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人間 角川文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
| 発売年月日 | 2022/04/21 |
| JAN | 9784048974202 |

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商品レビュー
3.6
77件のお客様レビュー
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小説を読んでいて笑っちゃうことって基本ないのに、又吉さんの文章を読んでいると普通に笑ってしまう。さすが芸人だなと思う。一方で、シリアスな場面はとことん刺しにくる。思想や欲望を恥ずかしいくらい赤裸々に書かれてしまって、それに身に覚えがあるもんだから「もう勘弁してください」となったり...
小説を読んでいて笑っちゃうことって基本ないのに、又吉さんの文章を読んでいると普通に笑ってしまう。さすが芸人だなと思う。一方で、シリアスな場面はとことん刺しにくる。思想や欲望を恥ずかしいくらい赤裸々に書かれてしまって、それに身に覚えがあるもんだから「もう勘弁してください」となったりする。 人の記憶は曖昧で、都合の良いふうに解釈したり悪いことを無かったことにしてる。主人公・永山が語る過去や見えている景色が現実のものかどうかは分からず、そのすべてを信用はできない。新約聖書の福音書には4人の語り手が採用されていて、それぞれ印象が違う証言になっている、という話が本編にあったけど、まさにそんな感じ。 ただ、それは永山がそういう人間だからということではなくて、誰しもがそうだと考える。実際に起きた現象について、我々は目と脳というフィルターを通してしか認識できないし、そのフィルターは人によって違う。 著者である又吉さんに関しては、他の小説家と比べてキャラクターとか背景の情報が世に知れ渡っている。 僕自身、又吉さんの動向を特別追っているわけではないけど(YouTubeチャンネルは時々見てる)、それでも彼は出役なのでどうしても情報が入ってくる。そうすると小説という作品と向き合う中で、これを書いている作家の姿がチラつく。本作は内容的にも特に。それって良いことなのか悪いことなのか考えたりもした。でもじゃあ意識的にそれを除外しようとかは無理だし、結局それ込みで楽しむしかないかという結論に至った。 僕も永山のように、『自分は人間が拙い』という自覚がある。この小説を読む前から持っていた感覚だった。大人になるにつれて、周りは当たり前みたいに社会人になっていくのに、そのやり方が僕にはわからないというか、いまだに社会人のふりをして過ごしている節がある。 社会なんて人間が勝手に作った枠組みで、その中のルールだって物理法則みたいに絶対のものではないのだからそれに合わせられなきゃ人間失格なわけじゃない、ってことは頭ではわかっているのだけど、それを受け入れることが今はまだできていない。
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影島道生がナカノタイチに当てたメールがエグい。 ここまで人に理詰めできるのかと驚いた。しかも揚げ足を取るとか、ただ揶揄するとかではなく、周りを否定せず、ナカノタイチだけを逃さないように取り囲み、言葉で刺す。 これが又吉直樹か、と。自分に言われてるかと感じるところもあり、読むのがし...
影島道生がナカノタイチに当てたメールがエグい。 ここまで人に理詰めできるのかと驚いた。しかも揚げ足を取るとか、ただ揶揄するとかではなく、周りを否定せず、ナカノタイチだけを逃さないように取り囲み、言葉で刺す。 これが又吉直樹か、と。自分に言われてるかと感じるところもあり、読むのがしんどい箇所もあった。 又吉さんのYouTubeも面白くてよく観る。この小説はほんと又吉直樹そのものだろう。エピソードがYouTubeで語られていたのと同じだった。同じなのに文字でもちゃんと笑えた。 人間。その弱さ。人間が作る社会。その端に追いやられる弱き者。人間は弱い。拙い。 良い小説に出会えた。
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