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失われた時を求めて(2) スワン家のほうへ Ⅱ 岩波文庫
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失われた時を求めて(2) スワン家のほうへ Ⅱ 岩波文庫

マルセルプルースト【著】, 吉川一義【訳】

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失われた時を求めて(2) スワン家のほうへ Ⅱ 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2011/05/19
JAN 9784003751114

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失われた時を求めて(2)

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商品レビュー

4.4

12件のお客様レビュー

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2024/08/09
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※このレビューにはネタバレを含みます

「失われた時を求めて」初回通読チクルスの2巻目。まだまだ先は長いが、できるだけ毎日、少しずつ読み進めている。 この第2巻は、全巻を通して「スワンは」と、唯一、三人称で展開する。時間軸としては「私」の物語より前の時代、「私」が恋するジルベルトの父、スワンの恋をめぐる物語が大部を占める。旧貴族やブルジョワ層でのサロンのだらだらとした会話が行われる中、スワンの一途というか軟弱というか、まあ恋する男のあるある話も含め、ココット(粋筋、高級娼婦)であるオデットへの恋慕が延々と描かれる。内部・外部事情による葛藤のなか、この恋は終局破綻するかと思うけど、そこはプルースト空間というか、10年程度の間が空いた次の時間軸では、夫婦になり、娘のジルベルトがいて、「私」の幼き恋愛相手の話に転換するというのは、まさにびっくり仰天で面白いなと思った。 この超越たる世界文学の雄、引続きだらだら読んでいく時間を楽しみたい。

Posted by ブクログ

2024/07/23

第2部「スワンの恋」では、スワンの中で恋が生まれ、育ち、やがて死にゆく様が精緻な心理描写で描かれる。 僕は、特に、彼の中で嫉妬が生まれ、オデットの嘘を餌にして、それが大きく育っていく様子を描いた部分に強く惹かれた。 この物語を読み進むうちに、吉本隆明の「言語にとって美とはなにか...

第2部「スワンの恋」では、スワンの中で恋が生まれ、育ち、やがて死にゆく様が精緻な心理描写で描かれる。 僕は、特に、彼の中で嫉妬が生まれ、オデットの嘘を餌にして、それが大きく育っていく様子を描いた部分に強く惹かれた。 この物語を読み進むうちに、吉本隆明の「言語にとって美とはなにか」という問いの答えが分かったような気がした。 何故だか分からないが、ヴェルデュラン家の夜会での会話から、奇妙にもナタリー・サロートが「黄金の果実」などで描いた「地下のマグマ」を想起してしまった。 アンチ・ロマンとも、ヌーヴォー・ロマンとも呼ばれたサロートであってみれば、僕の抱いたこんな印象を黙って受け入れてくれるはずもないが、僕の持っているものといえば、この誤読しか無いので如何ともしがたい。 『ある日スワンは、人を訪ねる予定があって午後の中ほどに外出していたが、会うつもりの人が留守だったので、オデットの家に寄ってみようと想いついた。 こんな昼間に訪ねたことは一度もなかったが、この時刻ならオデットがいつも家にいて、お茶の時間になるまで昼寝をするか手紙を書いているのを知っていたので、ちょっと会うぐらいなら邪魔にならないと考えたのである。 門衛は、オデットは在宅だと言った。 そこで呼び鈴を鳴らすと、物音がして歩く音が聞こえたような気がしたものの、玄関は開かなかった。 スワンは不安になり、いらいらと館の反対側が面する小さな通りにまわり、オデットの寝室の窓の前に立った。 が、カーテンが閉まっていて、なにも見えない。 スワンは力いっぱい窓ガラスを叩いて名前を呼んだが、だれも開けてくれない。』(第1篇スワン家のほうへ II スワンの恋) なお、巻末に置かれた場面索引は、作品を後で振り返るのにとても便利だった。 フォルカー・シュレンドルフ監督の「スワンの恋」も観たが、色々と引っかかる点が多かった。 まず第一に、スワンがオデットの衣服の胸元に挿されたカトレアを直すシーンで、スワンが「胸元の蘭を直してもいいですか?」というのにやや違和感を感じた。 これ以外の箇所では、いずれも「カトレア」と呼び、その言葉が二人の間で情事の符牒にすらなっているのに、なぜここだけ「蘭」と訳したのか、僕には分からなかった。 後の方で、このシーンを回想する場面があるが、そこでは、「カトレア」と訳されていた。 もう一つ疑問なのは、スワンがオデットの監視役を頼んでいる友人のシャルリュス男爵に、「オデットと寝たのか?」と尋ねるシーンだ。 スワンは、シャルリュスが男色家であることを、とうに知っているはずだからだ。 さらに、スワンがオデットの同性との交渉の情報を得ようと立ち寄った娼館での濡れ場シーンだ。 原作には無い、それどころか『スワンはその手の女とはほとんど没交渉だったから』(130ページ)と書かれてさえいるのに、敢えてこのシーンを入れる必要があったのか、僕には疑問だ。 総じて、この映画は、像による魅惑よりも、像が与えられてしまうことによって想像力に科される桎梏を強く感じさせた。 次は、ラウル・ルイスの「見出された時」をもう一度観てみたい。 彼は、この問題にどう対処しているだろうか?

Posted by ブクログ

2024/02/14

(2024/02/14 4h) とにかくページを繰って読み進めるぞ!という意気で1巻2巻と読んでいる。 この第2巻は第1巻よりも目に留まる文章が多く、読みやすさを感じた。 美しい情景描写や共感できる恋愛の仕方など。 引き続き訳者解説が秀逸で、読んでいて混乱してしまっても最後に...

(2024/02/14 4h) とにかくページを繰って読み進めるぞ!という意気で1巻2巻と読んでいる。 この第2巻は第1巻よりも目に留まる文章が多く、読みやすさを感じた。 美しい情景描写や共感できる恋愛の仕方など。 引き続き訳者解説が秀逸で、読んでいて混乱してしまっても最後に見事に内容がまとめてあるので、安心。 読み進める気持ちを維持するのに大きく力を買ってくれているとおもう。

Posted by ブクログ

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