第71回(2025年度)

※発売前につき、受賞作のタイトル・著者名のみ記載
第70回(2024年度)
伊佐は真面目一筋だった父の突然の死、そして殺人・強盗犯という汚名を信じられず、横浜の港崎遊廓・通称「遊廓島」へと遊女に扮して乗り込む。父の死の真相を探る中で、異国の将校・メイソンと出会い二人は心を通わせていく。史実とフィクションが織り交ぜられた展開も魅力の長編ミステリー。
人気アイドルがわずか3カ月のトレーニングでボディビル大会に上位入賞し、SNS上でドーピング疑惑が浮上。新人記者・松村健太郎は真相を探るため、大峰が経営するジムに潜入取材を開始する。ベテラン会員の協力もあって成長した松村は、ついに大峰のパーソナルトレーニングに挑むことに。果たして筋肉は本物か、それともフェイクか。真実を追う記者の奮闘を描いた、筋肉とミステリーが融合したエンターテインメント小説。
第69回(2023年度)
大正浪漫の香りのする鳥取の村、東京の文壇に憧れる女性たち、社会主義者やアナーキストたちの暗躍に、活弁「怪盗ジゴマ」。印象は色々な物が一緒くたに詰め込まれた玉手箱のよう。尾崎翠の第七官界彷徨の創られる様子や田中千鳥の生き生きとした才能の煌めきの描写など真実のようなフィクションだ。(Posted by ブクログ)
第68回(2022年度)
小惑星「テロス」が日本に衝突することが確定している世界で、小春は運転免許取得のためイサガワ先生の自動車の教習を受けていた。ほとんどの人が国外へ逃げるか自ら命を断つ中、小春とイサガワは教習車のトランクに女性の他殺死体を発見するが……。いわゆる地球滅亡×ミステリなんだけど、冒頭から斬新。あらすじ読まずに読んだから「あれ? 教習所の教官との会話にしてはなんかおかしくない??」ってなってからの世界設定説明にうわぁぁぁってなった。導入がうまい。めちゃくちゃうまい。非日常なはずなのに、日常感がすごい。(Posted by ブクログ)
第67回(2021年度)
面白ー。一気読み。これが著者初の長編ミステリ? 信じられない。過去と現在を行き来するエピソードとか、沢村の警察では目立つ経歴とか、さらにそれは学閥がある警察では後ろ盾がないとか、いろんな要素を入れながらストーリーを追いやすい。登場人物の悲喜こもごも密度高く書いていて、登場人物をイメージしやすい。次も楽しみにしている。ゆっくりのペースでいいので、長く活躍してほしい。(Posted by ブクログ)
舞台は南宋。武侠小説×ミステリ。気の流れを操る内功と肉体を鍛えて得る外功。いわゆる気功みたいなイメージ。そんな特殊な力を操る人らの中で起こった密室殺人。キャラ同士の争いも面白いし、更に二転三転するミステリ要素もあって面白かった。意外なミスマッチに拍手。勝手に配役しながら楽しく読了でした。(Posted by ブクログ)
第66回(2020年度)
一気読みの一冊。認知症を一つのテーマに描かれる社会派ミステリ。認知症診断された元刑事の主人公が身元不明の老人の調査に携わることになり次第に周囲も脅かされていく……よくある展開だけれど興味は尽きない一気読みの面白さがあった。記憶が喪われつつある日々、片や無意識に、片や意図的に記録としてだけでなく"記憶"としてノートに記すシーンはせつなさが相まって印象的。(Posted by ブクログ)
第65回(2019年度)
企業トラブル炎上の火消し役、というあまり馴染みのない職業の主人公が巻き込まれる事件。嫌韓やAIなどの時事も織り込んで、雰囲気としては謀略サスペンスっぽい読み心地ですが、それよりは日常に近くてとっつきやすい印象です。ハードボイルドの要素もあるかな。ミステリ部分のあのトリックはけっこう盲点だったなあ。そして主人公のキャラクターがなかなかかっこいいのだけれど。ラストが切ない……でもかっこいいよね。(Posted by ブクログ)
第64回(2018年度)
久しぶりに読みながら先の展開にワクワクドキドキさせられた。(中略)あるところで「ええ?そっちに行くの?」と、予想外の展開にのけぞる。けれど、たまたま読んでいたその同じタイミングでネットに上がってきたとあるニュースがその予想外の展開とほぼ同じ内容で、のけぞりからいっきに前のめり状態。そうか、これはとんでもでもなんでもなく、ありえるSFというか、あってもおかしくない話なのか。(Posted by ブクログ)
第63回(2017年度)
第62回(2016年度)
猟奇殺人一家の娘が兄の殺害を切っ掛けに現実と幻想と妄想と過去の迷宮に入り込んでいくような話。前半はとても面白かったです。人知れず猟奇殺人を繰り返す一家はB級のホラー映画を観ているような設定でわくわくしました。(Posted by ブクログ)
第61回(2015年度)
陶芸家の死は自殺か?13年前の殺人事件は冤罪なのか?自殺現場に残された謎のメッセージと、13年前の事件の容疑者の発したメッセージの共通点は「道徳」。2つの事件の謎は興味深く、テンポよく真相に近づき、また新たな謎が提示される。飽きることなく最後まで読み進めることができた。だからこその期待感か、ラストがやや残念。それでもかなり面白かった小説だと言える。(Posted by ブクログ)