戦いに人間性を忘れた者。一人の人間の中にもまともな部分とまともでない部分が入り混じっているかもしれない。 ・人間を精神的にしっかりさせるためには未来の目的を見据えて生きること、人生が自分を待っていると思い出させることが重要だった。未来を信じることができなくなると、精神的にも身体的にも破綻した。 (今に集中する、とりあえず今日を今を生きよう、という考え方とは異なる。 )未来の期限をいつに設定するかはものすごく重要で、例えばクリスマスには自由になれるだろうと考えた多くのものは希望が叶わなかったことで絶望し免疫力が下がり死んだ。 未来の希望を愛とするのは美しいが危険かもしれない。収容所で唯一心の支えにしていた愛する人がいない、夢に見ていた憧れの瞬間が今や現実になったのに、思い描いていたのとはまるでちがう 。新たに手に入れた自由の中で運命から手放された失意は乗り越えることが極めて困難なたいけんで あって、これを克服するのは容易なことではない、と心理学者の著者は言い切る。 著者の両親、妻も収容所で亡くなっている。人を愛を生きる唯一の糧とせず、仕事の側面も持っていたからではないか。著者がトリックを語る部分がある。講演のテーマは、なんと、強制収容所の心理学。ここに焦点を当てることで、全ての厳しい現実は客観化され、学問という一段高いところから観察される。自分の味わっている現在の状況、苦しみにどこか俯瞰的に過去のようにみなすことができ、自分の苦しみ共々、自身の心理学研究の対象とすることができたのだ。 この感覚は非常に重要だと思う。例え心理学を研究していなくても、心理学者じゃなくても。自分の人生にそのような視点をもつことができれば、人生の重荷は軽減し、目的も得やすくなる。全ての人はその権利を生まれながらに持っているから。地球という惑星に偶然生まれ落ちた宇宙人みたいに、自分の星に帰ってレポートするとしたら? スピノザは 苦悩という情動はそれについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめるーマインドフルネス/気づきだ ドストエフスキーはこう言った。 私が恐れることはただひとつ、私が私の苦悩に値しない人間になることだ。 2024.11.1

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2024/10/29

極限の状態にある人間の心理プロセスを精神科医の眼で書き綴られている。某収容所内で仲間が次々殺されていく絶望感、無力感は胸が苦しくなるが、明日死ぬかもしれない女性が窓から見える自然の美しさに感動する場面があり、人間の強さを感じた。

Posted byブクログ

2024/10/29

全くの無知でおすすめされて読んだ。 私にとってはとても難しい内容で世界情勢や歴史なんかも疎くてだいぶ苦労した。 読めない漢字も多かった けどユダヤ人、強制収容所、アウシュビッツ、知らなければいけないだろう言葉がたくさん出てきて、そこから調べながら情景を思い浮かべて読み進めていくこ...

全くの無知でおすすめされて読んだ。 私にとってはとても難しい内容で世界情勢や歴史なんかも疎くてだいぶ苦労した。 読めない漢字も多かった けどユダヤ人、強制収容所、アウシュビッツ、知らなければいけないだろう言葉がたくさん出てきて、そこから調べながら情景を思い浮かべて読み進めていくことにとても知識が深まったと同時に読む前の自分には戻りたくないと思った。 人の痛みやそれぞれの愛のありかた極限を知った人の思考が自分が考えるより更に奥深い思考になる事 この本をきっかけにここからもっと見聞を広げたいと思った。 きっかけになるにはでかすぎる本だと思う内容だけど読んでよかった。 また知識が深まったときにもう一度読み直したい。 きっとまた捉え方は今とまったく変わっていくのだろう。

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2024/10/27

心理学者が強制収容所に送還された話。 はじめて収容所の具体的な話を見た。 当時の感情が手に取るようにわかって苦しくなった。 そんな中でも、絶望的な環境の中で筆者が妻を想い愛で心を満たして生き延びる描写には涙が出た。 そして人として誠実であり、周りを助け勇気を与えるところに人間とし...

心理学者が強制収容所に送還された話。 はじめて収容所の具体的な話を見た。 当時の感情が手に取るようにわかって苦しくなった。 そんな中でも、絶望的な環境の中で筆者が妻を想い愛で心を満たして生き延びる描写には涙が出た。 そして人として誠実であり、周りを助け勇気を与えるところに人間としての尊厳を感じた。 開放後もハッピーエンドで終わらないところに苦しさを感じた。

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