人間 の商品レビュー
うーん。 誰も正しくないのもこれまた人間だよね!っていいたいのか?第3章出てきた物事が微妙に解決していない段階で幼年期を振り返る第4章を入れたのもよく分からない。このダラダラ続く進展のないつまらなさをリアリティ演出の道具にしてるつもりなのかな? それに、物語よりも作者の思想や感...
うーん。 誰も正しくないのもこれまた人間だよね!っていいたいのか?第3章出てきた物事が微妙に解決していない段階で幼年期を振り返る第4章を入れたのもよく分からない。このダラダラ続く進展のないつまらなさをリアリティ演出の道具にしてるつもりなのかな? それに、物語よりも作者の思想や感情を伝えることが先行してしまっている。 それならそれで思想やエッセイ的な本に走れば良いものを微妙な具合に物語と融合させようとするからまとまりが無く長ったらしい文章となり、小説としても思想本としても面白くなかった。 火花は面白かったから残念。
Posted by
又吉の小説をはじめて読んだ。影山という芸人のブログを主人公が読むあたりからだんだんと又吉の思索を登場人物を通して読んでいるようで、面白かった。カスミも影山も、主人公あるいは又吉の思考を反映する鏡なのだろうと思いながら読み進めていると、最終章で主人公が沖縄に帰省するくだりで突然リア...
又吉の小説をはじめて読んだ。影山という芸人のブログを主人公が読むあたりからだんだんと又吉の思索を登場人物を通して読んでいるようで、面白かった。カスミも影山も、主人公あるいは又吉の思考を反映する鏡なのだろうと思いながら読み進めていると、最終章で主人公が沖縄に帰省するくだりで突然リアルな手触りになる。地域の伝統や人との関わり、血の繋がりを実感することで、地に足が着いたのかもしれない。その実感は沖縄から出ればまた失われてしまうかもしれないが、さて。
Posted by
『劇場』は腹の中を曝け出すような覇気を擁しながらもフィクションとして楽しめる小説であった。 この『人間』はそうしたエンタメ性を第一章にだけ託し、あとはほとんど又吉直樹の独白と化している。それが笑えるし面白い。 芸術、文化、人間があるべき方向に進むために必死になって闘い、見たくない...
『劇場』は腹の中を曝け出すような覇気を擁しながらもフィクションとして楽しめる小説であった。 この『人間』はそうしたエンタメ性を第一章にだけ託し、あとはほとんど又吉直樹の独白と化している。それが笑えるし面白い。 芸術、文化、人間があるべき方向に進むために必死になって闘い、見たくないけど見たいものをたくさん見て興奮し、絶望し、疲弊する。 ナカノタイチのコラムに対して(読んでられねえな…)と溜息をついていたら「そこまで読んで一息吐いた。」と続いており、まんまと掌の上で踊らされていたことに笑ってしまった。気持ちを揺さぶるのが本当に上手い。 どうやって結ぶのかと思っていたら、霊的なものも使ってねじ伏せられてしまった。彼らしい善、若しくは陽の表現が好きだ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルに相応しい、生々しく強烈な内容だった。 主人公永山は過剰な自意識やトラウマにがんじからめにされながらも、現実と向き合い過去と折り合いをつけていく。 やはり作者が生み出すキャラクターはとても魅力的だ。 永山みたいに、人間くさくて不器用で自意識に苛まれてたり、純粋無垢な霞の様な人もいる。 仲野みたいな浅薄な人もいれば、影山みたいに物事を必要以上に考えすぎる人。 内面描写も素晴らしくどんどん作品に引き込まれていった。 妄想癖があると疑われる程主観が強く、事象に対する認識が周りとズレている永山。 その周りとの認識のズレが永山の魅力でもあり、今作を面白くしている大きな要因なんだろう。
Posted by
何がおもろいか全くわからんかった。 又吉の本は火花と劇場を読んでおり、両作ともに本当に面白くて作家先生として大ファンになったのだが、本作はずっとつまらなかった。 前の2作が面白かったから無理矢理最後まで読んだけど、最後の沖縄に突然行ったくだりとか本当に意味がわからなかった。 太...
