秘密 の商品レビュー
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改めて東野圭吾のすごさを感じる作品だった。ジャンルでいるとミステリになるのだろう。 人格の入れ替わりという「転校生」以来使い古されたアイディアを母子の間に適用し、見事な作品に仕上げている。 直子は最初は自分の身に起きたことに戸惑いつつも、次第に状況を理解し受け入れていく。そして自分に起きた奇跡を最大限活用しようと決めて実行していく。 一方、平介は一人の男性、夫、父親として思い悩み、時には愚かな行動をしたりする。 事故を起こした梶川の二つの家庭、それぞれの親子を襲う不幸。後には母親を急病で失い天涯孤独になった梶川逸美、まだ中学生なのに。読んでいてとても辛かった。救いは最後の部分で美容師を目指してがんばっている様子が書かれていたことだ。 平介は最後は”あきらめた”のか”達観”したのか。確かなのは直子の強さである。
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中学3年のとき、初めて読んだ東野作品がこの本。読み終わってから、10年以上ほったらかしにしていたので、手放そうかと悩み、今回読み直してみた。再読の今回は、結末を知っているため、最初の場面から終始泣き続けながら読んでしまった。 東野圭吾が今ほど人気ではなかった頃(いや、当時も十分有名だった)の作品だが、文章の稚拙さ等は感じられない。 27歳の今、読むと15歳の時には感じられなかった「秘密」というタイトルにこめられた大きな意味に気づく。主人公である夫婦の、二人だけの、そしてそれぞれ互いにも明かすことのない秘密。この小説のクライマックスは、二人が永遠にそれを秘密として生きていくところにあると思う。 そう、これから先も何十年も大きな秘密を抱え込まなければならないことに気づいた主人公の最後の涙が切ない。
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衝撃のラスト。ラスト手前までは「やっぱりそうなっちゃうか…」と思いながら読んでたのに、本当にびっくりしました。タイトルの「秘密」はそういうことだったかと…。でも2人はそれで幸せなのか?って疑問も感じます。お互いのことを考えた上での決断なのはわかりますが。なんにせよ読みはじめたら一...
衝撃のラスト。ラスト手前までは「やっぱりそうなっちゃうか…」と思いながら読んでたのに、本当にびっくりしました。タイトルの「秘密」はそういうことだったかと…。でも2人はそれで幸せなのか?って疑問も感じます。お互いのことを考えた上での決断なのはわかりますが。なんにせよ読みはじめたら一気に読んでしまいました。
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結局おもしろくなかった。 なんだかありえないことが当たり前といった前提で話が進んでいるので、素直に受け入れて読み進めて、最後はあぁぁ、なんだかやるせない。。。って感じでした。 途中から作者の意図が見えてきて、このまま普通に終わってしまうのかと思ったら、その通りで。。。 多重人格者の話にして終わってほしかったなぁ・・・と裏切られて感じです。ま、それが意図することだったってことはすごくわかります。
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前に読んだことがあった気がしたのだけれど、再び読んだ。読みやすくて面白かった。読みやすすぎて、途中から先の展開が気になって、読み飛ばしがちになってしまったので、最後の方の感動が薄かった。たぶんもう少ししっかり入り込んで読めたら、最後でもっと感動できたのだろうにと若干悔しい。 自分...
