移動と階級 の商品レビュー
‘移動’をテーマにジェンダーや地域格差、年収、気候変動など様々な観点からデータや歴史を元に分析された内容だった。
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気になって読んでみました。移動できることは当たり前ではない、と気付かされます。移動にも格差がある、と。勉強になります。新書は気になるトピックについてサクッと情報収集できるので好きです。
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移動は人だけでなく、モノ金情報が対象 ムーブメント(ただの物体の移動 モビリティ(移動をとりまく環境を含めた 移動不可能財 〇〇からの移動だけでなく、〇〇への移動の重要性 移動するものだけでなく、移動しないものの価値を論じる必要がある 気候難民 移動とは社会的であり政治的...
移動は人だけでなく、モノ金情報が対象 ムーブメント(ただの物体の移動 モビリティ(移動をとりまく環境を含めた 移動不可能財 〇〇からの移動だけでなく、〇〇への移動の重要性 移動するものだけでなく、移動しないものの価値を論じる必要がある 気候難民 移動とは社会的であり政治的 移動する人がすごいと考えられがちだが、移動しないことにも意味がある 人生は移動距離で決まるのか?という私が思ってた問いに対する答えとはちょっと違った 移動したから何か変わるというより、元々移動できる環境にあった人が移動でき、そうでない人が移動できないという移動の自由における格差を説明する本
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なんかよく分からなかった。 題名(着眼点)には興味が持てたのだが、ジェンダーに紐付けるのは、なんか粗雑な気がした。
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Civilization VIIにおいて革命家ナポレオンの全陸上ユニット移動力+1は最強である 移動格差はこれまでもなんとなく認識していたが、現在の能力だけでなく過去の経験や未来の意思を含めた移動資本という考え方は、いかにして移動の格差が再生産され階級が固定化されるかの説明とし...
Civilization VIIにおいて革命家ナポレオンの全陸上ユニット移動力+1は最強である 移動格差はこれまでもなんとなく認識していたが、現在の能力だけでなく過去の経験や未来の意思を含めた移動資本という考え方は、いかにして移動の格差が再生産され階級が固定化されるかの説明としてしっくりきた。 いかにしてこれを是正するか
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2025.06.30 移動格差が存在する。それが経済格差やジェンダーによるものである。分かってはいるものの、しっかりとデータを活用して証明しており、参考になった。今後、ますます格差は広がりそうだ。考えなくてはならない大きな問題だと思う。
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年収、ジェンダー、家族構成、職種、出身地といった条件から、個人の「移動自由度」が縛られてしまう現実を深く分析した一冊。 移動できない人・モノの存在があってこそ、移動のメリットを享受できる側面もあるので、「移動が成功をもたらす」という考え方は、特権的な思想だと思う。例えば、年中無...
年収、ジェンダー、家族構成、職種、出身地といった条件から、個人の「移動自由度」が縛られてしまう現実を深く分析した一冊。 移動できない人・モノの存在があってこそ、移動のメリットを享受できる側面もあるので、「移動が成功をもたらす」という考え方は、特権的な思想だと思う。例えば、年中無休の温泉旅館の女将さんがいるから、旅行に行くことが出来るし、年中無休の畜産業があるから、美味しい牛肉のステーキを楽しむことが出来る。 私自身は東京で快適な暮らしをしているが、この本を読みながら地方で働く人や実家のことを考えていた。 また、新型コロナのロックダウンといった移動制限政策に対してやむなく従いつつ「移動の自由はあらゆる自由の拠り所である」と疑問に思う感覚も大事なことである 移動の問題は複雑で難しく、簡単に「こうあるべきだ」という結論を導き出せないことを痛感した。
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飛行機で移動できるお金持ちの人の話かと思ったが、もっとローカルだったし、もっとグローバルな地球規模の話で、興味深かった。特に気候難民と呼ばれている、地球温暖化で移動を余儀なくされている人たちが、困っているという現状に思いをはせた。移動できる自由を尊重したいと思った。
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「移動」という誰もが無意識的にやっている行為について、都市や地方、性別・年齢・経済状況といった格差を踏まえて論じた内容。買い物など日常的な外出から、旅行や出張、移住に至るまでの移動に関するグラデーションについて、それぞれ巷で論じられるようなキーワードをもとにその実態を探っている。...
