移動と階級 の商品レビュー
書名が「移動と階級」帯に人生は移動距離で決まるのか?とあり、移動を原因として人生の成功であったり、年収にどのような影響を及ぼすのか。ということを期待して購入してみた。結果、最悪でした。よくわからない調査結果を著者の偏見で共有しているだけの駄本でした。そりゃ、年収が低ければ移動もま...
書名が「移動と階級」帯に人生は移動距離で決まるのか?とあり、移動を原因として人生の成功であったり、年収にどのような影響を及ぼすのか。ということを期待して購入してみた。結果、最悪でした。よくわからない調査結果を著者の偏見で共有しているだけの駄本でした。そりゃ、年収が低ければ移動もままならないし、経験だって相対的にできないでしょう。で何?という新しい考察なんかまるでなし。 唯一は昔に比べて世の中全体的に移動していないということがわかったぐらいか。 ご購入はお勧めできないです。
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現代社会において存在する異動格差。その概念と向かうべき道筋について論じた一冊。このような格差も結局は経済格差の一つの表れなのではないかと感じた。
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もし社会学の役割が、社会に存在する不平等や格差を人々に問いかけ、課題として提示することにあるとすれば、本書はまさに「移動の社会学」を論じた一冊だと言えるでしょう。 移動と社会階層の関係について、以前から漠然と感じていたことや「言われてみれば確かに」と思うような事柄が、明確な言葉...
もし社会学の役割が、社会に存在する不平等や格差を人々に問いかけ、課題として提示することにあるとすれば、本書はまさに「移動の社会学」を論じた一冊だと言えるでしょう。 移動と社会階層の関係について、以前から漠然と感じていたことや「言われてみれば確かに」と思うような事柄が、明確な言葉で示されており、多くの気づきがありました。 仕事や旅行を通じて国内外さまざまな場所へ移動できる自分の境遇を、改めて大切にしたいと感じるとともに、「新書を読むのも、たまにはいいものだな」と思わせてくれる読書体験でした。
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自分は移動している方で、移動格差の上位まではいかないが、中の上級くらいにいると認識している。留学経験もあり、移動経験が人生を豊かにすると信じていたが、それだけではないとも経験した上で実感もある。自分の常識を肯定もするし、経済格差が移動格差を生んでいる現実に警鐘や気付きも与えてくれ...
自分は移動している方で、移動格差の上位まではいかないが、中の上級くらいにいると認識している。留学経験もあり、移動経験が人生を豊かにすると信じていたが、それだけではないとも経験した上で実感もある。自分の常識を肯定もするし、経済格差が移動格差を生んでいる現実に警鐘や気付きも与えてくれる本だった。
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モビリティスタディーズという領域から移動格差についてデータとともに整理している本。正直なところ、並べてられているデータについては、おそらく多くの人が仮説としてもっているものから特にかわりがないこで、読んでいて大きな気づきがあるかというと少ない。ただ、「〇〇からの移動」ではなく「〇...
モビリティスタディーズという領域から移動格差についてデータとともに整理している本。正直なところ、並べてられているデータについては、おそらく多くの人が仮説としてもっているものから特にかわりがないこで、読んでいて大きな気づきがあるかというと少ない。ただ、「〇〇からの移動」ではなく「〇〇への移動」という観点や特定の理想化された人への移動支援によるネガティブ影響などは、移動を考えていくうえでは重要な視点だと感じた。
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当然移動さえすれば良い、という訳ではない。移動の中で何を感じ、移動した先で何を感じ何をするかが重要であって、海外旅行に行っても買い物して豪華な食事をしてラグジュアリーなホテルに泊まって終わり、では何も生まないただの浪費で終わる。 かけた時間と金銭に見合う対価を得ようとする貪欲さ...
