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サキの忘れ物

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2020/06/29 |
JAN | 9784103319825 |
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サキの忘れ物
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商品レビュー
3.6
132件のお客様レビュー
津村記久子の短編集といえば、『浮遊霊ブラジル』は全体的に「笑えた」という印象だったが、本書は、泣いたり、ショートショート味があったり、ワクワクしたり、希望があったり、深みと不思議さが増した。 「サキの忘れ物」「隣のビル」「王国」が特に好き。短編集全体としても、バラエティや構成...
津村記久子の短編集といえば、『浮遊霊ブラジル』は全体的に「笑えた」という印象だったが、本書は、泣いたり、ショートショート味があったり、ワクワクしたり、希望があったり、深みと不思議さが増した。 「サキの忘れ物」「隣のビル」「王国」が特に好き。短編集全体としても、バラエティや構成のおかげなのか、満足感高かった。 以下は自分のためのよくわからない備忘メモ。 ・サキの忘れ物 泣いた。「親から構われなかった子ども」というモチーフは『水車小屋のネネ』にも通じる。なぜかあのとき話しかけた、というきっかけの小説らしさが好き。これは『隣のビル』も同じ。 ・王国 懐かしい。 ・ペチュニアフォールを知る二十の名所 ちょっとミステリー風味。 ・喫茶店の周波数 気楽。 ・Sさんの再訪 意外な結末。 ・行列 寓話のような、SFのような。 ・真夜中のゲームブック 読者の選択によって進む章が変わる、ゲームブック仕立て。この本もあとちょっとで読了だ、と思っていたらラス前にこんな時間のかかる章が(笑)。楽しかった。 ・隣のビル 鬱々からのドキドキ、そして希望に向かっていく終わり方で良かった。
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とりとめのない話の短編集という印象だった。さらっと時間のある時に読むにはいいかもしれないが、すぐ忘れてしまいそうな内容だった。
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とても良かった〜! 津村記久子先生の文章は没入度が段違いで、 「隣のビル」では本当に窓越しの逃避を実行した気になる。常務に怒られている時の薄ら寒いのにじっとりと背中に汗が滲む感じ。足を離した瞬間のお尻がひやっとする感覚、手には握った金網の感触、そしてやりとけた清々しさが残る。 ...
とても良かった〜! 津村記久子先生の文章は没入度が段違いで、 「隣のビル」では本当に窓越しの逃避を実行した気になる。常務に怒られている時の薄ら寒いのにじっとりと背中に汗が滲む感じ。足を離した瞬間のお尻がひやっとする感覚、手には握った金網の感触、そしてやりとけた清々しさが残る。 いい人に見えても嫌な一面が見えたり、逆もある。 嫌なやつが成敗されることもないけれど、善行を積まなくても自分なりに、普通に生きていればたまに大きな虹を見られるようないいこともある。 自分を幸せにできるのは自分で、自分のご機嫌をとって、理不尽からは戦わずに逃げてもいい。 一見消極的で穏やかなようだけど、実際は自分を傷つけさせないための戦いだ。 それってサステナブルにできる人生に・自分に対しての最大の肯定だと思った。
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