獣の奏者(4) の商品レビュー
ジェシの成長が早い。 エリンの木まで走り抜けた感がある。 分厚いけど面白かった。 ミステリーではないのに謎が謎を呼ぶところが面白い。最後は感動できた。
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最後エリンがなくなってしまって悲しい、、、気になり過ぎてぶっとうしで読んでしまった。エリンは死んでしまったけどなぜかバッドエンドとは思えない結末⁉︎
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エリンの息子ジェシは、母が王獣の訓練をする姿を見たいがために立ち入りを禁止されていた森にこっそりと入って盗み見をしていた。エリンや護衛兵たちはそのことに気がついていたが、母と過ごす時間の少なかった幼いジェシを思うと、注意もしづらく、黙認していた。 ある日、その森の中からジェシの悲鳴が聞こえる。慌てて悲鳴の方へとエリンが走ると、大量の火蟻に身体中を噛まれ悶えるジェシの姿があった。一命を取り留めた息子を連れて、火蟻に襲われた森へとエリンは向かい、森の生き物たちの危険について、生態について、ジェシに話して聞かせる。 狂乱する闘蛇と王獣を止め、死ぬ、エリンの最期も心に残った。それでも、この物語の中で一番心に刺さったのは、エリンとジェシ、イアルとジェシの母と子、父と子が語り合う場面だった。ジェシは、ときに反発をしながらも、ときに意味が分からずとも、母と父の言葉を聞く。こんな風に親から子へ、知恵とも心とも言えない色々なものが語り継がれていくのが、それを聞く子どもの姿が、微笑ましく優しい。だからこそ、そんなさりげない親子の会話があるからこそ、政治に利用され、戦争に駆り出され、死を迎えることになったエリンの姿の悲哀が読み手の目に焼きつく。 この物語は、「語り継がれること」の物語だったように思う。かつて闘蛇と王獣が戦争に利用されたことによって一つの国が滅んだ大厄災の記憶は、語り継がれなかったことによって、エリンが死をもって証明した災厄を再びもたらすことになった。大厄災を知っていた祖先は、二度と災厄を起こさないために規則を作り、真実を秘した。しかし、その善意が、後世の人々の無知を生み、厄災を引き起こすという皮肉を生んだ。 「松明の火を想像してみて、ジェシ。松明の火は自分の周りしか照らせないけれど、その松明からたくさんの人たちが火を移して掲げていったら、ずっとずっと広い世界が、闇の中から浮かびあがって見えてくるでしょう?」 息子の頭に顎をのせ、さわさわと春風にゆれる木々をながめながら、エリンは言った。 「おかあさんね、そういう人になりたいの。松明の火を、手渡していける人に」(p64) かつて木漏れ日のあたる森の中で母が伝えた言葉は、27歳となった息子の心の中に残っていた。そして、すべての平民が学べる高等学舎を設立することになる。そして、母がついに叶わなかった、保護場で飼われた王獣を野に戻すという夢を、ジェシは果たすことになる。 何気なく伝えた一言が、次の世代に残っていく。そういう物語だった。
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探求編から続くストーリー。 登場人物みな背負っているものが重すぎて、重すぎて。 エリンの死亡フラグが早いうちからチラチラしてるのがツラすぎる。 「行き着くとこまで行ってみないと、先は見えない」 やっぱり行くんですか… 物語は破局に向かって突き進み、エリンの死が避けがたく迫ってくる。 救いはジュシの存在か。
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この本のここがお気に入り 「知らねば、道は探せない。自分たちが、なぜこんな災いを引き起こしたのか、人という生き物は、どういう風に愚かなのか、どんな事を考え、どうしてこう動いてしまうのか、そういう事を考えて、考えて、考えぬいた果てにしか、本当に意味のある道は見えてこない…」