「移動」という誰もが無意識的にやっている行為について、都市や地方、性別・年齢・経済状況といった格差を踏まえて論じた内容。買い物など日常的な外出から、旅行や出張、移住に至るまでの移動に関するグラデーションについて、それぞれ巷で論じられるようなキーワードをもとにその実態を探っている。 『成功は移動距離に比例する』といった論は、定期的に話題となる。リモートワークやワーケーションといった働き方/ライフスタイルが増えている昨今において、ビジネス強者たる成功者が声高に叫ぶのは当然として、果たして因果関係はあるのだろうか?実際のところ、ビジネス的に成功している=移動資本が高いから、どこでも仕事ができるのではないか。 このような原因と結果の逆転現象を踏まえて、移動資本が低い人々にも焦点を当てていく。子育て中や介護の必要な高齢者、そこに同居して身の回りの世話をする必要がある(主に)女性、格差の下部に固定化され肉体労働を余儀なくされる人々、、社会では3割程度の1年間に他の都道府県に移動しない人が存在する。 この移動の格差に対して、モビリティ・ジャスティスと呼ばれる格差是正や公正さを求める動きについても紹介されているが、取組みは不十分どころか後退していると考えられる。とくに地方においては公共交通網の縮小・撤退によって移動の選択肢自体が狭まっており、移動の自由という基本的人権に則る当たり前が失われているのだ。
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どこかで漠然と「移動=成功、ポジティブ」という認識が社会の中で醸成されている。 先日読んだ著者の書いた別の本『移動する人はうまくいく』のように、移動はいろいろな出会いや発見、繋がりに至るという点でうまくいったからこそできる話であるともいえる。できる人はすればいいとは思うけれども、...
どこかで漠然と「移動=成功、ポジティブ」という認識が社会の中で醸成されている。 先日読んだ著者の書いた別の本『移動する人はうまくいく』のように、移動はいろいろな出会いや発見、繋がりに至るという点でうまくいったからこそできる話であるともいえる。できる人はすればいいとは思うけれども、本書の著者が言うように「移動が困難であったり、自分とは移動をめぐる状況が異なったりする人がこの世界にいることへの想像力を働かせること」によって、過剰な移動崇拝を解体させておく必要もあるともたしかに思う。"「移動はアントレプレナーシップを高める」というより、「移動は"高度人材"のアントレプレナーシップを高める」のである"の認識がたしかに現実に近いのかもしれない。 著者が何度も述べている「移動とは社会的で、政治的で、経済的なものである」という主張の中で、コロナ禍による移動制限・GoToトラベル施策・リモートワークができる地方移住、少子高齢化に伴うコンパクトシティ化・地方移住の動き、気候変動にエネルギーを活用した移動がもたらす影響、ジェンダーを考慮した移動格差、高齢者の免許返納など様々な事例が挙げられる。GoToトラベルでは、漠然と移動慣れしている人がうまく使っているのではと思ってはいたけれども、実際に利用率が高いのはもともと移動資本力の強い人、と書かれていてやはりそうなんだなと。観光業界の助けになる一方で、移動格差の拡大の面もあったということであるそう。 こうした社会課題に関して、移動と社会構造や制度の関係がどのように公正であるかを考える「モビリティ・ジャスティス」は、まさしく昔学んだ公共哲学のテーマであると思えた。以前読んだ『体験格差』と読んだ感覚が近い気がする。なぜ「移動する人は成功する」という文脈で語られる話が流行るのかということについては、移動によって成功していない人は語らないからというのもあるのだろうし、そもそも移動そのものができない何かしらの社会背景があるのだということを一冊の中で語っている。体験がなぜできるのかと重なる部分であると思う。
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