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蒲公英草紙 常野物語 集英社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2008/05/19 |
| JAN | 9784087462944 |

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商品レビュー
3.9
323件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「なぜこの結末を書いたのか?」 この問いから逃れることはできない。これと向き合わなければこの本は終われない。 本作の描写はあまりに柔らかく美しい。蒲公英草子とはよく言ったもので、麗らかな光が降り注ぐ日本の原風景のような楽園が広がっている。 淡い恋があったり、”にゅう・せんちゅりぃ”を生きる人々の葛藤と情熱の描きっぷりも巧みで、風景から心の描写まで筆が乗りに乗っている。 本当にこの美しい夏の記憶だけをずっと味わっていたかった。 だが、結末はどうだ。起承転落だ。それも深い深いところに突き落とされる。楽園で解きほぐされた剥き出しの心をガツンとやられて、問いを渡されたまま終わる。 だからこそ、「なぜこの結末を書いたから」これを考えなければいけない。 “「この国で生きていくことを決めた時から、僕たちはみんなを『しまう』ようになったんだ。みんなの思いをこの先のこの国に役立てるために。僕は、自分の一族に生まれついたことや、この生活を後悔してないよ」” →これだ。多分これなんだ。僕たちも生きていく上で「しまう」ことをし続けなければならないんだ。美しいことを「しまう」ことは簡単だけども、苦しいことも悲しいことも「しまって」それでも前を向いて生きていかなければいけない。そういうことを言っているのだと思う。 辛い読書体験だったが、どうにかこの本を僕の中に「しまい」、少しでも「響く」ものにしたい。
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最終章の運命は読んでいて切なくなった。作者とタイトル名だけで購入したけどファンタジー好きには当たりの本だった。
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作品紹介・あらすじ 懐かしく切ない傑作ファンタジー 20世紀初頭の東北の農村。少女峰子は、集落の名家・槙村家の聡子嬢の話し相手を務めていた。ある日、聡子の予言通りに村に謎めいた一家が訪ねてくる。不思議な力を持つ一族を描く感動長編。(解説/新井素子)
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