夜と霧 新版 の商品レビュー
第二次世界大戦時のドイツ強制収容所に、ユダヤ人だという理由で収容された心理学者の体験記。 これはすごい。。何度も読み返したくなるのが分かる唯一無二の名作だ。。 序盤から中盤にかけては、被収容者達が人間としての感情を失っていく様子が、平和な時代を生きている私にも少しでも理解でき...
第二次世界大戦時のドイツ強制収容所に、ユダヤ人だという理由で収容された心理学者の体験記。 これはすごい。。何度も読み返したくなるのが分かる唯一無二の名作だ。。 序盤から中盤にかけては、被収容者達が人間としての感情を失っていく様子が、平和な時代を生きている私にも少しでも理解できるように、わかりやすく丁寧に描かれている。 終盤では、終わりのない地獄のような毎日の中で生きる事、生きる事の意味について何度も説いている。 自分が生きる意味とは何か。愛する人?仕事?研究? やはり目的を持って、未来を見て生きることが、人間として生きることなのだろうか。自分が生きる意味について、深く考えたくなる。 私の今のキャパシティだと、全て抱えきれない一冊。また読み返す度に、新たな発見が生まれるんだろうなという一冊。
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私が生に何を求めているのではなく、生が私に何を求めているか。 言葉では表しきれないほどの衝撃と感動を私に与えた本だった。 人間性の涵養に必読の書である。 自信を持っておすすめしたい。
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収容所での生活を強いられた人々の苦しみは計り知れないが、心理学的な目線から語られていることもあり、自然と自分の苦しかった経験と重ね合わせて読んでいた部分もあった。 苦しまなければいけなかった運命もまた生きる意味となるのだと考えることができた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パレスチナについての書籍を読む上で、一度ホロコーストについて綴られた本を読んでおきたくて手に取った。中学生の頃何度も読み返していた本で、中学を卒業してから現在に至るまで一度読み返していなかった本でもある。 そして私は当時関連書籍を読むことなく、ナチスドイツによるホロコーストに関心があったにも関わらずこの本だけをずっと読んでいた。あのときもっと他の本を読んでいたら、今何か変わっていたのかもしれないと後悔した。 中学のときから今回再読するまでずっと『夜と霧』の印象は真っ白な雪の中を、グズグズになった足を無理やり靴に押し込んで引き摺りながらずっ、ずっ、と歩くシーン。 それから収容所から解放された人々がどう変貌していったか、その恐ろしい空気。わざわざ通らなくてもいい麦畑を踏みつけて目的地に向かって、それを「自分たちは収容所であんなに酷いことをされた。自分がこれくらいのことをして何が悪い」と言う人のエピソード。そう言い放った人物は、収容所内ではとても温厚だった。自らが受けた暴力を理由にして暴力的になる。戦争体験を経てのPTSD患者が家庭内暴力、虐待の被害者を生み続けている現状や、シオニズムの源流となる歴史が確かにこの本には記されていて、それを現実の生活に結び付けられなかった自分の想像力の乏しさに反省した。 歴史を忘れることで人間はもっと愚かで恥ずかしい生き物になり続ける。被害と加害のつながりを覚えておきたい。もっと考えたい。ホロコーストから現在のパレスチナでの虐殺に至るまでの書籍をもっと読みたい。 私は新版の訳しか知らないのだが、イメージとして文章が若干ポップなところが散見されたように思って、違和感を覚えることもあった。でも読みやすい。フランクルの感じたであろう計り知れない恐怖よりももっと恐ろしい感情がバッと映し出される場面もあり、不思議な翻訳だと感じた。
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人が生きることについての本質を、壮絶な体験をもとに伝えている。心理学者としての客観的視点が、なにより貴重な記録であることがわかる。 人間はなにごとにも慣れる存在だ。極限状態下では、おぞましいほどこの慣れに対する残酷さが伺える。 未来への目的がないと、精神的に壊れてしまうのも納得...
人が生きることについての本質を、壮絶な体験をもとに伝えている。心理学者としての客観的視点が、なにより貴重な記録であることがわかる。 人間はなにごとにも慣れる存在だ。極限状態下では、おぞましいほどこの慣れに対する残酷さが伺える。 未来への目的がないと、精神的に壊れてしまうのも納得できる。そして、その目的に直結する究極形が愛であることも。 どんな人間においても、この名著から学べることはあるはずだ。と希望を持ちたいと同時に、そこまで未来を見え自分を客観視できる人は一部でしかないと思えてしまう。事実、今も残酷な人間同士の悲劇は繰り返されているのだから。
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精神的な愛についての言及が印象的。 愛は人が人として到達できる究極にして最高のものだ。一言一言に深く感動した。「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」とだれかが言ったー。 希望や愛の描写がとくに残った。一言一言を咀嚼してくる感覚が、とても心地よくて、良い読書体験だった。
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色々な媒体で語られる悲惨な史実が書かれる中で、保身のために悪に加担した同胞もいたと描かれていたこと、いい人は帰ってこなかったという言葉が印象に残った。逃れるために加害者側に加担するというのは、ありそうだなとは思う。でもその人達は被害者でもあるし...生還した人は、見るに耐えないも...
色々な媒体で語られる悲惨な史実が書かれる中で、保身のために悪に加担した同胞もいたと描かれていたこと、いい人は帰ってこなかったという言葉が印象に残った。逃れるために加害者側に加担するというのは、ありそうだなとは思う。でもその人達は被害者でもあるし...生還した人は、見るに耐えないものを見てしまったからこそ生き残った罪悪感ももしかしたらあるのかもしれないと想像する。 始終複雑な思いでズシンと来た。
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「精神の自由」の節あたりから、収容所体験を心理学者の視点から論じていて興味深かった。 言葉の重みがすごい。文面だけではない、著者の伝えたいことが多くありそう。 漢字で“譫妄”が読み書きできるようになった。
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筆者の体験と自分の現状を比較すべきではないと分かっているが、自分の苦しみなんて大したことないと思い知らされる。人生における様々な場面での「願望と現実との乖離」に私は甘い認識や期待をもち過ぎていると感じた。 精神と肉体は別物である。肉体が傷ついていくのは自分で気づけるが、精神の...
筆者の体験と自分の現状を比較すべきではないと分かっているが、自分の苦しみなんて大したことないと思い知らされる。人生における様々な場面での「願望と現実との乖離」に私は甘い認識や期待をもち過ぎていると感じた。 精神と肉体は別物である。肉体が傷ついていくのは自分で気づけるが、精神の消耗は気づけないケースが多々ある。精神の消耗に気づき、地獄の中にいても人間としての在り方を問いつつげられるのが精神よりも高次元な『魂』なのではないかと考えた。
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バイブルです。過酷な状況においても希望を持って生きることの大切さを知りました。真似なんてできませんけど…。子どもにも読んで欲しい一冊です。
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