当然移動さえすれば良い、という訳ではない。移動の中で何を感じ、移動した先で何を感じ何をするかが重要であって、海外旅行に行っても買い物して豪華な食事をしてラグジュアリーなホテルに泊まって終わり、では何も生まないただの浪費で終わる。 かけた時間と金銭に見合う対価を得ようとする貪欲さがあれば、移動の多寡は二の次に過ぎないしそうあって欲しいと思う。 谷島屋書店本店にて購入。
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時折目にしていたこの題目と主張、本書はこの観点での議論の入口を紹介する内容となっている。大きく前半部分と後半部分での組み立てに少々分裂した感はあるものの、全体像の理解には問題ないだろう。 移動している人、移動できる人にはその逆側にいる人のこと、その気持ちはわからないというところが...
時折目にしていたこの題目と主張、本書はこの観点での議論の入口を紹介する内容となっている。大きく前半部分と後半部分での組み立てに少々分裂した感はあるものの、全体像の理解には問題ないだろう。 移動している人、移動できる人にはその逆側にいる人のこと、その気持ちはわからないというところが出発点になるだろうかと思える。そして、自分自身が頻繁に移動しているところにあって、このことを外部から直線的に指摘されたようなそんな感覚を持った。 移動と階級に因果関係があるのかも実際のところわからない。格差の問題の一端だとまとめてしまうこともできるだろう。インターネットの中で何もかもできた気分になる時代になっているからこそ、リアルを味わえることに価値があり、本物を享受できるかできないかという本音だろうか。
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移動格差の問題提起と解消法を考える本。 移動を困難とする、さまざまな立場の人がいることを知るきっかけになった。
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移動好きの私は、ともすれば移動は当然のものと考えてしまいがちだが、世の中には移動に困難を抱える人がたくさんいる。障がい者や経済困窮者だけでなく、高齢の人、世話すべき家族を持つ人など、そういった人は想像以上に多い。そして、好きなときに移動できる人と移動に困難を抱える人とのあいだでは...
移動好きの私は、ともすれば移動は当然のものと考えてしまいがちだが、世の中には移動に困難を抱える人がたくさんいる。障がい者や経済困窮者だけでなく、高齢の人、世話すべき家族を持つ人など、そういった人は想像以上に多い。そして、好きなときに移動できる人と移動に困難を抱える人とのあいだでは当然、機会の差が生まれてくる。本書は、そのような移動格差 (mobility gap) に焦点を当てる。まず、移動とはなにか思考を掘り進め整理したあと、移動格差について様々な側面から考察する。 私にとって未知の内容は少なかったものの、内容はよく整理されていた。移民がイノベーションを生みやすいという研究の紹介や、自動車が長らく男性の運転者を前提に設計されており安全性に性別での格差が生じているという話は、知らなかったので勉強になった。また研究者としては、引用がしっかりしており参考文献にあたりやすいのも好印象だった。筆者は昨年に博士課程を修了したばかりの方で、若くしてさっそく分野を一般にわかりやすく紹介する本を出版できていることに尊敬の念を抱いた。年収と性別でしかクロス統計しておらず「階級」という題をつけるのはやや過剰であると感じたのと、グラフの表現に一部改善の余地があることが少し気になったが、全体的にわかりやすい文体で幅広い読者に届けようとする姿勢が素晴らしいと思った。
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モビリティーズ・スタディーズというタームもそうだが、単なる人間の移動以外にも伝搬・輸送されるあらゆるものを「移動」に含めたときに捉える範囲が漠然としていないかと気になった。一方で、階級差についてはさもありなんという話が、体験格差などでも取り上げられる部分ともかぶるが、提言として政...
モビリティーズ・スタディーズというタームもそうだが、単なる人間の移動以外にも伝搬・輸送されるあらゆるものを「移動」に含めたときに捉える範囲が漠然としていないかと気になった。一方で、階級差についてはさもありなんという話が、体験格差などでも取り上げられる部分ともかぶるが、提言として政策などに結びつけていくべきとしているのだろうが、本著ならではの面白みはそれほどでもなかった。
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