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センスの哲学 の商品レビュー

3.6

75件のお客様レビュー

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2024/11/26

わかったような、わからないような。哲学書は難しい。考え続けることが大事?なのか… この本を読んだところでセンスが良くなるわけではなく、センスとは、を紐解いていくような一冊 ・センスとは、「直観的にわかる」ことで、いろんな事にまたがる総合的な判断力である。直観的で総合的な判断力...

わかったような、わからないような。哲学書は難しい。考え続けることが大事?なのか… この本を読んだところでセンスが良くなるわけではなく、センスとは、を紐解いていくような一冊 ・センスとは、「直観的にわかる」ことで、いろんな事にまたがる総合的な判断力である。直観的で総合的な判断力。そして、感覚と思考を繋いだようなものである。 再現から降りる。モデルはあっても抽象化して扱う。抽象化とは、意味を抜き取ることでもある。 ・より正確に意味を実現しようとして競うことから降りて、ものごとをリズムとして捉える。このことが、最小限のセンスの良さである。 芸術においては、無駄な時間をとることが、まさにその作品のボリューム、物量になるわけです。作品には、大きさ、長さ、情報量といった、一定の量できる規模がある。芸術作品とは、目的を果たすための道具ではありません。それ自体として楽しまれるもの、すなわち「自己目的的」なものが作品であり、「サスペンス=いないいないばあ」の遅延が作品のボリュームなのです。 何かが足りない=如している、それが埋められるという0→1のビートがありつつ、それには収まらない、もっと複雑なうねりがある。 不在/存在の対立によってものを見るのと、いろんな要素が絡み合ったうねりとして見る、と言うダブルの見方を説明しました。ここでは、人間関係の小意味を、一方では0→1でもとらえられるが、うねりとして捉えてみようという方向に向かっています。 その先へとセンスを開いていくには、小さいことを言語化する練習が必要である ChatGPTに何か質問するとします。その質問文を「プロンプト」と呼びます。例えば、「芸術においてリズムとはどういうものですか」という。 プロンプトは文であり、言葉の集まりです。この文に対して、大量の文例をふまえて、「芸術」や「リズム」の次にどういう言葉が来るのが高確率なのか、という計算をし、次々に言葉が出てきて解答が生成される 「次に来る言葉として高確率なのは?」という計算を繰り返してその結果が出てくる。 ・リズムの経験とは、「反復の予測と、予測誤差という差異」のパターン認識である。 ・芸術に関わるとは、そもそも無駄なものである時間を味わうことである。芸術作品とは、いわば「時間の結晶」である。

Posted byブクログ

2024/11/22

「芸術に関わるとは、そもそも無駄なものである時間を味わうことである。あるいは芸術作品とは、いわば「時間の結晶」である。」 芸術であれ、スポーツであれ‥それなりの時間をかけて上達して教える側になった人にセンスが無いと言われたら、その道で食べていくのはなかなか厳しそう。逆に、誰かに...

「芸術に関わるとは、そもそも無駄なものである時間を味わうことである。あるいは芸術作品とは、いわば「時間の結晶」である。」 芸術であれ、スポーツであれ‥それなりの時間をかけて上達して教える側になった人にセンスが無いと言われたら、その道で食べていくのはなかなか厳しそう。逆に、誰かに“センスが良い”と褒められたら、それはなかなかの褒め言葉だし、励みになりそう。センス‥大事ですね。それにしても餃子と芸術を同時に語る著者に強い宇都宮愛を感じる。(親近感)

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2024/11/20

センスとは、0から1の過程を楽しむこと。全体の意味ではなく、細部に注目すること。結局センスとは?の回答は得られなかった。

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2024/11/14

芸術は身体性に軸足がある(べき)。 繰り返し反復してしまう癖のようなものを身体性として捉えると、その人の「どうしようもなさ」が表現される。 その繰り返しをリズムとして捉えて、それに注目してみる。 とりとめもなかったものに、輪郭をつけることができる考えとして、とてもよかった! 人間...

