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QJKJQ 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/09/14 |
JAN | 9784065125908 |
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商品レビュー
3.4
111件のお客様レビュー
あり得ない殺人ファミリーぶりに、はじめは面食らったが、そのリアルさが逆に脳内では「これアダムズファミリーね」みたいな無理な転換作業が働き、札幌の猟奇殺人じゃないし、エンタメ、エンタメと自分を納得させる読み始めだった。 しかし途中からアダムズファミリーではない、リアルなサスペンスが...
あり得ない殺人ファミリーぶりに、はじめは面食らったが、そのリアルさが逆に脳内では「これアダムズファミリーね」みたいな無理な転換作業が働き、札幌の猟奇殺人じゃないし、エンタメ、エンタメと自分を納得させる読み始めだった。 しかし途中からアダムズファミリーではない、リアルなサスペンスが色濃くなってきて、ぐいぐい引っ張られ、現実逃避から生じる幻影が、現実とない混ぜになりながら、答え合わせが進んでいく。 何が現実で、何が脳内で形成されたものなのか? 我々が現実と思っている世の中は、多かれ少なかれ、この作品の通りなのかもしれない。 先日見たTVで「人間の脳は、錯覚を常に生み出し補完している。現実と思っている世界は錯覚で構成されている」というな事を言っていた研究者の言葉が思い出される。 受け入れがたい現実や、こうであって欲しいと思うこと、もっというと何でもない事象が、無意識のうちに自分自身のフィルターをかけて認識され、記憶される。 考えてみれば、例えば虹を見ても人それぞれ違う思いを抱き、違う感情が湧く・・・その積み重ねが、その人の世界を作り上げているということなんですよね。
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ああああああ 油断してました。 ただの殺人一家のミステリーだと思って読んだら、膨大な殺人描写と知識、入り交じる現実と幻想、圧倒的描写力、それでいて伏線とネタばらし(?)までもが完璧に行われるという最強の小説だった。 特に擬音を使った不穏感の演出がすごい。 いい読書体験だった。
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第62回江戸川乱歩賞受賞作。『QJKJQ』という奇妙なタイトルと、マックス・エルンストの『カルメル修道院に入ろうとした少女の夢』から抜粋されたお洒落な表紙に惹かれて手を取った。 家族全員が猟奇殺人鬼という厨二心をくすぐるような設定で始まる本作。しかし、ある日突然兄が惨殺され、母...
第62回江戸川乱歩賞受賞作。『QJKJQ』という奇妙なタイトルと、マックス・エルンストの『カルメル修道院に入ろうとした少女の夢』から抜粋されたお洒落な表紙に惹かれて手を取った。 家族全員が猟奇殺人鬼という厨二心をくすぐるような設定で始まる本作。しかし、ある日突然兄が惨殺され、母が失踪し、やがて主人公は父親を疑い始めるという展開に様変わりする。その証拠を掴むために画策するのだが、やがてある真実に触れてしまう。 言ってしまえば誰が兄を殺し、母を誘拐したのかを探るだけの話なのだが、やたら本筋からズレるし、物語が色んなところに右往左往する。最終的にはそれぞれの謎がひとつの結末に収束していくのだけれど、それがまあ陳腐というか、在り来り。竜頭蛇尾に感じた。多分ミステリーじゃない方が面白くなったと思う。 ただタイトルの意味が少しずつ明かされていくのは読んでいて楽しかった。特に、ポーカーで主人公が二度もクィーンとジャックのツーペア〈エストー・ペルペトゥア〉を引き当てたのを見て、父親が「そいつは〈汝、永遠なれ〉という役さ」と吐き捨てる場面のかっこよさに痺れた。でもそこがピーク。
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