前に読んだことがあった気がしたのだけれど、再び読んだ。読みやすくて面白かった。読みやすすぎて、途中から先の展開が気になって、読み飛ばしがちになってしまったので、最後の方の感動が薄かった。たぶんもう少ししっかり入り込んで読めたら、最後でもっと感動できたのだろうにと若干悔しい。 自分の愛する人間が自分の前から一生いなくなってしまう、その時の最後の言葉が『忘れないでね』というのが切ない。平介の気持ちを考えると切なすぎる。 基本的に平介の立場で描かれてるし、自分も男だから平介の視点で読み、平介の苦しみに共感したけれど、女の人が直子の視点で読めるのだとすれば、直子の気持ちを理解して、違う風にこの小説を読めるのではないかなと思った。
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じゃっかん辛めにつけたかも。 泣けちゃう話だとばかり思ってたら、やっぱりまた微妙に気持ち悪かった(失礼) たしか広末涼子主演で映画化されてたよね、昔。 妻と娘が事故に遇い、妻の体が死に娘の魂が死に、残ったのは妻の魂が入った娘の体。 妻の魂を愛しながら体は娘のものだから手を出せない夫。 最初は妻の意識が強くて周りからおかしな目で見られてたのに(小学生に36才の魂w)第二の青春を謳歌しだしちゃう妻。 高校の先輩との浮気疑惑のあたりは正直気持ち悪かった; リアルな男女(夫婦)の感情なのかもしんないけど、お父さんが娘(中身は妻だけど)の裸見たがったり、交際相手がきになるあまりストーカーみたくなっちゃったり、娘は娘で(妻だけど)なんか調子に乗り出して主張激しくなってきたり、誰にも感情移入できない間、気持ち悪かったっ。 タイトルの「秘密」も、できたら秘密のままでいてほしかった(笑) 娘の魂が戻ってきたあたり、ありていだけどこれでいいのだーなんて思ってたら、実は夫が父として生きると決めたから、妻が娘蘇ったフリしてたっていう… ラストは別の男と娘(妻)が結婚するにあたってその秘密が露呈するという後味の悪さ;; そして夫は妻の意志を汲んで、娘として生きると決めた妻の演技に気づかぬように決断して、花婿を二発ぶんなぐろうとして終わる(妻と娘とられたから二発) だったら、夫が再婚するまで書いてほしかったよ。 なんか結局妻がいいとこどり、みたいな気がしちゃってさー。妻が自分の存在を完全に消して娘の人生を生きると思えば悲壮感漂うけど、順当に老いる夫にたいし、若くそれなりに美しい娘の体をもらい、中学高校とやり直して大学まで行って、エリートと結婚って普通に羨ましいww ていうか夫無念すぎじゃね?という感じです。 浮気も我慢して風俗行っても発散できず、そうそうにかれはてたような←
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バスの転落事故の後、死んだ妻の精神が娘の中で生き始める。 夫と妻、父と娘、被害者と加害者といういくつもの関係から生じる葛藤が描かれていたが、中でも、娘として生きることを強いられる妻の苦しみと、側にいながらも離れていってしまう妻への夫の想いが、読んでいて切なく、苦しかった。
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私の中の東野作品でベスト5に入るくらい大好きな作品。 切ないラストで思い切り号泣しすっきりできる。 普段泣く機会ってそんなにないからこういう泣ける本は大好きです。 娘の体を借りているとはいえ、高校生に戻り人生をやり直し出来る直子が少し羨ましかったなぁ。
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事故に遭った母娘。死んだ娘の体に乗り移ってしまった母は、娘として生活を始める。 感想。「自分の子の死」は母親にとって、もっと大ダメージを受けると思うのだけれど… この母親が10代の少女の体を手に入れ、活き活きと青春を謳歌しているのには感情移入できないなぁ。まぁ葛藤はあるけれども…。
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妻の直子と娘の藻奈美がバスの事故に巻き込まれた平介 病院にかけつけるも直子は亡くなり藻奈美も意識が戻らない 直子の葬儀を終えた後で藻奈美の意識が戻るが自分は直子だと言い出す 藻奈美の体に入ってしまった直子はそのまま藻奈美として生きていくことを平介に告げる ネタバレだけど最後泣いた 藻奈美に戻ったと思っていたが実はまだ直子のままだったと知る平介 直子は平介のために自分は消えて藻奈美のふりをして生きていったほうがいいと考えていることを察する 直子の自分への想いと決意に最後泣き崩れる平介を思うと涙出てきた これから直子は完全に藻奈美として生きていくのを平介にさえも隠していかなければならない それを平介はだまって見ていかなければならない 直子の決意を尊重してこれからどのように暮らしていくのだろうか 出てくる登場人物の誰もが誰かのために秘密をかかえ自分を犠牲にして生きている 辛いのだけれどもこういう生き方ができればいいなと思った 読んだの2回目だけどまた泣けてよかった たぶん自分が読んで初めて泣いた小説 映画もテレビで放送したとき見たけどかなり納得いかない おまえ直子なのかと平介聞いちゃうし直子は「いけねばれちゃった」みたいな顔するし もう台無しだと思った 小説を先に読んでよかった
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