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この村にとどまる 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2024/01/31 |
JAN | 9784105901929 |
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商品レビュー
4.3
12件のお客様レビュー
水面にポツンと突き出た教会の鐘楼。 なぜこの風景はここにあるのか、 どうしてこうなったのか……。 抗うことの無力さ、 それでも前を向く力強さ、 物語としてこの風景を語ることで、様々な想いを水面に映すことになる。 「神さまは前だけを見るために、両目とも前に着けた」 新潮クレ...
水面にポツンと突き出た教会の鐘楼。 なぜこの風景はここにあるのか、 どうしてこうなったのか……。 抗うことの無力さ、 それでも前を向く力強さ、 物語としてこの風景を語ることで、様々な想いを水面に映すことになる。 「神さまは前だけを見るために、両目とも前に着けた」 新潮クレスト・ブックスらしい一冊でした。
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第二次世界大戦の後にダム湖に沈んだ北イタリアのチロル地方のクロン村に想いを馳せて、作者がそこに住む家族の来し方を創作した小説である。 おそらく表紙の写真は、ダムに沈んだ村の教会の鐘楼。美しい村だったというが、その写真の美しさからさぞかし、と想像できる。 ドイツ語を話す地域で、ド...
第二次世界大戦の後にダム湖に沈んだ北イタリアのチロル地方のクロン村に想いを馳せて、作者がそこに住む家族の来し方を創作した小説である。 おそらく表紙の写真は、ダムに沈んだ村の教会の鐘楼。美しい村だったというが、その写真の美しさからさぞかし、と想像できる。 ドイツ語を話す地域で、ドイツとイタリア双方に翻弄された村人、自分たちの美しい村を有無を言わさず沈められた人々。 その消えた人々が、どれほどの過酷な人生を強いられたか、小説で甦らせたマルコ・バルツァーノという作家の良心に打たれる。 地球上の隅々に人々の営みがある。 途方もない事実にクラクラする。
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北イタリア・チロル地方のドイツ語圏の小さな村クロン村に暮らすトリーナは、友人たちと教師になることを望む平凡な女の子だった。しかし、ちょうど学校を卒業した頃、村はムッソリーニ率いるファシストなイタリアに併合され、イタリア語を強制される。やがて、戦争が始り今度はナチズムが村を取り囲む...
北イタリア・チロル地方のドイツ語圏の小さな村クロン村に暮らすトリーナは、友人たちと教師になることを望む平凡な女の子だった。しかし、ちょうど学校を卒業した頃、村はムッソリーニ率いるファシストなイタリアに併合され、イタリア語を強制される。やがて、戦争が始り今度はナチズムが村を取り囲む。加えて、電力発電のためのダムが建設され、村は湖底に沈むことになる。 トリーナが、イタリア化を強制される過程で生き別れとなった娘に宛てて書いた手紙という形で物語は進む。 次々と襲う過酷な環境。夫エーリヒと共に歩んだトリーナの人生は感銘を与える。 村の教会の鐘楼だけが湖の上に現れている風景は、モデルとなった実際の湖があるそうだ。
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