何がおもろいか全くわからんかった。 又吉の本は火花と劇場を読んでおり、両作ともに本当に面白くて作家先生として大ファンになったのだが、本作はずっとつまらなかった。 前の2作が面白かったから無理矢理最後まで読んだけど、最後の沖縄に突然行ったくだりとか本当に意味がわからなかった。 太宰治をリスペクトしていることと、ふんわり又吉自身を出していることはわかった。
Posted by
初、又吉大先生作品! 正確には、火花は刊行当初に読んだので、2冊目だ。だが当時はまだ若く、今ほどの読書量もなかったため、本格的に、今の感覚で、読んだのは初だと言いたい。 思ってた以上に純文学的要素が詰まっていた。でも、あの又吉が書いていると思うと、刺さる部分がいくつもあった。 別...
初、又吉大先生作品! 正確には、火花は刊行当初に読んだので、2冊目だ。だが当時はまだ若く、今ほどの読書量もなかったため、本格的に、今の感覚で、読んだのは初だと言いたい。 思ってた以上に純文学的要素が詰まっていた。でも、あの又吉が書いていると思うと、刺さる部分がいくつもあった。 別の作品も読んでみよーーーーー。 そして僕も、人間が拙い。でもそれでいいと、思っている。そんな自分を受容してからが、人生だろう。 p63 なぜか自分は、人から気難しいと思われることが多かった。子供の頃はもっと上手く馬鹿にされることができた。いつから周りを警戒させてしまうようになったのだろう。 p213 最後にナカノタイチに聞きたいのだが、そんなに人を描くことって容易いのか? p442 自分は人間が拙い。特別な意味や含みなどない。そのままの言葉として自分は人間が拙い。だけど、それでもいい。
Posted by
良く分からないけど面白かった。 どこがどう良かったのか、バーで影島と語り合うシーンは好きだったけれど、具体的に何を話していてどう思ったかとか良く覚えていない。抽象的な話をそれっぽく連ねているだけだったような気がする。 そういう一見無駄な時間が永山や影島にとっては大切で、作者にと...
良く分からないけど面白かった。 どこがどう良かったのか、バーで影島と語り合うシーンは好きだったけれど、具体的に何を話していてどう思ったかとか良く覚えていない。抽象的な話をそれっぽく連ねているだけだったような気がする。 そういう一見無駄な時間が永山や影島にとっては大切で、作者にとっても大切なことなのかもなぁ、と思う。 その無駄な時間を積み重ねていくのが人間だよね、ってことかな。
Posted by
ジャケ買いしましたが、個人的にはあまり面白いと思えませんでした。しかし、内地から沖縄に帰ってきた人間として、生きるとは何か、人の温かさや家族、親戚に囲まれて生きる事の意味を訴えかけているように感じました。
Posted by
前半はすごく読んでいて苦しかった。自意識に囚われている主人公と自分に重なる部分があったからかもしれない。きっと主人公は著者自身で、影島道生は著者の胸のうちをさらけ出せる登場人物だったのだと思った。 人間というと簡単だけど、ひとりひとりをクローズアップするとそこにあるのはその人自身...
前半はすごく読んでいて苦しかった。自意識に囚われている主人公と自分に重なる部分があったからかもしれない。きっと主人公は著者自身で、影島道生は著者の胸のうちをさらけ出せる登場人物だったのだと思った。 人間というと簡単だけど、ひとりひとりをクローズアップするとそこにあるのはその人自身で、人間として共通のものはないのかもしれない。自分の拙さに苛まれ自意識が過剰になることもあるが、これからはそんなところも自分という人間らしさなんだと受け入れられるようになる気がした。
Posted by
厚い本で読みきれるか不安だったが、そこはさすが又吉先生。集中して読み切ってしまった。とてもリアルな「人間」の様が描かれている。ノンフィクションかもしれないなぁ。彼女の三河弁?がちょっと変で気になってしまった笑
Posted by