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蒲公英草紙 の商品レビュー

3.9

314件のお客様レビュー

  1. 5つ

    67

  2. 4つ

    132

  3. 3つ

    87

  4. 2つ

    9

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2024/05/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恩田陸氏による常野物語シリーズ第二巻。本シリーズでは、常野と呼ばれる特殊能力を持つ一族の活躍や生き様が描かれます。 ・・・ 時は新世紀(20世紀…1900年)初頭。とある田舎の村で周囲を取り仕切る槙村家。その槙村家にいる末娘聡子様にお仕えすることになった、中島医師の娘の峰子。この峰子が老いたときに在りし日を回想する形式で、槙村家で起こった超常現象と悲劇について描いたもの。 ・・・ 常野という特殊能力をもつ方々が出てくるので、まあ超常現象系の事件がクライマックス。 ただね、何ていうんだろう、峰子の聡子様へ女子高的憧れやその聡子様の恋心、槙村家の屋敷に集う風変りな方々の描写など、峰子の青春の一ページを切り取ったかのような描写が太宗を占める印象。 割と淡々と進んでいき、クライマックスが過ぎると途端に現代に戻るのは、まるであり得ない夢を見ていて突然目が覚めたかのようでもありました。 あっさりとしていますが、ホントそんな感じ。まあ青春小説ですね。 ・・・ ということで恩田氏の常野物語第二弾でした。 本作は超常系<青春系みたいな感じで、少し肩透かしを食らった印象。個人的には派手に超能力かましてほしかったかな。 第一弾・第二弾と読んだので第三弾もいずれ読みたいと思います。

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2024/04/17

なんて、美しい物語だろう。20世紀初頭、日本の農村の、1幕。 1人の少女、峰子の、お屋敷のお嬢様聡子様と過ごした限りある、暖かい日々。 近代化が始まった日本が、その後どんな道をたどったか。それは歴史のとおり。 最後の数ページ、胸が引き裂かれる思いだった。 日本は元々持ち合わせてい...

なんて、美しい物語だろう。20世紀初頭、日本の農村の、1幕。 1人の少女、峰子の、お屋敷のお嬢様聡子様と過ごした限りある、暖かい日々。 近代化が始まった日本が、その後どんな道をたどったか。それは歴史のとおり。 最後の数ページ、胸が引き裂かれる思いだった。 日本は元々持ち合わせていた美しさも失って、どこへ向かっていくんだろう。 常野物語2作目として、この作品を見たとき。 1作目で続きが気になるなぁと思っていた、「しまう」者たちの役割が明確に描かれていて、満足しました。

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2024/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の転落からの転落がものすごい。 いつも新しい時代の幕開けは 様々な希望や志を持ってた人たちが いた訳だけど、終戦した日はどんな気持ちに なったのだろう、峰子みたいに思った人が 沢山いたんだろうな。 現代で言うと、バブルを経験した人が リーマンショックも経験したり今の 円安の物価高で打撃受けてる人みたいな感じかな。 常野の人たちが居たら私も聞いてみたい。 日本これから大丈夫か?って。

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2024/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

常野(とこの)のシリーズの一つ。 恩田陸の作品は、どれも読みやすいのだが、今回、登場人物が多くて、それぞれに抱えているものがあり、それらが少しずつ語られているからなのか、どの人が誰なのかが、ちょっと混乱した。また、思い出が語られることもあり、今、いったい何歳なのか、何年経ったのかがわからなくなった。最終的に、運命の日が来た時、彼らは何歳だったんだろう? 話の始まりから、いずれ物語が戦争に突入するのではないかと感じさせられていたので、もっと、そのあたりが書き込まれるのかと思っていたのだが、そこは少し肩透かし感があった。 とはいえ、全体的に読みやすく、ほのかな哀しみと癒しがあり、良作だった。

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2023/08/13

常野物語の2作品目。1作品目と同じように常野に関わる人たちの短編が続くのかと思いきや、今作品では常野一族の人たちと関わる世間を常野ではない一般的な家庭の少女の視点で描かれる長編作品でした。個人的には2作品目の方が好きで、表紙やタイトルからも窺える通り、読んでいて非常に心穏やかにな...

常野物語の2作品目。1作品目と同じように常野に関わる人たちの短編が続くのかと思いきや、今作品では常野一族の人たちと関わる世間を常野ではない一般的な家庭の少女の視点で描かれる長編作品でした。個人的には2作品目の方が好きで、表紙やタイトルからも窺える通り、読んでいて非常に心穏やかになれるシーンの多い作品でした。3作品目にはエンドゲームのタイトルで常野物語が続きます。1、2作品が直接繋がらないように、3作品目も全く異なる常野物語となるかもしれませんが、それはそれで楽しみです。

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2023/07/22

可憐で健気で靱やかな強さ。綿毛となり、風に吹かれ散り散りになりながらも、そこに根を張り花を咲かせ、また散り散りになっていく。儚さゆえの強かさ。

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2023/06/16

寂しい気持ちが残る作品ではありましたが、前向きに色々な事に対して進んでいく事の大切さを感じた作品でもありました

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2023/06/15

峰子の少女時代。和風ファンタジーということで、荻原規子さんが好きな私に合うかと思った。昔の日本設定も読書であれば好みだけど、やはり荻原さんはずば抜けている。恩田陸さんの作品はこれで当分お休みにする。読みたかった本の内容がわかってひとまず満足。

Posted byブクログ

2023/06/03

陽だまりのような温かさがある少女の日記。 静かに着実に時代が変化する様子を少女の視点からみる。 所々で戦争へ突入する前の不穏な空気がジワリジワリと感じ、後半は切なく、悲しい終わり方。

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2023/03/12

ズビズビに泣きながら読んだ。 前作「光の帝国」に出てきた春田一家とそれに関わったある集落の話。 ずーっと明るいのに、どこか切ない雰囲気で話が進み、その理由は最後に明かされる。あまりに切なくて、涙が止まらなかった。 「しまう」とは何か? 前作の短編ではあまり語られなかったものが少...

ズビズビに泣きながら読んだ。 前作「光の帝国」に出てきた春田一家とそれに関わったある集落の話。 ずーっと明るいのに、どこか切ない雰囲気で話が進み、その理由は最後に明かされる。あまりに切なくて、涙が止まらなかった。 「しまう」とは何か? 前作の短編ではあまり語られなかったものが少し垣間見える。

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