白痴 の商品レビュー
戦時下の文学作品はなぜこうも破滅的で、死の匂いしかしないのかしら。浮気と、戦争を愛すると語る文章があることには驚きました。 肉慾、肉慾、肉慾とやかましくひねくれていて、もうわかったよ。。と読み飛ばした後半 固く乾いたエッセイ系は好きなんだけどな
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読み終えて、胸に残ったのは強烈な嫌悪感だった。 それは私に読解力が足りないからなのかもしれないし、戦争を経験したことがないからなのかもしれないし、あまりにも自分の倫理観とかけ離れていて、受け入れたくなかったからなのかもしれない。 この作品には、私が男を嫌いな理由が、そのまま詰め...
読み終えて、胸に残ったのは強烈な嫌悪感だった。 それは私に読解力が足りないからなのかもしれないし、戦争を経験したことがないからなのかもしれないし、あまりにも自分の倫理観とかけ離れていて、受け入れたくなかったからなのかもしれない。 この作品には、私が男を嫌いな理由が、そのまま詰め込まれているように感じた。 男も女も、登場人物の誰ひとりとして好きになれない。むしろ、全員が苦手だった。 それなのに、不思議と読む手だけは止まらなかった。 嫌悪しながらページをめくり続けてしまったことが、少し悔しい。
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まだ少し残っていますが、ある程度読み終わったので感想を書きます。 久しぶりに読書習慣をつけようと、最初に選んだ本でした。 最初にしてはハードだったかなと今になって思います、、 作者は、自分が考えたりもしないような小難しいようなことを普段から考えていて、それが「白痴」を含む7編に...
まだ少し残っていますが、ある程度読み終わったので感想を書きます。 久しぶりに読書習慣をつけようと、最初に選んだ本でした。 最初にしてはハードだったかなと今になって思います、、 作者は、自分が考えたりもしないような小難しいようなことを普段から考えていて、それが「白痴」を含む7編にぎっしりとその考えを散りばめたのかな?と思いました。 「戦争と1人の女」の主人公の女性が、一途に野村という男性のことを想うところに特に共感しました。
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『白痴』 人には、生命の危機に立たされて初めて得る心情というものがあることを知った。とにかく新感覚。ここ最近で最もインパクトの強い作品だった。
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戦時戦後の混乱期を生きていた男女の、肉欲や曖昧な生命観を表した作品。短編集でそれぞれ別のキャラクターが登場するんだけど、誰もがうっすら敗戦への絶望感や見えない未来に対する自棄を抱えていて、これはその当時のスタンダードだったのか、坂口安吾自身の投影だったのか、と思いながら読んだ。 ...
戦時戦後の混乱期を生きていた男女の、肉欲や曖昧な生命観を表した作品。短編集でそれぞれ別のキャラクターが登場するんだけど、誰もがうっすら敗戦への絶望感や見えない未来に対する自棄を抱えていて、これはその当時のスタンダードだったのか、坂口安吾自身の投影だったのか、と思いながら読んだ。 文体が特徴的で、場面が転々としたり、急に登場人物が増えた感じがしたり、息継ぎが難しい本。終始非常に生々しい。
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好きじゃないというか疲れた。 まあ単にこれは自分が男女だの肉慾だのといった題材が好きじゃないからだと思う。 全体的に皮肉ぽいのが疲れたがいじらしくて可愛いなとも思った。
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表題作「白痴」について! 伊沢は、繊細で周囲の空気に馴染めず、戦時中の同調圧力にも乗れない人だったと思う。 生きづらさを感じながらも、自分の感性や価値観を大事に抱えながら生きてきた人で、他の人が命や家族や財産、立場を守るために普通ではいられなくなるように、伊沢も自分の価値観を命がけで守ろうとした結果が、終盤の異常性に繋がったんじゃないかなと思った。 周りの人や映画仲間、女たちへの辛辣な物言いは、ただの見下しだけじゃなくて、自分とのあまりにも違う価値観や空気感に対する拒否反応で、疎外感や孤独感から来てるのかなって思う。 そんな中で白痴の女が現れ、それを所有物のように扱うようになった。 人間としては見ていないが、大事な物としては扱っている。 周りの人間達に比べ、その女は戦時中の価値観や空気感から切り離された、唯一の無垢な存在に見えて、それを自分自身の無垢さと重ねてたんだと思う。 ただの所有物として見下す一方で、自分の価値観や感性を守るため、この無垢さを所有していることが、伊沢の価値観の肯定になっていたのかもしれない。 小さい子がぬいぐるみを抱きしめて手放さないみたいな感覚で、伊沢にとって唯一の安全地帯のような存在だったのかなって思う。 伊沢の呼びかけに女が頷いたシーン。 はじめて女に意思を感じた瞬間、伊沢は妙に嬉しそうで、ワクワクした感じで女に夢中になっていた。 それまでは、ずっと抱えてはいるものの無価値で浅ましい人形のように思っていた存在が、自分が思ってたより価値があるものに感じて、自分が肯定されたような気持ちになったのかなって解釈した。 伊沢は特別な異常者というよりも、他の人が命や家族を守るのと同じくらい、自分の感性を守ることが大事だった人なんだと感じた。 女に対しての執着部分については共感はできないけれど、その自分の感性に対する切実な気持ちは、なんとなく分かる気がする!
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白痴を含む短編集。 どの作品も女性の生き方について書かれており、この当時このような女性の生き方、処世術というものについて書くことはどう思われたのだろう。 全編を通して女性はいつの時代も強いと感じた。
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やはり戦争を生きていない私には理解できない価値観や、気づいていない真意などもあるのだろうが、それを抜きにしても面白い作品だと感じた。戦争の荒波の中で嵐のように絶えず変化していく価値観。その中でひとり、芋虫のように横たわる女。その果てしなく無限の孤独に主人公は救われるが、それは周囲...
やはり戦争を生きていない私には理解できない価値観や、気づいていない真意などもあるのだろうが、それを抜きにしても面白い作品だと感じた。戦争の荒波の中で嵐のように絶えず変化していく価値観。その中でひとり、芋虫のように横たわる女。その果てしなく無限の孤独に主人公は救われるが、それは周囲から孤立している主人公自身の自己愛に過ぎないのではないか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「死ぬ時は、こうして、二人一緒だよ。」という一文に惹かれて、この作品を手に取った。 だが実際に読んでみると、その内容は想像していたものとはまったく異なり、正直なところ「微妙だ」と感じた。 ラストの「俺と俺の隣に並んだ豚の背中に〜」という描写には衝撃を受けた。ついさっきまで一緒にいた女性を「豚」と表現するとはどういうことなのか、最初は理解できなかった。 しかし調べてみると、戦時中の文学では空襲で焼け焦げた死体が「豚の丸焼き」と表現されることが少なくなかったらしく、納得した。 わたしがこの作品に共感しきれなかったのは、自分が夢見がちな傾向にあり、愛や人間性に対して誠実さや理想を求めてしまうからだと感じた。 坂口安吾の描く世界は、それとは真逆だ。 『白痴』は、わたしにとって好きな作品ではなかったが、その事実を理解できたことがこの読書の大きな収穫だったと思う。
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