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センスの哲学
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2024/04/05 |
JAN | 9784163918273 |
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商品レビュー
3.7
71件のお客様レビュー
大量の娯楽にあふれる時代にあって、いかにセンスある=より上質な=娯楽・芸術を楽しむか。とってもためになる入門書でありつつ、それだけにとどまらない射程を持つ本だ。 ラスト。序盤で否定されたはずの「一人暮らしの部屋」。ここをじっくり考えてみたい。 「現代思想入門」とあわせ、実に現...
大量の娯楽にあふれる時代にあって、いかにセンスある=より上質な=娯楽・芸術を楽しむか。とってもためになる入門書でありつつ、それだけにとどまらない射程を持つ本だ。 ラスト。序盤で否定されたはずの「一人暮らしの部屋」。ここをじっくり考えてみたい。 「現代思想入門」とあわせ、実に現代的で有用だ。あらためて、著者の真摯な姿勢がしっかり現れている。
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最終的には「センスが良くなる」ことを目標とした本のようです。 「ひとまず、センスがいいと言われる『好ましい状態』があると仮定します。そして、センスなるものに、人を解放してくれるような意味を与えるように考察を進めていきたい。 人をより自由にしてくれるようなセンスを、楽しみながら育て...
最終的には「センスが良くなる」ことを目標とした本のようです。 「ひとまず、センスがいいと言われる『好ましい状態』があると仮定します。そして、センスなるものに、人を解放してくれるような意味を与えるように考察を進めていきたい。 人をより自由にしてくれるようなセンスを、楽しみながら育てることが可能である。というのが本書の立場です』。 例えば、センスの悪さは再現性にとらわれすぎているとし、自分基準にシフトすると自分のセンスで創作ができるようになるといいます。すなわち、モデルの再現から降りることが、センスの目覚めであり、ものごとをリズムとして捉えること、それがセンスであると断言します。まさに人を自由にしてくれるのがセンスです。モデルの再現よりも「ヘタウマ」がセンスであるという考えは面白いし、納得できます。 著者の千葉雅也さんは哲学/表象文化論を専攻。フランス現代思想の研究と、美術・文学・ファッションなどの批評を連関するなど面白い研究をされています。 個人的には哲学の本は滅多に読みません。ただ、文章は平易で本書もなんとなく理解できたような気になりました。 「センスとは、ものごとを意味や目的でまとめようとせず、ただそれを、いろんな要素のデコボコ゠リズムとして楽しむことである。 そしてセンスとは、リズムを捉えるときに、(1)欠如を埋めてはまた欠如し、というビート、(2)もっと複雑にいろんな側面が絡み合ったうねり、という両面に乗ることである。 さらにセンスとは、意味を捉えるときに、それを『距離のデコボコ=リズム』として捉え、そこにやはり、うねりとビートを感じ取ることである」 以上が本書のポイントと思います。まずは「ヘタウマ」を意識したいと思います。また、文学や絵画等に接したときに「リズム」を探してみます。 本書を読んで、センスが良くなるかどうかはわかりません。ただ、本書によって文学や絵画等の見方が変わりそうな予感は抱きました。それだけでも、意義のある本と思いました。
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「センスのいい人が、自分とセンスの合う人に向けて書いている本」という印象。 この本というよりは千葉雅也の文章の特徴なんだろうが、極端な基礎と応用ばかりが手厚くてその間の肝心な部分が感覚任せすぎる。 本書で言えば、「センスとはリズムだ」「リズムとは反復と差異だ」「要素の並べ方の面...
「センスのいい人が、自分とセンスの合う人に向けて書いている本」という印象。 この本というよりは千葉雅也の文章の特徴なんだろうが、極端な基礎と応用ばかりが手厚くてその間の肝心な部分が感覚任せすぎる。 本書で言えば、「センスとはリズムだ」「リズムとは反復と差異だ」「要素の並べ方の面白さがセンスの良さだ」といった具合に、前半ではセンスがいいとはどういう状態なのか繰り返し考察する。この辺の指摘は素晴らしい。 ではどういう並べ方が面白くて、どういうのは駄目なのか。千葉氏は正解などない、という。どのように並べてもそれは芸術になるんだから、周りなんか気にせずに自分のしたいようにすればいい。それが個性なんだから。自分を好きになっていこうよ。ざっくり言えばこんな感じだ。 これじゃ話にならない。綺麗事にも程がある。 懇切丁寧に全部教えてくれると期待してたわけじゃないけど、さすがに無責任なんじゃないの。 もしこれが「自分以外本当に誰にも評価されなくても、自分が気に入っていればそれでいい」みたいな発想なら、それをセンスがいいとは思わない。少なくとも、それを実践して1人で「センスいいじゃん俺」なんて思うほど自分大好きにはなれない。 そうじゃなくて多少なりとも客観視が入ってるなら、そっちを書いてほしい。 ここまで言うと僻みっぽいだろうが、哲学者兼小説家とかいう明らかに「センスある側」の人間のこういうスタンスは、別に難しいことしてないんですけどねーってマウント取ってるような感じがしてムカつきすらした。僕には相性の悪い本でした。
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