熟柿 の商品レビュー
読んでて辛くなる。 全てが悪い方にいっちゃう人っていますよね。 それを見せられてる感じで、読了にかなり時間を要した。 でも最後に前向きに救われてよかった。 こういうのが好きな人には刺さりそう。
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めちゃめちゃ面白かった。ページをめくる間も惜しい,あの鳩げきの時の感覚が懐かしかった。先が気になりすぎて急いで読んだからもう一回最初から全部読んだ。どの要素も無駄じゃないというか繋がってて,かつ,こっちがテーマだと思ってたから全く頭から抜けてたけどその要素も入るの!?という終盤の衝撃。途中なんでこんな辛くなるのというのが,結末は違えてもらえて,かつ,そんなうまくいかないと思うけどという感想にも全くならない。熟柿はそっちだったんだという落ち。全てに脱帽。 極上の小説を読む幸せを味わわせてもらえる,本当に有り難い本でした。 『お登勢』を図書館で借りようと思ったら貸し出し中だった。熟柿を読んだ人かな。
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どんよりと、じめっとした温度感で進んでいくのに、ラストの急展開まで、中弛みせずに良いテンポ感で読むことができた。主人公の徐々に変わっていく様と、「母親」としての20年間を見守った読者として、妙な納得感と少しの安堵の感覚で読み終わる。
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初読み作家さん。 主人公の女性の救いのないお話が続くが、引き込まれで読み進められる。 時系列で無駄のない内容で非常に読み易かった。 さまざまな人間関係や出来事で心折れそうになりながら信念をもって生きていく姿が印象的だった。 最後は必ず救ってくれ神様はいると思わせてくれるとこ...
初読み作家さん。 主人公の女性の救いのないお話が続くが、引き込まれで読み進められる。 時系列で無駄のない内容で非常に読み易かった。 さまざまな人間関係や出来事で心折れそうになりながら信念をもって生きていく姿が印象的だった。 最後は必ず救ってくれ神様はいると思わせてくれるところがよかった。 咲ちゃん親子のおかげ・・もあるのだが個人的にはあまり好きでないタイプだった。 土居さんの存在が読後感を良いものにしてくれた。個人的に土居さんの優勝としたい。
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帯に惹かれて購入、「人生を踏み出した女性の静かな決意」 本文が帯に書いてあるように静かな文章でした。ただ主人公に感情移入するあまり、夫が卑怯者すぎてずっとイライラした。 「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと。」 最後色々と好転し始めてよかった。
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佐藤正午『熟柿』読了。やっぱり佐藤正午好きだ。警察官の妻でありながらひき逃げをしてしまった主人公の、その後の人生を丁寧に描く。決して派手じゃない展開でも惹きつけるのが上手い。読後に良い本読んだな、と思えるのは嬉しいな。
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刑としては償えても自分からは消せないものを、どう背負って生きていくか。言えていないことのある後ろめたさ、心が押しつぶされそうな恐怖…。もしかしたら誰でも起こり得るシチュエーションで、自分ならどうするだろう、思っている以上に勇気が出ないかも等、終始考えながら読んだ。過去を告白する「...
刑としては償えても自分からは消せないものを、どう背負って生きていくか。言えていないことのある後ろめたさ、心が押しつぶされそうな恐怖…。もしかしたら誰でも起こり得るシチュエーションで、自分ならどうするだろう、思っている以上に勇気が出ないかも等、終始考えながら読んだ。過去を告白する「熟柿」が主人公にやってきた時、あの人もあの人も、その痛みの想像がつく人であると思うので、みんなに幸せになってほしいな〜。
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カバーデザインが印象的で、書店さんでもずっと目立っていた。 文章にも不思議な魅力があり、物語性というより情緒的なところで読ませる作品。 全く共感できないのに、読了後に余韻が残る、不思議な体験をしている。 特に元夫の心情−息子に夫婦としてやり直すつもりがあったと説明したあたり−が、はてなマークで私にはお手上げ。 月の満ち欠けの時も思ったけど、ラストで希望を残すような現実離れした結末は、やっぱりロマンチストの著者さんなんだな、とそこだけは相容れない。
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主人公の名前など、ところどころで出てくる【柿】で、熟柿というタイトルについて考えさせられるようになっているのがおもしろかった。途中しおりが柿色なことに気づいてぞっとした。
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大雨の夜のたった一つの過ちから石が坂を転げ落ちるように悪い方悪い方へと運命が弄ばれてしまう。人間の人生って長いはずなのにこの主人公の半生は振り返ると辛いことが多すぎる。腹を痛めて産んだ子どもにも会わせてもらえず。 元夫の当時の卑怯さがわかる事が遅すぎた。 数少ないけれど良い人に導かれたことは良かった。それにこれからのことも良い展開をみられるのではないかと想像できる事はちょっと安心できる。 主人公のかおりは待つだけで(熟した柿が落ちるのを)よかったのか?もっと自分から運命を変えようとしなかったのか? 暗く歯痒い切なさが心に残る。
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