芸術は身体性に軸足がある(べき)。 繰り返し反復してしまう癖のようなものを身体性として捉えると、その人の「どうしようもなさ」が表現される。 その繰り返しをリズムとして捉えて、それに注目してみる。 とりとめもなかったものに、輪郭をつけることができる考えとして、とてもよかった! 人間、芸術、何においてもベースになると思う。

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2024/11/15

大量の娯楽にあふれる時代にあって、いかにセンスある=より上質な=娯楽・芸術を楽しむか。とってもためになる入門書でありつつ、それだけにとどまらない射程を持つ本だ。 ラスト。序盤で否定されたはずの「一人暮らしの部屋」。ここをじっくり考えてみたい。 「現代思想入門」とあわせ、実に現...

大量の娯楽にあふれる時代にあって、いかにセンスある=より上質な=娯楽・芸術を楽しむか。とってもためになる入門書でありつつ、それだけにとどまらない射程を持つ本だ。 ラスト。序盤で否定されたはずの「一人暮らしの部屋」。ここをじっくり考えてみたい。 「現代思想入門」とあわせ、実に現代的で有用だ。あらためて、著者の真摯な姿勢がしっかり現れている。

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2024/11/09

最終的には「センスが良くなる」ことを目標とした本のようです。 「ひとまず、センスがいいと言われる『好ましい状態』があると仮定します。そして、センスなるものに、人を解放してくれるような意味を与えるように考察を進めていきたい。 人をより自由にしてくれるようなセンスを、楽しみながら育て...

最終的には「センスが良くなる」ことを目標とした本のようです。 「ひとまず、センスがいいと言われる『好ましい状態』があると仮定します。そして、センスなるものに、人を解放してくれるような意味を与えるように考察を進めていきたい。 人をより自由にしてくれるようなセンスを、楽しみながら育てることが可能である。というのが本書の立場です』。 例えば、センスの悪さは再現性にとらわれすぎているとし、自分基準にシフトすると自分のセンスで創作ができるようになるといいます。すなわち、モデルの再現から降りることが、センスの目覚めであり、ものごとをリズムとして捉えること、それがセンスであると断言します。まさに人を自由にしてくれるのがセンスです。モデルの再現よりも「ヘタウマ」がセンスであるという考えは面白いし、納得できます。 著者の千葉雅也さんは哲学/表象文化論を専攻。フランス現代思想の研究と、美術・文学・ファッションなどの批評を連関するなど面白い研究をされています。 個人的には哲学の本は滅多に読みません。ただ、文章は平易で本書もなんとなく理解できたような気になりました。 「センスとは、ものごとを意味や目的でまとめようとせず、ただそれを、いろんな要素のデコボコ゠リズムとして楽しむことである。 そしてセンスとは、リズムを捉えるときに、(1)欠如を埋めてはまた欠如し、というビート、(2)もっと複雑にいろんな側面が絡み合ったうねり、という両面に乗ることである。 さらにセンスとは、意味を捉えるときに、それを『距離のデコボコ=リズム』として捉え、そこにやはり、うねりとビートを感じ取ることである」 以上が本書のポイントと思います。まずは「ヘタウマ」を意識したいと思います。また、文学や絵画等に接したときに「リズム」を探してみます。 本書を読んで、センスが良くなるかどうかはわかりません。ただ、本書によって文学や絵画等の見方が変わりそうな予感は抱きました。それだけでも、意義のある本と思いました。

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2024/11/07

「センスのいい人が、自分とセンスの合う人に向けて書いている本」という印象。 この本というよりは千葉雅也の文章の特徴なんだろうが、極端な基礎と応用ばかりが手厚くてその間の肝心な部分が感覚任せすぎる。 本書で言えば、「センスとはリズムだ」「リズムとは反復と差異だ」「要素の並べ方の面...

