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センスの哲学
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センスの哲学

千葉雅也(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2024/04/05
JAN 9784163918273

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商品レビュー

3.7

109件のお客様レビュー

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2025/03/12

●2024年5月、確か東大の五月祭で本郷キャンパス行った時に生協?書店で見た気がする。その時はスルーした。 ●2025年3月12日、渋谷 スクランブル交差点近くの大盛堂書店、1階にあった。帯に「2024年4学期 東大生協 本郷キャンパス・駒場 書籍部、京大ルネ BS 人文書1位...

●2024年5月、確か東大の五月祭で本郷キャンパス行った時に生協?書店で見た気がする。その時はスルーした。 ●2025年3月12日、渋谷 スクランブル交差点近くの大盛堂書店、1階にあった。帯に「2024年4学期 東大生協 本郷キャンパス・駒場 書籍部、京大ルネ BS 人文書1位」「東大・京大でいま一番読まれている本」とある。

Posted by ブクログ

2025/03/07

-どうしてもそうならざるをえない問題的なものが芸術と生活にまたがって反復され、変形されていく。人が持つ問題とは、そうならざるをえなかったからこそ、「そうでなくてもよかった」という偶然性の表現でもある。問題が繰り返され、何かひとつの塊に見えてくるほどにそこから、果てしない広がりとし...

-どうしてもそうならざるをえない問題的なものが芸術と生活にまたがって反復され、変形されていく。人が持つ問題とは、そうならざるをえなかったからこそ、「そうでなくてもよかった」という偶然性の表現でもある。問題が繰り返され、何かひとつの塊に見えてくるほどにそこから、果てしない広がりとして偶然性がまばゆく炸裂する。 ◾️ この人は、「センス」さえも細かく砕いて言葉にしてしまった。 ぼくは自分の部屋を見渡す。ぼくの抱えるどうしようもない「問題」、、そうでなくてはならなかったという、どうしようもない必然性と、そうでなくてもよかったという偶然性の両方を内包する部屋で、ぼくはまたぼくの好きなものを並べる。

Posted by ブクログ

2025/03/05

千葉雅也(1978年~)氏は、宇都宮市出身、東大教養学部卒、東大大学院総合文化研究科博士課程修了、パリ第10大学文学・言語・哲学科Master、仏高等師範学校研究生、東大グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」研究員等を経て、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授...

千葉雅也(1978年~)氏は、宇都宮市出身、東大教養学部卒、東大大学院総合文化研究科博士課程修了、パリ第10大学文学・言語・哲学科Master、仏高等師範学校研究生、東大グローバルCOE「共生のための国際哲学教育研究センター」研究員等を経て、立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。デビュー作の『動きすぎてはいけない~ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』で表象文化論学会賞受賞(2013年)、小説『デッドライン』で野間文芸新人賞受賞(2019年)及び芥川賞候補、同『マジックミラー』で川端康成文学賞受賞(2021年)、同『オーバーヒート』で芥川賞候補(2021年)、『現代思想入門』で新書大賞受賞(2023年)。 私は千葉氏と同じ高校出身(年齢は私が10数年上)ということもあり、その著書は常に気に留め、これまで、『動きすぎてはいけない』、『勉強の哲学』、『アメリカ紀行』、『現代思想入門』等を読んできた。 本書は、著者によれば、思考についての入門書『勉強の哲学』、倫理についての入門書『現代思想入門』に続く、3番目の入門書で、題名には「センス」というワードが使われているが、テーマは広い意味での「芸術感覚」である。 私なりの理解を記すと以下である。 ◆センスとは、直観的にわかることで、様々なことにまたがる総合的な判断力である。センスが悪いというのは、モデルに合わせようとして合わせきれない状態であり、センスを良くする(目覚めさせる)ためには、モデルを目指すことから降りることが第一歩。 ◆センスとは、あるものを、「意味や目的」ではなく、「リズム(デコボコ)」で把握することであり、20世紀に流行った「モダニズム」とは、まさにそうした潮流のこと。リズムには、「ビート(存在/不在の切り替わり)」と「うねり(存在/不在には還元できない、もっと複雑なもの)」の2つの側面がある。 ◆意味は、全体としての意味(大意味)と部分のつながり(小意味)に分けられ、小意味に注目する態度が大事。また、意味についても、ビート(対立)とうねり(対立までは行かない、距離のデコボコ)という2つの捉え方ができる。 ◆「自由エネルギー原理」によれば、生物の様々な機能は、予測誤差を最小化するという原理で説明できるが、リズムを面白いと受け止めるためには、予測誤差に対する耐性ができていることが条件である。また、人間には、そうした安定志向を超えて、不快=刺激を求める性向がある。 ◆面白いリズムとは、ある程度の反復があり、差異が適度なバラツキで起きること。反復と差異のバランスが人によって異なること(=偶然性)がリズムの多様性となり、それが個性的なセンスとして表現される。下手とは、モデルに対して届かないズレで、ヘタウマとは、モデルに対して超過している(余っている)ズレであるといえ、自分に固有の、偶然性の余らせ方を肯定することが大事。 ◆芸術鑑賞の本質とは、目的・答えに辿り着くことではなく、途中でぶらぶらするような、そもそも無駄なものである時間を味わうことである。 ◆芸術とは、それを作る人の「どうしようもなさ(=問題)」を表すものであり、偶然性を持ちつつも、繰り返し浮上し反復するという必然性を持っている。センスの良さとは、反復と差異のバランスでありながら、人は何かにこだわって繰り返してしまうものであり、それはいわばアンチセンスである。よって、「センスは、アンチセンスという陰影を帯びてこそ、真にセンスとなるのではないか。」 私は正直なところ、これまで現代美術が良い・面白いと思ったことはほとんどないのだが、そういう意味では、本書の芸術感覚のアプローチが、これからそうしたものを見る際の助けにはなることは間違いないだろう。 加えて、私が目から鱗であったのは、もう少し広い2つの考え方である。 一つは、物事には、「何を言いたいのか」、「何のためなのか」という大意味ばかりにこだわらない視点があり得るのだということ。これは、芸術分野に留まらない、柔軟な思考の大切さを再認識させてくれた。 もう一つは、人間は予測誤差を最小限にしようとしつつ、それに反する不快・刺激も求めるという性向があるということ、更に、快適に感じる安定/刺激のバランスは人によって異なると思われること、である。私は予想外の事態が起こることを大変嫌うのだが、自分の行動性向の背景が、この考え方により改めて理解できた。 様々な気付きの得られる好著と思う。 (2025年3月了)

Posted by ブクログ