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白痴 新潮文庫

坂口安吾【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2011/12/01
JAN 9784101024011

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商品レビュー

3.8

137件のお客様レビュー

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2024/03/31

戦時下の混沌とした、言いようのない不安感と破滅思想、芸術家として死にたいジレンマがそこはかとなく漂う作品。 私の感覚としてこの時代の死生観は、殺伐としていて、生きることも死ぬこともさほど大きな価値はなく、ただ眼前の事実を嚥下するというイメージがあるが、まさにそう。まさに冷たい灰色...

戦時下の混沌とした、言いようのない不安感と破滅思想、芸術家として死にたいジレンマがそこはかとなく漂う作品。 私の感覚としてこの時代の死生観は、殺伐としていて、生きることも死ぬこともさほど大きな価値はなく、ただ眼前の事実を嚥下するというイメージがあるが、まさにそう。まさに冷たい灰色。 初めての坂口安吾でした。

Posted by ブクログ

2024/02/25

①白痴 主人公は、死ぬかもしれないと思うことで生きていることを感じ、白痴の女を肉の塊と呼んですすんで愛することを恐れている。臆病だなー。結局死への恐怖を抱いている。でもそんなこと気にしない(気にできない?)白痴の女をやれやれ、って見下しつつもどこか癒しだったり愛情を見出してるんじ...

①白痴 主人公は、死ぬかもしれないと思うことで生きていることを感じ、白痴の女を肉の塊と呼んですすんで愛することを恐れている。臆病だなー。結局死への恐怖を抱いている。でもそんなこと気にしない(気にできない?)白痴の女をやれやれ、って見下しつつもどこか癒しだったり愛情を見出してるんじゃないか。 白痴って現代ことばに置き換えると何になるだろう。軽く言えばメンヘラかな。チキンとメンヘラの風変わりな生活。 ②女体 傷つく、いけない、と思っていても素子を本能的に求める谷村と、彼の全てを愛し身を尽くすことすらも愛する素子。純愛だなぁ、二人の夜の遊びは情欲のぶつけ合いでなく愛の確かめ合いのような感覚なのではなかろうか。ただ性欲の強い女は引かれがち。素子は谷村を愛することが夢であるのに、それを谷村自身は知らない。肉体のない愛に就いて考える。 ③恋をしに行く 肉体のない恋がしたいと言いながらも結局信子の純潔さに惹かれちゃう谷村!浮気っちゃ浮気だと思うけどそこを抜きにしたらとても情熱的な告白。いるよねー、みたされないことによってしか、みたされることができない人。自分を突き放してでもその人を愛したいと思う人。 素子も信子も愛してたけど出力量と種類が違う。素子へは感謝、さほど強くはない愛。信子へは燃えるような肉体への賛美。前者が愛で後者が恋。愛は小さくとも長く燃え、恋は激しいが短い。

Posted by ブクログ

2023/11/14

ハンチバックの市川沙央氏が対談でおすすめしていた。情欲や愛情、戦中前後の暮らしぶりや人間模様、生き様が新鮮だった。

Posted by ブクログ

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