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世界史を創ったビジネスモデル 新潮選書
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世界史を創ったビジネスモデル 新潮選書

野口悠紀雄(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2017/05/26
JAN 9784106038044

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商品レビュー

3.9

11件のお客様レビュー

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2021/06/01

『世界史を創ったビジネスモデル』という題でローマ帝国と海洋国家から入り、IBMやGoogle、マイクロソフト等々のビジネスモデルに繋いでいくとはなかなか斬新かつ大胆だ。Googleやマイクロソフト等々のビジネスモデルがいつまで続くか分からないが、まだ会社が出来てたかだか30〜40...

『世界史を創ったビジネスモデル』という題でローマ帝国と海洋国家から入り、IBMやGoogle、マイクロソフト等々のビジネスモデルに繋いでいくとはなかなか斬新かつ大胆だ。Googleやマイクロソフト等々のビジネスモデルがいつまで続くか分からないが、まだ会社が出来てたかだか30〜40年だ。確かに素晴らしいビジネスモデルであり、誰もが出来ることではない。しかし今や世界は70年代にインターネットが世に出てから様々な分野で技術革新が起き、それぞれの技術革新がインターラクティブに作用して更に新しい技術革新が起きている。しかもそのスピードたるやエクスポネンシャルだ。GoogleもマイクロソフトもAmazonも世界の変化のスピードにいづれ追いつけなくなる時が来るだろう。筆者がローマの成功モデルは柔軟なダイバーシティさが作用して、1500年も続いたと言っているが、既存の成功パターンからの脱却、脱皮をダイバーシティを通じてやって行っても100年がやっとかもしれない。企業は全く別の会社にならないいけないことも排除しないくらいでないと生き残れないかもしれない。

Posted by ブクログ

2019/05/31

17.6.23 ビジネスブックマラソン こんにちは、土井英司です。 「一気に読みました」というのは、本にとって最高の賛辞の一つで すが、「読み終わるのが惜しくて、ちびちび読みました」もまた、 最高の褒め言葉ではないでしょうか。 本日ご紹介する、野口悠紀雄教授の『世界史を創った...

17.6.23 ビジネスブックマラソン こんにちは、土井英司です。 「一気に読みました」というのは、本にとって最高の賛辞の一つで すが、「読み終わるのが惜しくて、ちびちび読みました」もまた、 最高の褒め言葉ではないでしょうか。 本日ご紹介する、野口悠紀雄教授の『世界史を創ったビジネスモデ ル』は、最近読んだ中では最も「読み終わるのが惜しくて、ちびち び読んだ」一冊。 ローマ帝国からヨーロッパ海洋国家のビジネスモデル、さらには最 近のIT企業のビジネスモデルまで、広く「ビジネスモデル」を論 じており、目からウロコの内容でした。 経済学者のフィルターを通して世界史を見ると、一体どう見えるの か。これは、塩野七生さんの一連の著書に匹敵するほど読み応えが ありました。 「多様性の確保」と「フロンティアの拡大」が、なぜ国や企業にと って重要なのか。誰でも受けいれる合理的な寛容さとフロンティア 拡大で成功し続けたローマ帝国の事例に、指導者は学ぶべきでしょう。 そして圧巻は、数百年先を見通し、平和時代のビジネスモデル(= 通商)を開発し、後の海洋国家のモデルの基礎を創った「国造りの 天才」アウグストゥス。 本書を読んで、彼がなぜ歴史上最高のリーダーとして尊敬されるの か、その本質がわかった気がしました。 ビジネスモデルとは何なのか、それが機能するには何が必要なのか、 著者の慧眼も、本書の読みどころです。 さっそく、しびれる内容をチェックして行きましょう。 ----------------------------------------------- 「ビジネスモデル」という概念は、企業だけでなく、国にも当ては まる。国がどのような活動を行なうかは、ビジネスモデルの選択と 考えることができるのだ 重要な概念は、「多様性の確保」と「フロンティアの拡大」である。 多様性を実現できた国や企業は、できなかった国や企業に対して優 位になることが多い ローマを支える柱は、軍と奴隷である。軍を養うには税収が必要だ し、退役後の兵士に与える土地を獲得するには領土を拡張する必要 がある。これらは周辺地に侵略し、征服することで得られる。そし て、戦争は奴隷の最大の供給源だ。つまり、戦争はローマにとって の中核的「ビジネス」なのである 公共施設といえば国や地方公共団体の予算で建設するものだと我々 は思っているが、ローマでは、実力者が私費を投じて作ったのだ ローマとアメリカの類似点は、以上にとどまらない。もっとも重要 な共通点は、戦争後の対外政策にある。それは、よく言えば「寛容 主義」であり、やや否定的なニュアンスを含めて言えば、「敗者同 化主義」だ 人間が自ら進んで働くには、第1に未来への希望が必要だ。そして 第2に、勤勉に働いたことが正しく評価される仕組みが必要だ アウグストゥスは、それまでの空間的なフロンティアの拡大が限界 に来たことを知り、それに代わる新しいフロンティアを、通商の拡 大に求めようとした 時代精神を体現したビジネスモデルが生まれるのは稀だ。現代で言 えば、その稀な例が、iPhoneの登場だ。これが画期的であったの は、もちろん、それが優れた装置であり、便利だからである。ただ し、それだけでなく、時代の精神を体現しているからだ 優れたビジネスモデルは、単に金を儲けるだけのものではない。ま た、余剰労働力を活用するだけのものでもない。そこには、人々を 燃え上がらせるものが含まれているのだ 広い領土は持たず、国を全世界に向って開放する。そして、貿易を 中心的な産業とし、少数精鋭で大きな収益を実現する。これは、広 い領土と多数の国民を持ち、主要産業は農業である大陸型国家とは 異質のものだ。海洋国家は、ヴェネツィアやポルトガルが意識して 採用した、国としてのビジネスモデルなのである ----------------------------------------------- 近年稀に見る日本人著者による力作であり、かつ今後の日本の方向 性への示唆に富む内容でした。 首相を含め、政治家は必読。 企業経営者も、起業家も、読めば歴史上の偉人たちが創り上げた 「ビジネスモデル」のすごさにしびれ、テンションが上がる内容です。 ぜひ読んでみてください。 -----------------------------------------------