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『獣の奏者』闘蛇編〜完結編 2023/07/23頃〜2024/05/10 1回目 最初はなつかしい気持ちだった エリンの子供なのに大人びた姿、動物のことになると現れる子供らしい姿 大人になってみるとどれも可愛らしい子どもの姿だった 母を失うという壮絶な経験をしてもなお、禁忌とも呼べるそれを解き明かそうとしたエリンの姿は勇敢だったけれど、勇敢な人がひとりいたとて世の中は災いをその目で知るまで変わろうとしない。苦しかった。バスの中で嗚咽しそうだった。 『獣の奏者』という話の中で一番鍵になるのは「母」だと思う。エリンは母を闘蛇に喰われ、イアルは母に売られ、ジェシも母をあの戦いで失う。 惨いと思ったのは、エリンもイアルも母を失ったことを辛く重く心を痛めているはずなのに、二人とも命を落とす覚悟がある。ジェシにそんな思いはさせたくないと言いながら、しっかり思いながら、そんな思いをさせてしまうことを自覚している。 しかし最後のジェシはあまりに強かった。 何度もその話をするのは苦しいだろう。獣ノ医者として働く度に母の背中を思い出すだろう。それなのにまだ母の背中を追っている。エリンとイアルの強かさを継いでいる。きっと孫も凄く強かだろう。 最後は本当にグロテスクだった。あそこまでの災いが起こるなんて想像していなかった。アニメ化しなくて良かった。 闘蛇の甘い匂いを嗅いでいるようだった。 兵士たちの死に顔が浮かぶようだった。 こうなると知ってもジェシは母を信じていた。強い子。私ならどうするだろう。きっと王獣で飛べない。 アルを飛ばすことを選べない。 最後に母と過ごした四日間はどんな気持ちだっただろう。 けれどエリンは叶えた。王獣を解き放つ願いを叶えた。 素晴らしい人だと思う。ただ、自己犠牲の強さだけはいただけない。 ソヨンはエリンをどんな顔で迎えるだろう。きっと二人とも地獄へ落ちる。戒律を破った者として、災いを起こした者として。それでも二人がしたことは間違っていない。エリンもソヨンも子を思ってしたことだ。 苦しい。暴れたい。これから外伝を読む。母としてのエリンがどうあったのか。きっと優しく、厳しい母であったのだろう。 イアルとの結婚までも気になる。二人がどうやって仲良くなっていったのか、それが気になって仕方ない。 幸せになって欲しかった。イアルと結婚したことを知ったときの安堵感はとてつもない。この二人が結ばれたことが何よりの幸せだったのかもしれない。 ジェシは二人の子に生まれて幸せだっただろうか。二人のことを誇って欲しいとおもう。 あーーーーーーあ また読み終わってしまってくるしい。 新しい本を探さなくては。 上橋菜穂子の本をもっと読もうかと思う。
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堂々の完結作。最後まで止まらない面白さだった。中弛みすることもなく素晴らしかった。またいつか絶対に読みたい。もっと悠々と考える時間を私も持ちたいと、人生を通して考える習慣をつけて豊かに生きたいと思った。
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いよいよ最終巻。 王獣と闘蛇の秘密をほとんど解き明かしたエリン。 過去の大きな災は王獣と闘蛇の接触により起きた可能性が高いことがわかりつつも、いよいよ戦争が始まってしまう。 その接触がやはりとんでもない現象を起こしてしまい、それを止めるためにエリンは決死の行動を起こす。 最後は感...
いよいよ最終巻。 王獣と闘蛇の秘密をほとんど解き明かしたエリン。 過去の大きな災は王獣と闘蛇の接触により起きた可能性が高いことがわかりつつも、いよいよ戦争が始まってしまう。 その接触がやはりとんでもない現象を起こしてしまい、それを止めるためにエリンは決死の行動を起こす。 最後は感動でウルウルしました。 上橋菜穂子さんの作品はリアルな設定の上に人間感情の機微が描かれ、夢中になって読める本当に面白い作品ですね。
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一貫して、獣はそして人はどう在るべきか、一つの考え方を示してくれる。そのメッセージを、これ程魅力的なストーリーに乗せられる作者にただ脱帽です。
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