- 中古
- 書籍
- 文庫
- 1225-01-05
冬虫夏草 新潮文庫
定価 ¥693
550円 定価より143円(20%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2017/05/27 |
| JAN | 9784101253435 |
- 書籍
- 文庫
冬虫夏草
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
値下げ前価格について
本価格は現中古販売価格の「値下げ前価格」となります。
直近約1か月間、値下げ前価格での販売実績があるものだけ表示しております。
冬虫夏草
¥550
在庫なし
商品レビュー
4.4
92件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
よかった。この話は家守奇譚の続編。前作もかなりの名作。前作は水墨画のような幻想的な印象だった。今作は、テイストはそんなに変わらないけど、色彩が豊かな印象。活力を感じた。 名作の条件は、余韻があるかないかだと思う。冬虫夏草、これは余韻がすごい… なんかもう泣けたわ。なんで泣けたのかわからん。50近くもなるおっさんが、涙腺が緩くなっているとはいえ、最後には涙を目に溜めながら読み終えた。最後のページの余白を少しの間読んでいた。うん。よかった。 手に負えぬ煩いは放っておけ。 このフレーズにいろんな想いが詰まっているよなぁ。グッときた。
Posted by 
2004年1月30日に発売された『家守綺譚』。その続編にあたるのが2013年10月31日販売の本書『冬虫夏草』。幻想小説の類になるのかなぁと思う。 私が『家守綺譚』を読み終わったのは2025年の12月24日のことで、いかにも冬らしい頃だった。というかクリスマスだった。 クリス...
2004年1月30日に発売された『家守綺譚』。その続編にあたるのが2013年10月31日販売の本書『冬虫夏草』。幻想小説の類になるのかなぁと思う。 私が『家守綺譚』を読み終わったのは2025年の12月24日のことで、いかにも冬らしい頃だった。というかクリスマスだった。 クリスマスムードの頂点で明治三十年くらいの時代に生きている主人公・学士綿貫征四郎(わたぬきせいしろう)の暮らしぶりを読むのは、全然空気感が合っていなかった。そのせいだと思う。この本は四季折々の物語が記されているようで、冬が欠落している、と気がついた。そういえば、夏の盛りの描写も無い。この物語の世界は気持ちの良い季節だけを巡っている極楽めいた場所なのだろう、と思った。 『家守綺譚』はすべて植物名の全二十八章から成り立っていて、最初の章が「サルスベリ」だ。綿貫の住む家の庭でサルスベリが二十年ぶりに満開の花を咲かせたところから物語が始まる。最後の章は「葡萄」で終わるのだが、その章でサルスベリがほころび始めているという記述があるため、物語の最初の季節に向かっていることが分かる。少し不思議な日常の小編を寄せ集めて成り立っている本だと思いながら読んでいたので、最後に季節が円環の形を成していることに気がついたときには驚いてしまった。この大きな構造のなかで綿貫とその親友の高堂が「また来るな?」「また来るよ。」と互いの再会を確認しあっているのがとても美しかった。 そして今度は真夏に読んだ続編『冬虫夏草』だ。今回もすべて植物名で章立てされていて数は全部で三十九章。 ・クスノキ ・オオアマナ ・露草 ・サナギタケ ・サギゴケ ・梔子(くちなし) ・ヤマユリ ・茶の木 ・柿 ・ショウジョウバカマ ・彼岸花 ・節黒仙翁(ふしぐろせんのう) ・紫草(ムラサキ) ・椿(つばき) ・河原撫子(かわらなでしこ) ・蒟蒻(こんにゃく) ・サカキ ・リュウノウギク ・キキョウ ・マツムシソウ ・アケビ ・茄子 ・アケボノソウ ・杉 ・タブノキ ・ヒヨドリジョウゴ ・樒(しきみ) ・寒菊 ・ムラサキシキブ ・ツタウルシ ・枇杷(びわ) ・セリ ・百日草 ・スカンポ ・カツラ ・ハウチワカエデ ・ハマゴウ ・オミナエシ ・茅(かや) 『冬虫夏草』は『家守綺譚』のような本一冊のなかで円環する季節を持たない。『冬虫夏草』で書かれる季節はほぼ秋で停滞する。 本の前半で綿貫の愛犬ゴローがいなくなってしまう。ゴローは大変秀でた犬であり、迷い犬になることはあり得ない。ときどき神の使いのようなことを引き受けている類まれなる犬なのである。帰ってこないのには、何かのっぴきならない事情があるのだろうと綿貫はゴローを探す旅に出る。章の10番目「ショウジョウバカマ」からゴローがいなくなって、探しに出る話になるのだが、この一つ前の章「柿」から季節はずっと秋である。 ゴローを見つけられるか分からないというのもあるし、清廉な山や川には「霊」のような雰囲気が漂っていて、活き活きとした人や生きものの様子が描写されているにも関わらず、ずっと「死」の気配が漂う。旅の途中、途中で発生する交流にも老いや死のエピソードが混ぜ込まれる。私が数え間違えをしていなければ、綿貫はこの旅で色々な場所に5泊ほど宿を借りている。決して長い旅とは言えないが、色々と心をかき乱される旅であったことは察せられる。 『冬虫夏草』を読んでから思い出したのだが、『家守綺譚』の巻末には本編の後に主人公・綿貫征四郎が書いたという形式の髄筆が収録されている。題名は「烏蘞苺記(やぶがらしのき) 十一」。「紅葉の季節が去らうとしてゐる。」の一文から始まって、移ろいゆく世の中を儚む内心がつらつら綴られている。『家守綺譚』を読み終わった時には「物語の余韻を増すためのおまけみたいなものなのだろうな」とさらっと読み飛ばして、特筆するような感慨は湧かなかったのだけれど、「烏蘞苺記(やぶがらしのき) 十一」は恐らく、綿貫が『冬虫夏草』の旅で得た経験を元に記したものでは無いのだろうか。綿貫が旅している途中、主線の季節は秋なのだが、旅の終盤でおもむろに「セリ」と「スカンポ」といった春を感じさせる植物が綿貫にもたらされる。彼はそれに励まされることになるのだが、綿貫は冬の気配が近づく秋に心が塞ぎがちになるタイプなのかもしれない。 髄筆を記したということは、綿貫は旅から無事に家に帰ったのだろう。夏の真っ只中、私の近所でもサルスベリが満開の庭を見かける。綿貫が家に帰った時には『家守綺譚』の冒頭のようにサルスベリが満開になって、その帰りを喜んだりしてはいないだろうかと想像する。
Posted by 
1作目と変わらない空気感、ゆるさ。 作者の情景描写の丁寧さが光る作品。 自分がその自然の中にいるような気持ちになってうとうとしつつ、でもまた戻って続きを読んだりという最高の読書体験でした。 3巻目も待ってます。
Posted by 
