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モラル・トライブズ(上) 共存の道徳哲学へ
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モラル・トライブズ(上) 共存の道徳哲学へ

ジョシュア・グリーン(著者), 竹田円(訳者)

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モラル・トライブズ(上) 共存の道徳哲学へ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2015/07/01
JAN 9784000063210

モラル・トライブズ(上)

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商品レビュー

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2025/03/16

合理的には生きられない。生活できる以上にお金を稼ぎ、そのために命を削り、身体に悪い飽食と心に悪い娯楽を味わいながら、せめてもと、他者に優越を感じるための寄付やマウントで生きながらえた気分に刹那浸り、仮初の友に見送られながら一生を終える。権威にも負けず、金銭的支配にも負けず。その目...

合理的には生きられない。生活できる以上にお金を稼ぎ、そのために命を削り、身体に悪い飽食と心に悪い娯楽を味わいながら、せめてもと、他者に優越を感じるための寄付やマウントで生きながらえた気分に刹那浸り、仮初の友に見送られながら一生を終える。権威にも負けず、金銭的支配にも負けず。その目指すゴールの無意味さに気付き、調和を意識した者からドロップアウトして、そこそこの人生を送る。そこそこの人生には、それなりの余暇と余裕があり、そうしてはじめて他者と分け合う事を学ぶのだ。 チスイコウモリは、餌に巡り合えなかった仲間に餌を分け与える。人間にも、この「仲間」意識があるから純粋な利己的人間にはならずに分け合う事ができる。さてそこで本題だが、仲間とは何か。我々は身贔屓を許し、その境界線を引いて、内集団バイアスや部族主義をいかんなく発揮する。この線からあちらで生まれた声の大きなチームは敵ですよ、漬物を辛くする地域の人は味方ではないですよ、みたいに。 価値観をリセットして、素朴に周りを見渡すとする。その時、私があなたを美味しそうな食糧や奴隷の候補として見ないのは何故だろう。日本人であるという思い込みが、自然と助け合うべき潜在意識を私に根付かせているからであり、同じ人間だという意識があり、奴隷制はお互いに禁止しようという道徳や法律があるからだ。 本書によると、人間の赤ちゃんは生後半年頃には他者の行為について価値判断を行なっており、協力的な兆候を示すものに手を伸ばし、その反対のものを避けるらしい。近くにいる敵意のないものは味方。味方は助け合う。相互に生きやすくする社会性動物としての本能である。 しかし、この領域展開には限界がある。あらゆる協力集団は部外者による搾取から自分たちを守らなくてはならない。早めに「私たち」に属し、「私たち」を「彼ら」から見分ける能力と、「私たち」をひいきする行為が必要だ。 乳児は外国語なまりのない話者の方を信頼し、母語を話す人からおもちゃを受け取りたがる。五歳児は、外国語なまりのない子と仲良くなりたがる。外国語の習得には、ある年齢以降の習得者には、決して母国語のようには扱わせない脳年齢的限界があり、自他を見分けるのだ。 上巻は徐々に功利主義の話へ。最大幸福を求める範囲は、その集団の限界範囲まで。そんなセコい哲学で世界平和など実現できるのだろうか。 下巻に期待。

Posted by ブクログ

2019/03/23

それぞれの部族にはそれぞれの道徳上の常識がある。部族どうしが争うのは、異なる道徳的観点から捉えるから。著者は、これを常識的道徳の悲劇と呼ぶ。 アメリカ南部の初期の移民は、牧畜を経済の柱とするイギリスの辺境からやってきた人々だった。彼らの財である家畜は簡単に持ち運べるため、一歩も...

それぞれの部族にはそれぞれの道徳上の常識がある。部族どうしが争うのは、異なる道徳的観点から捉えるから。著者は、これを常識的道徳の悲劇と呼ぶ。 アメリカ南部の初期の移民は、牧畜を経済の柱とするイギリスの辺境からやってきた人々だった。彼らの財である家畜は簡単に持ち運べるため、一歩も引かない気概とそれを周囲に知らしめることが必要。牧畜民は短期であること、短期であることを世間に知られることが戦略的に有利だった。現在の南部の人々は、牧畜民ではなくても、名誉に対する伝統的な観念を重視する文化で育っている。南部は北部より、口論や喧嘩が関係する殺人率が高い。アメリカ南部に浸透する名誉の文化は、自助自立と個人の自主性を重視する。 宗教的な道徳的価値とローカルな道徳的価値観は密接に結びついており、ローカルな道徳的価値観はほぼ例外なく宗教的価値観である。

Posted by ブクログ

2016/08/02

解説:阿部修士(こころの未来研究センター) 税制、福祉、中絶、死刑、同性婚、環境規制……何が正義か、誰がどんな権利をもつかをめぐって社会は引き裂かれる。人々が自分は正しいと心の底から信じて争うとき、対立を解決する方法はあるのか。今こそ生物学、心理学、哲学、社会科学の知見を統合し...

解説:阿部修士(こころの未来研究センター) 税制、福祉、中絶、死刑、同性婚、環境規制……何が正義か、誰がどんな権利をもつかをめぐって社会は引き裂かれる。人々が自分は正しいと心の底から信じて争うとき、対立を解決する方法はあるのか。今こそ生物学、心理学、哲学、社会科学の知見を統合し、道徳とは何かを根本から理解しよう。そこから人類すべてが共有できる普遍的な道徳哲学が生まれる。(全2冊)(amazon.co.jpより)

Posted by ブクログ