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針女 河出文庫
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針女 河出文庫

有吉佐和子(著者)

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針女 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2025/07/08
JAN 9784309421964

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商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2025/12/30

夏に購入していて楽しみにしていた有吉佐和子さんの本。やっと読むタイミングが来た! 読みやすい文体ととっつきやすい内容でさくさく進みました。 太平洋戦争をくぐり抜けた女性の話で、孤児でありながらも和裁を家業とするおうちに引き取られて大切に育てられ、職を身に付け、ケガしつつもたくま...

夏に購入していて楽しみにしていた有吉佐和子さんの本。やっと読むタイミングが来た! 読みやすい文体ととっつきやすい内容でさくさく進みました。 太平洋戦争をくぐり抜けた女性の話で、孤児でありながらも和裁を家業とするおうちに引き取られて大切に育てられ、職を身に付け、ケガしつつもたくましく生きる様子が心強かった。 縫い物まわりの事情や、戦前・戦中のそれこそ「丁寧な暮らし」がよく分かり、例えば針を布に刺すとき音を立てないようにするのが本当の達人みたいなこととか、義理のお母さんと2人で布団を剥いでもんぺとか服にすることが楽しいとか、自分でデザインしてすぐ服を作っちゃうところとか、100年も経ってないのに衣服に対する姿勢ってものすごく変わったんだと実感。 あとは、針を踏むとどうなるのかってことも分かって、昔から裁縫をするときは針の扱いについてすごく口うるさく言われてきたその理由がわかったことも収穫。 四の四とか、四の三とか、いまでも針を買うとたまーに書いてたりするので、由緒正しき呼び名なんだなぁと思ったりもしました。 針って、消耗品だよねやっぱり。私だけじゃなくてよかったぁ。 主人公は「清子」っていう名前なんだけど振り仮名が私の見た限りは全然なかったので、「きよこ」「せいこ」のどっちかなー私はせいこのほうが好きやけどなぁって思いつつ読んでて、98%終わったところで「き、清子・・・」みたいな箇所があったことによりきよこだとわかりました。ちょっとびっくりした。 ストーリーについては、予想と違って、カップリングの妙味とかあまりなく、淡々と進むのが心地良かった。 お幸さんがだんだんなのめならない感じに変貌していく部分だけが不穏でしたが、彼女の嫉妬心にも共感できます。 個人的に、ちょうど追いかけで観ていた朝ドラの「あんぱん」も戦争パートだったので、この本を読んでいた時期も重なって、今年のクリスマスイブからクリスマス当日にかけては「学徒出陣」「武運長久」「灯火管制」「忠君愛国」「国民學校」って感じでした。 もう二度と繰り返さない歴史について学べてよかった。(とってつけたように締めくくる)

Posted by ブクログ

2025/12/08

東京下の針職人夫婦に育てられた清子 ひとり息子の弘一に思いを寄せながらも、出征を見送り、 戦時下、そして戦後を懸命に生き抜く。 その間に針を踏み抜き、それがもとで片足が不自由に、 清子は新たな負い目を抱え、さらに息を詰めるように暮らしていた時、弘一が復員。 しかし戦争は人格をも変...

東京下の針職人夫婦に育てられた清子 ひとり息子の弘一に思いを寄せながらも、出征を見送り、 戦時下、そして戦後を懸命に生き抜く。 その間に針を踏み抜き、それがもとで片足が不自由に、 清子は新たな負い目を抱え、さらに息を詰めるように暮らしていた時、弘一が復員。 しかし戦争は人格をも変えてしまい、元のようにはいかない 有吉佐和子の作品て、その時々の状況を切々と克明に描く、というのじゃなくて、時代背景として頭に置きながら、人間をより深く生々しくそして容赦なく、と。 悪い人間には悪い人間なりの「う~ん そうだなぁ」と思えるところがあり、弱い人間には弱い人間に自然と寄り添えるところがあり、人間の描き方が素晴らしい。 結末は決して明るい兆しも開けて未来が見えるわけではないけど、うん、そういうもんだろう、頑張って生きるしかないだろうと思わせてくれる。

Posted by ブクログ

2025/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

孤児だった清子は東京下町の針職人、三五郎に引き取られた。針仕事を仕込まれ、腕を上げていく一方で戦況は厳しくなり、三五郎の一人息子弘一に赤紙がくる。まさにその瞬間、針を踏んでしまった清子は、片足が不自由になってしまう‥。 乙女らしい直向きさでお国のために生きようとする清子にも、戦後に逞しく生きる女たちを好ましく思う清子にも、どちらにも共感できる。 復員後、生きる意味を見失い人が変わったかのような弘一に対して淡い初恋を捨てきれずにいた清子が別れを決意するラストは、これからきっと静かに強く生きていくに違いないと思わせる。 戦争が人々を変えていくさまを、不自由な足を抱えてじっと座って針を動かす清子の目を通して見ているかのような臨場感があった。 今年は稀有なことに作者の「青い壺」(文庫)がベストセラーになったらしいが、個人的にはこの「針女」のほうが読み応えがあった。

Posted by ブクログ