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センスの哲学
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2024/04/05 |
| JAN | 9784163918273 |

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商品レビュー
3.7
202件のお客様レビュー
ささいな日常から芸術まで、物事の見方が変わるような本だった。 部屋作りに悩んで、インスタやYouTubeで色んな人のルームツアーを見て同じものを買ったりしてきたけど、憧れの部屋を真似るのではなく、へたうまな自分らしい空間をつくっていきたい。 美術に関しても、今までは現代芸術を見て...
ささいな日常から芸術まで、物事の見方が変わるような本だった。 部屋作りに悩んで、インスタやYouTubeで色んな人のルームツアーを見て同じものを買ったりしてきたけど、憧れの部屋を真似るのではなく、へたうまな自分らしい空間をつくっていきたい。 美術に関しても、今までは現代芸術を見てもただ圧倒されるだけだったが、リズムを感じるという視点で見るのは面白そうだと思った。
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「センス」というものを哲学的視点で考えてみる。本書は、最終的にはセンスの良し悪しから、その先に向かう為の指南書である。ぼんやりと抱いていた、認識していた「センス」というものに対して自分自身が向き合う良い機会になった。
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センスとは、マニュアルではない。自己解釈のための尺度のようなものだと思う。「センスが良い」と「センスが悪い」は二分法ではなく、そこには必ずグラデーションがあり、本来は「中間のセンス」も含まれているはずである。本書は、それを“哲学”という視座から徹底的にこねくり回すことで、かえって...
センスとは、マニュアルではない。自己解釈のための尺度のようなものだと思う。「センスが良い」と「センスが悪い」は二分法ではなく、そこには必ずグラデーションがあり、本来は「中間のセンス」も含まれているはずである。本書は、それを“哲学”という視座から徹底的にこねくり回すことで、かえって分かりにくくしてしまってはいないだろうか。失礼ながら、本書自体が「センスの良い本」と言えるかどうかには疑問が残る。その説明に挑戦してみたい。 本書は「センスとは何か」「センスが良いとは何か」から考察を始めているが、私はあえて「センスが悪い」側から考えてみる。 まず前提として、センスの良し悪しは時代によって変わる流動的なものである。そのうえで、センスの悪さは比較的わかりやすく言語化できる。〈ダサい、ベタ、田舎臭い、安っぽい、偽物っぽい、必死すぎる、古臭い、キモい、悪趣味…〉など、いずれも日常的なディスの語彙で表現可能だ。もしこれらの反対が「センスの良さ」だとするなら、それは「天性で、脱大衆的で、その場に調和し、他者の共感を呼ぶもの」と言えるだろう。 センスの良いスピーチ、服装、仕事、音楽、トークとは、少なくともその場の期待に応えるか、あるいはそれをわずかに上回る必要がある。ファストファッションを身にまとい、ヒットチャートをBGMに、予定調和のトークを繰り返すだけでは、「無難」ではあっても「センスが良い」とは言い難い。 本書の表紙に使われているラウシェンバーグの作品は、確かに洗練されたデザインではある。しかし、「センスのあるもの」の代表としてラウシェンバーグを選ぶその感性自体が、すでにダサいという評価も成り立ちうる。私の周囲では、ラウシェンバーグは「数年前に流行ったもの」という文脈で語る事も可能。つまり、そこには明確な文脈依存性がある。 この点は重要。センスが時代によって変わるものである以上、それは結局、社会的価値観によって形成された「思い込み」から完全には逃れられない。中学生にとってのセンスの良さと、大人にとってのそれは一致しない。にもかかわらず、本書が提示する「リズム」という概念は、そのズレや他者の視点を十分に引き受けているようには思えない。それは社会的な流行や共有された期待と、どう接続されるのか。 本書に「この本はセンスが良くなる本だ」とある。しかし、もし本当にセンスが良くなるのだとすれば、時代の文脈を生成する側に立たなければ、それは嘘になる。「アンチセンスという陰影を帯びてこそ真のセンスがある」と本書は述べるが、そもそもアンチであるためには、まず参照すべき社会的価値観が必要だ。真空の中での反逆は成立しない。 結局、センスとは常に他者の視点を前提にしている。どれほど内面的・身体的な感覚として語られようとも、それが評価される以上、そこには共同の基準がある。センスの良さとは、個人の内発的な生成であると同時に、共同幻想である。刷り込まれた幻想である。尚、このレビューは個人的なセンスによるが、その良し悪しは他者任せだ。
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