Posted by ブクログ

2018/04/19

レビュー『世界史を創ったビジネスモデル』(野口悠紀雄) 序章〜「ローマ帝国のビジネスモデル」〜「海洋国家のフロンティア拡大」迄は 歴史を「成功」と「失敗」の切り口語ってくれているので、知っていたはずの歴史もひと味違ったものに感じられたが、それを現代のビジネスモデルの解説になった部...

レビュー『世界史を創ったビジネスモデル』(野口悠紀雄) 序章〜「ローマ帝国のビジネスモデル」〜「海洋国家のフロンティア拡大」迄は 歴史を「成功」と「失敗」の切り口語ってくれているので、知っていたはずの歴史もひと味違ったものに感じられたが、それを現代のビジネスモデルの解説になった部分から、新鮮さが感じられなくなってきた。 それは、前半部分で歴史を語りながら、現代のビジネスを参照してきたことが、後半部分で再度重なって語られているように感じられたことと、後半部分でのビジネスモデルの紹介が、前半のローマ帝国の解説に比べて軽く感じられてしまったからかもしれない。 ちょっと厳しい指摘になってしまったように思えるが、それはこの序章で書かれていた『人間は誰でもある時期になれば過去を振り返伝みたくなる。それは、自分自身もその一員である人類という種族が、これまで辿ってきた道がどんなものであったかを知りたいという欲求だ。 歴史の知識を蓄積すれば、これまで知っていた事柄が、新しい光の中で照らし出される。それまでバラバラに把握していたことがつながる。関連性が分かり、一つの大きな構造の中に位置付けられる。 それはあたかも、ジグゾーパズルで絵が浮かび上がるようなものだ。あるいは。クロスワードパズルで文字がつながるようなものだ。ある時、一気に理解が広まる。』という凄くイメージを膨らませる言葉がそこ重みになって、期待を抱かせすぎていたのかもしれない。 そして、経済学博士号を持つ著者が時おり語たる映画の脱線も面白かったが、やはりローマ帝国の反映と衰退を分析している箇所が、歴史家とは違って面白かった。そのひとつがよくいわれる多様性の重要性を説明してる部分、大事だといわれ、それを受け入れてはいるが、「why?」とどこかで思っていた。そんなことへの回答として書かれていた。 【なぜ異質性や多様性がある必要なのか?】 ①同じ人ばかりだと、「内輪の論理」「仲間内の論理」「なあなあ主義」が蔓延しやすい。同質の人ばかりだと、遺伝子が劣化しやすい。不祥事はこういった体質の企業で発生する。 ②既得権益保護が最優先事項となり、企業のビジネスモデルを変更できなくなる。新しい事業に着手するのは難しいし、古い事業を切り捨てるのは絶望的だ。このため、組織は硬直化し、衰退する。 *80年代頃。日本企業の「企業一家」的な同質性が、高く評価された。ただそれは、大量生産というビジネスモデルの大枠が既に出来上がっていて、それをいかに効率的に実行するかだけにあったからだ。革命的な進歩よりは、積み上げによる改善が重要だった。 ③外的条件が大きく変化した場合、異質性が生き延びるための最終的な保険となることにある。極度に環境適応した「最強メンバー」では環境が激変すると、生き延びられない。だから、異質なものを積極的に残しておく必要があるのだ。 恐竜時代の哺乳類が、異質なものとして現在に我々を残している。 (「周囲の人には彼らが日本で暮らすのは大変なんだから」と包容力のあるフリをしながら、しっかりと鍵をかけたかを確認して街に出て、彼らの行動に必要以上に注意を払ってしまう)

Posted by ブクログ

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