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犬婿入り の商品レビュー

3.4

65件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    22

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    5

  5. 1つ

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共同体というひとつの…

共同体というひとつのカテゴリーにおける、異物というものを徹底的に排除する傾向が鮮明に描かれている「犬婿入り」。言語を切り離した世界を描き、独特の雰囲気を感じさせる「ペルソナ」収録。時として言葉は、勝手に一人歩きをする。時として言葉は、何の役にも立たない。強い意志を持っているかと思...

共同体というひとつのカテゴリーにおける、異物というものを徹底的に排除する傾向が鮮明に描かれている「犬婿入り」。言語を切り離した世界を描き、独特の雰囲気を感じさせる「ペルソナ」収録。時として言葉は、勝手に一人歩きをする。時として言葉は、何の役にも立たない。強い意志を持っているかと思いきや、全く無力な存在でもあるのだ。そんなことを痛感させられる一冊。

文庫OFF

芥川賞受賞作。民話を…

芥川賞受賞作。民話を取り入れた作品でユーモアもあって面白いです。『ペルソナ』も併録。

文庫OFF

学習塾の中年女講師が…

学習塾の中年女講師が主人公のちょっと変わった作品

文庫OFF

変です。変な話です。…

変です。変な話です。正体不明なものを食べたような、妙な読後感。 日常を書いてる話なのに、なんだかズレがあるのです。 登場人物は感情移入を意図的に拒んでいるのかも。わざと客観的描写をして、はなれたところに物語をぽんと放っておいて、入り込まれるのを嫌がっているような、そんな感じです。

文庫OFF

2025/10/31

日本語表現として普通じゃないことは分かる。あと,「ペルソナ」は三人称小説であることに加えて,視点が動くのでその点も斬新かもしれない。 ドイツで博士号取れるくらいのドイツ語力とネイティブ日本語を,どちらにも寄せずにぶつけるとこういう風になるのか。著者が言語に自覚的であることは伝わっ...

日本語表現として普通じゃないことは分かる。あと,「ペルソナ」は三人称小説であることに加えて,視点が動くのでその点も斬新かもしれない。 ドイツで博士号取れるくらいのドイツ語力とネイティブ日本語を,どちらにも寄せずにぶつけるとこういう風になるのか。著者が言語に自覚的であることは伝わってくる。 話としては正直よく分からない。やっぱり純文学は難しい。

Posted byブクログ

2025/08/29

『ペルソナ』では、複数の国を行き来する浮遊感を味わうことができた。『犬婿入り』では、民話が日常へ侵入するさまが、これほどあっさりと描かれるのかと驚いた。

Posted byブクログ

2025/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プロ向けの小説という印象の作品。 視点は面白いし、価値観を揺さぶってくる感じも悪くないが、読み終わった後の満足感はあまりない。 読んでも読まなくてもよかったなという感じ。 ペルソナ ペルソナとは能面のことらしい。 人種や国民性についてステレオタイプな価値観を持つ人々がたくさん登場する。日本人は能面のように表情がなく感情が読めないと言われる。 道子が混乱して街を歩き回るところはカフカを想起させた。 犬婿入り 犬がお姫様の尻をなめるという「犬婿入り」という民話は本当にあるのかどうか。その話をした北村みつこの家に、何やら犬っぽい太郎という男が住み着いて犬っぽいことをする。

Posted byブクログ

2025/09/25

芥川賞受賞作『犬婿入り』と芥川賞候補作「ペルソナ」の2篇。 「ペルソナ」の方が個人的には好きです。作者が体験したかもしれない様々な出来事・観点みたいなものが出てくるのだけど、ドイツから見たアジアというくくりだったり、そのアジアの中でも日本が他のアジアの国々の人をどう思っているかだ...

芥川賞受賞作『犬婿入り』と芥川賞候補作「ペルソナ」の2篇。 「ペルソナ」の方が個人的には好きです。作者が体験したかもしれない様々な出来事・観点みたいなものが出てくるのだけど、ドイツから見たアジアというくくりだったり、そのアジアの中でも日本が他のアジアの国々の人をどう思っているかだったり。同じアジア、もっと広く見れば同じ人間であるのに境界があるかのような(いわゆる差別的なもの)お話が興味深かった。最後は主人公が仮面(ペルソナ?)をかぶり街を練り歩くときドイツの誰も彼もが主人公を日本人として捉えなかったというのは分かりやすいオチっぽく感じるけど、好き。

Posted byブクログ

2025/02/22

『ペルソナ(能面)』 ドイツに住む日本人である姉弟の物語。日本人である主人公は、東アジア人と一括りにされ、ドイツ人に偏見の目で見られる。いくら活躍しても日本人というだけで、婉曲的にであるが、侮蔑的な屈辱を味わったイチロー選手やダルビッシュ選手を思い出す。主人公は他者が日本人に期待...

『ペルソナ(能面)』 ドイツに住む日本人である姉弟の物語。日本人である主人公は、東アジア人と一括りにされ、ドイツ人に偏見の目で見られる。いくら活躍しても日本人というだけで、婉曲的にであるが、侮蔑的な屈辱を味わったイチロー選手やダルビッシュ選手を思い出す。主人公は他者が日本人に期待する能面を被って街へ出る。その時やっと自分自身が自由な感覚を取り戻す。強い言葉を持った一人の人間として。 『犬婿入り』 「異類婚姻譚」(人間以外の存在と 人間とが結婚する説話の総称)をベースに書かれている。ありえない話なのに、あれ?これ、もしかしたら犬が入ってる人間?それが信じられないくらいリアリティをもって物語が進んでいく。おもしろい! 人間と動物、清潔なものと汚らしいもの、現実ち非現実、昼と夜、整頓と混沌を行き来していく。 でも、一読しただけでは作者のメッセージが読み取れない。

Posted byブクログ

2025/01/26

何これヤバイんだけど。 というキテレツ系のお話で、概ねその登場人物もおかしいので、誰かだけ浮いていて異常というのよりは全体的に異常系が掛け合わさってもう正常みたいな。太郎くんのハチャメチャっぷりもナイスだけど、ゲイバーをゲーセンと勘違いする小学生にはナルホドなぁと膝を打つような妙...

何これヤバイんだけど。 というキテレツ系のお話で、概ねその登場人物もおかしいので、誰かだけ浮いていて異常というのよりは全体的に異常系が掛け合わさってもう正常みたいな。太郎くんのハチャメチャっぷりもナイスだけど、ゲイバーをゲーセンと勘違いする小学生にはナルホドなぁと膝を打つような妙手で感じ入った。さほどに小学生は侮りがたし。

Posted byブクログ