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モラル・トライブズ(上) の商品レビュー

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2019/03/23

それぞれの部族にはそれぞれの道徳上の常識がある。部族どうしが争うのは、異なる道徳的観点から捉えるから。著者は、これを常識的道徳の悲劇と呼ぶ。 アメリカ南部の初期の移民は、牧畜を経済の柱とするイギリスの辺境からやってきた人々だった。彼らの財である家畜は簡単に持ち運べるため、一歩も...

それぞれの部族にはそれぞれの道徳上の常識がある。部族どうしが争うのは、異なる道徳的観点から捉えるから。著者は、これを常識的道徳の悲劇と呼ぶ。 アメリカ南部の初期の移民は、牧畜を経済の柱とするイギリスの辺境からやってきた人々だった。彼らの財である家畜は簡単に持ち運べるため、一歩も引かない気概とそれを周囲に知らしめることが必要。牧畜民は短期であること、短期であることを世間に知られることが戦略的に有利だった。現在の南部の人々は、牧畜民ではなくても、名誉に対する伝統的な観念を重視する文化で育っている。南部は北部より、口論や喧嘩が関係する殺人率が高い。アメリカ南部に浸透する名誉の文化は、自助自立と個人の自主性を重視する。 宗教的な道徳的価値とローカルな道徳的価値観は密接に結びついており、ローカルな道徳的価値観はほぼ例外なく宗教的価値観である。

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2016/08/02

解説:阿部修士(こころの未来研究センター) 税制、福祉、中絶、死刑、同性婚、環境規制……何が正義か、誰がどんな権利をもつかをめぐって社会は引き裂かれる。人々が自分は正しいと心の底から信じて争うとき、対立を解決する方法はあるのか。今こそ生物学、心理学、哲学、社会科学の知見を統合し...

解説:阿部修士(こころの未来研究センター) 税制、福祉、中絶、死刑、同性婚、環境規制……何が正義か、誰がどんな権利をもつかをめぐって社会は引き裂かれる。人々が自分は正しいと心の底から信じて争うとき、対立を解決する方法はあるのか。今こそ生物学、心理学、哲学、社会科学の知見を統合し、道徳とは何かを根本から理解しよう。そこから人類すべてが共有できる普遍的な道徳哲学が生まれる。(全2冊)(amazon.co.jpより)

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2016/02/19

http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10075784

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2015/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どうやら我々の脳には「道徳マシン」が備わっており、これにより所属する「部族」内部においては他の構成員と協力し最善の結果を追求するよう配線が組まれていることがわかってきた。しかしこの「道徳マシン」は残念ながら他部族の存在を前提としていないため、「彼ら」との関係においては機能せず摩擦を生んでしまう。何故かくも簡単に「我々」と「彼ら」は引き裂かれてしまうのか?ローカルな「道徳」を超えて、全ての「部族」が尊重し価値判断の根拠とする共通通貨、「メタ道徳」は存在しないのだろうか?あるとすればそれは? 本書は弱冠41歳でハーバード大教授となった著者が、「道徳」がどのように我々の脳に実装されているのかを、心理学・哲学・脳科学・倫理学等様々な分野を横断しながら論ずるもの。岩波書店らしく取っ付きにくい装丁だが、「功利主義」こそが普遍的な道徳哲学だとする著者の主張が意外に平易な文体で展開されてゆく。前半の脳の道徳判断の「二重過程」の説明辺りまでは、カーネマンの「Think fast & slow」がそのまま出てきたりして「またぞろ行動心理学か?」と思ったりしたが、後半はやや思考実験的な記述が増えるところを見ると、下巻はより哲学や倫理学に軸足を置いた展開になりそうだ。反功利主義に対する、著者曰く「読むのがしんどい」再反論の展開に期待。

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2016/08/09

出版社による紹介: http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/006321+/top.html 立ち読みもできます: (上巻:立ち読みは目次と序章) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/9/0063210.html (...

出版社による紹介: http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/006321+/top.html 立ち読みもできます: (上巻:立ち読みは目次と序章) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/9/0063210.html (下巻:立ち読みは目次と解説) http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/00/7/0063220.html シノドスで紹介されました(阿部修士さんの解説の転載): http://synodos.jp/society/15282 shorebirdさんによる書評: http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20151005#1443998491 斎藤哲也さん@幻冬舎plusによる紹介: http://www.gentosha.jp/articles/-/4410 公明新聞2015.11.2の書評(評者は小川仁志さん) 瀬名秀明さんによる書評(「週刊朝日」2015年11月20号): http://book.asahi.com/reviews/column/2015111900001.html 「紀伊國屋じんぶん大賞2016」に入選しました(23位): https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201601157059/ 吉川浩満さんによる書評(「KOKKO 第11号」2016年7月 http://clnmn.hatenablog.com/entry/2016/07/05/191523 )

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