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獣の奏者(4) 完結編 講談社文庫
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獣の奏者(4) 完結編 講談社文庫

上橋菜穂子【著】

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獣の奏者(4) 完結編 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2012/08/10
JAN 9784062773454

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獣の奏者(4)

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商品レビュー

4.5

302件のお客様レビュー

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2026/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常に完成度の高い上質な物語で、とても楽しめました。少し長くなりますが、個人的に感じたことを書いてみたいと思います。 エリンは「獣ノ医術師」となる道を歩むようになりますが、彼女はなぜその選択をしたのでしょうか。母が闘蛇衆であったからでしょうか、それとも幼少期に見た野生の王獣の雄大さ神々しさに心惹かれたからでしょうか。どちらも違います。エリンは「この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを、知りたい」から、「獣について学ぶことは、きっと、自分が知りたいと思っていることにつながっているはずである」から、カザルム学舎の門を叩くこととなるのです。もちろん、その願いの根底には母ソヨンの死の影響があるのは言わずもがなです。 また、本作のボーイミーツガールとして、王獣リランとの出会いがあるのも忘れてはなりません。身体を負傷し、心にまで傷を負ったリランと向き合い、持ち前の知的好奇心によりその生態の解明をする中で、やがてエリンの願いは「野にうまれたものは、野に在るように」というものに変容していきます。それは物語の紆余曲折を経て、多くの柵に囚われることとなったエリン自身とその家族、夫であるイアルや息子のジェシが、自由にあるがまま生きることができない現実と重なっているのです。 そのような願いを持ったエリンですが、最終的に災いの扉を開き、多くの獣や兵士を死へと導いてしまった彼女を批判することは簡単です。ただ、個人的には、これまで秘されていた知識を明らかにし、「松明の火を、手渡していける人に」エリンがなれたことをこそ、評価したいと思います。知識の断絶を克服したこと、そして彼女の息子であるジェシこそが、「すべての平民が学べる高等学舎の設立」を企図したことは、大変に重要なことと思いました。それは「戦というものが、ひとりの英明な人の英雄的な行為で止められるものではない」からこそ、個々人が学び、考え、実践していかねばならないことだからです。これは全く同じことが、我々の現代社会にも言えるでしょう。知識や歴史は秘匿されるべきではないのです。 なにが言いたいのかよくわからなくなってきましたが、本作がただの児童向けの作品ではないとこは明らかです。もちろん、単にエンタメとして面白いことは間違いありません!

Posted by ブクログ

2026/06/03

エンタメと深いテーマ性が噛み合った傑作。 長い分キャラへの愛着、没入感が凄くて、読んでるこっちも燃え尽きた感じ…。まだまだこの世界の物語を読みたい。

Posted by ブクログ

2026/04/06

人は同じ過ちを繰り返す。多くの命が失われてもなお、無くなることはない戦争。その愚かさを心に刻みながらも、その概念が人の記憶から消されることは無い。しかし、結果が同じ過ちであったとしても、その後が同じであるとは限らない。一度目の過ちは、過ちであるかもわからぬままに犯してしまう。しか...

人は同じ過ちを繰り返す。多くの命が失われてもなお、無くなることはない戦争。その愚かさを心に刻みながらも、その概念が人の記憶から消されることは無い。しかし、結果が同じ過ちであったとしても、その後が同じであるとは限らない。一度目の過ちは、過ちであるかもわからぬままに犯してしまう。しかし、二度目は過ちであると知りながら犯したのだ。己の信じる未来のために、希望と共に暮らすことができる世界のために。エリンはその選択をしてみせた。かつて災いを起こし、二度と同じことを起こさぬようにしてきたジェの意思は、既にあった小さな綻びを突いてみせたエリンの手によって崩された。しかし、そのエリンによって、かつて起きた災いの全てを人々の耳に届かせ、真に同じ過ちを繰り返さぬ世界が作られた。新たな世界は、一つの綻びさえ許されず、精巧でいて、堅牢であった。 人と獣。同じ世界で暮らしながらも、決して交わることのない、二種の生き物。互いの尊厳を、生活を、未来を守るために生きてきたエリン。それは苦しく、辛い道のりであった。そんな中で彼女は一際輝く幸せを胸に、これほどのことを成し遂げた。自らを産み、育ててくれた母。命を救われ、身体も心も恩人であるジョウン。知識を求める彼女を受け入れてくれた恩師と、そばで支えてくれた友人。そして、彼女が何よりも大切に思い、長く短い時を共に過ごしてきた夫と息子。多くの点が一本の線として繋がり、この物語は幕を閉じた。しかし彼女が繋いだ確かな線はまだまだ先へと伸びていく。それはジェシの手によって。さらに向こうの知られざる誰かの手によって。 この物語を最後まで見届けることができて良かった。もしかすると、遠い未来にも同じ過ちを繰り返してしまうかもしれない。しかしながらそんな未来は来ないと心から信じられる。それほどまでにエリンが残し、繋げたものは大きいものであり、人々の胸に深く刻まれた。

Posted by ブクログ

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