「センスのいい人が、自分とセンスの合う人に向けて書いている本」という印象。 この本というよりは千葉雅也の文章の特徴なんだろうが、極端な基礎と応用ばかりが手厚くてその間の肝心な部分が感覚任せすぎる。 本書で言えば、「センスとはリズムだ」「リズムとは反復と差異だ」「要素の並べ方の面白さがセンスの良さだ」といった具合に、前半ではセンスがいいとはどういう状態なのか繰り返し考察する。この辺の指摘は素晴らしい。 ではどういう並べ方が面白くて、どういうのは駄目なのか。千葉氏は正解などない、という。どのように並べてもそれは芸術になるんだから、周りなんか気にせずに自分のしたいようにすればいい。それが個性なんだから。自分を好きになっていこうよ。ざっくり言えばこんな感じだ。 これじゃ話にならない。綺麗事にも程がある。 懇切丁寧に全部教えてくれると期待してたわけじゃないけど、さすがに無責任なんじゃないの。 もしこれが「自分以外本当に誰にも評価されなくても、自分が気に入っていればそれでいい」みたいな発想なら、それをセンスがいいとは思わない。少なくとも、それを実践して1人で「センスいいじゃん俺」なんて思うほど自分大好きにはなれない。 そうじゃなくて多少なりとも客観視が入ってるなら、そっちを書いてほしい。 ここまで言うと僻みっぽいだろうが、哲学者兼小説家とかいう明らかに「センスある側」の人間のこういうスタンスは、別に難しいことしてないんですけどねーってマウント取ってるような感じがしてムカつきすらした。僕には相性の悪い本でした。

Posted byブクログ

2024/10/24

思った以上に哲学の話だった。 芸術作品に留まらず、日常生活においても一歩後ろに退いてメタ的に世界をみてみよう、そこでみえてくる安定と逸脱を人間はおもしろいと感じている。 これをバランスよく、見切りもつけつつ自分なりに飼い慣らして表現できることがセンスの良さ、なのか? 正直難しかっ...

思った以上に哲学の話だった。 芸術作品に留まらず、日常生活においても一歩後ろに退いてメタ的に世界をみてみよう、そこでみえてくる安定と逸脱を人間はおもしろいと感じている。 これをバランスよく、見切りもつけつつ自分なりに飼い慣らして表現できることがセンスの良さ、なのか? 正直難しかった。また時間を置いて読み直したい。

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2024/10/20

今まで感覚的、抽象的な思考をうまく言語化してくれている本。 アカデミックな要素があるせいか集中して読むことができず読み終えるまでにとても時間がかかってしまった。 内容はとても興味深いものであるが今のタイミングで読んだ時には退屈さが上回ってしまった。 また時間をおいて改めて読みたい...

今まで感覚的、抽象的な思考をうまく言語化してくれている本。 アカデミックな要素があるせいか集中して読むことができず読み終えるまでにとても時間がかかってしまった。 内容はとても興味深いものであるが今のタイミングで読んだ時には退屈さが上回ってしまった。 また時間をおいて改めて読みたい本だなと思う。

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2024/10/20

日常生活で経験する具体例が挙げられている部分については「そういうことか!」と納得も理解も出来るが、全体の内容としては自分の中で咀嚼ができず。。 何となく知っている気になっていた「センス」について、専門の人はこんな風に考えるのかと知らない世界を見たような感覚だった。 物体におい...

日常生活で経験する具体例が挙げられている部分については「そういうことか!」と納得も理解も出来るが、全体の内容としては自分の中で咀嚼ができず。。 何となく知っている気になっていた「センス」について、専門の人はこんな風に考えるのかと知らない世界を見たような感覚だった。 物体においても、映像や音楽などの芸術においても、平坦と凸の部分があり、その変化に面白さを感じるということはわかったように思う。

Posted byブクログ