禁忌の子 の商品レビュー
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今年1番面白かった! 気になるなーこの本と思いながら購入を躊躇っていたらあっという間にネットで完売の文字。 地元の本屋も完売で慌てて丸善に買いに行った。 面白くて一気に読んでしまった。 話の展開も良く、こーゆーのとかな?と予想する度に裏切られて、息つく暇なしという感じだった。そして本当に倫理を問う本だ。 不妊治療に限った話しだけではなく、子供が欲しいという強い気持ちは素晴らしいけど、産んだ先、その子の成長に伴う教育などきちんと育て上げられるのかも考えて産んで欲しいと思った。 たまにあるお金ないのに、次々に子供を産んで、碌な教育を受けさせない環境とかを知ると、それはどうなのだろうか、子供に人権はないのか、ただ欲しいというだけでいいのかと思ってしまうのは私に子供がいないせいだろう。 話はズレたが、蒼平先生の「産まれてくる子供たちの権利を、人権を、あまりにも蔑ろにしてきたのではないか」という一文は感慨深い。 京子先生も信念があり、救いたくて誰かを傷つけたくて行ってきたわけじゃないのに、こんな形で自分に返ってくるとは想像もしてなかっただろう。 そー思うと切ない。 仕方ないかもだけど、本作での1番の悪は中川家の両親だな。 でも自分が同じ立場になったら、その子を同じように愛せるのかと思うとちょっと自信はないな。 これから産まれてくる子供がどうか幸せでありますようにと思った。 タイトルの意味がわかると、本当にすごっとなり納得だった。 武田先生の真っすぐさ、素直さが物語に深みを与えており、それに反比例する城崎先生のクールさが絶妙だった。 シリーズ化してほしいなぁ。
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話題の本、読みたいなと思いつつ、どこも初版は売り切れで、偶然に出掛けた先で発見して購入。 まさか、まさかの展開に後半ノンストップで睡眠時間も使い読み切り。先が知りたいと思いつつも、正直内容きつかった.... 想像を超えるスピード展開に⭐︎5つですが、途中苦手な描写があり⭐︎4つ。 タイトル通り禁忌の子。禁忌とそういうことかなと想像はしていたけど、最後の子供の存在が...。倫理とは幸せとは?今後、まさかこんなことないだろう...とも思えない世の中を感じつつ、作中に生まれてくる子が、幸せでありますように。
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えぇー! 何かすごい物語に出会ってしまったけど…デビュー作なの?信じられない。 「禁忌の子」ってそういう意味とそういう意味かぁ。うわぁ、そうですか。 救急医・武田の元に搬送されてきた溺死体は自分と瓜二つ。そんな馬鹿な。双子の兄弟がいるなんて聞いたことがない。両親に確認したくてもすでに他界。 同じ病院内に勤務する、中学時代の同級生でもあった城崎に相談し、謎の解明に乗り出す。 自身の母子手帳を検めると、かつて母親は不妊治療専門医院に通院していた。その病院長を尋ね、「準備をする、あなたには知る権利がある」と伝えられて出直すことに。 約束の日に再訪すると、なぜか病院長は密室で命を絶っていて…これは誰の手によるものなのか。 冒頭からグッと物語に引き込まれて、ページを捲る手が止まらない…結果、肩こり半端ない! いやでも展開が上手いのか、キャラクターの描き方が上手いのか。夢中になって読んでしまった。 ちょいちょい武田夫妻の様子が「ここまで描く必要は何だ?」と不思議に思っていたら…そんなオチ!いやー ちょっと不妊治療も通っていたから、このテーマは難しいけど大事な話だよなぁ。子どもを望むのは親、でもその遺伝子やルーツを知らずに生まれてきた子どもの気持ちなんて、分かる由もない。 子を望む夫婦のために医療技術を進めてきた京子先生の情熱も、たくさんのひとに希望を与えた一方であんな悲劇を生むなんて…くぅ。やるせない。 クライマックスは手に汗握ってどう落とし前つけるんだろうと思ったけど、私は納得の結末でよかった。
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話の中盤から気持ち悪いほどの"怒り"しかなくて、このまま読み終わるのかな?って思ってたら、終盤で心が軽くなった。 まさしくタイトル通りの話なんだけど、その奥にある家族とはなにか?を考えていくと、もう主人公夫妻に「幸あれ!」って叫びたくなる一冊。
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Xで話題の現役医師による医療ミステリーでデビュー作。 謎解きはもちろん、倫理的な部分でのメッセージ性もあって読み応えあり! 大事な設定になる専門用語もわかりやすい。 終盤、もうひと展開欲しいなと思ってたところで、新たな事実も分かり最後まで楽しめました!
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SNSでぶわーっと話題になり ミーハーなので手に取り読み進める。 デビュー作だと言うことを忘れるくらい読みやすい。 読み終わりタイトルを見返してなるほどなぁと。
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話の展開がスムーズすぎるところがあって、するすると読めた。ただ読み終わってみると、それが逆に物足りない気もするけど、最近読んだミステリでは面白かったほうに入るかと。 主人公は城崎さんの方なのか。シリーズになるのね。
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頻繁に見かけるので手に取った一冊。 自分と瓜二つの死体、キュウキュウ12の謎。 密室あり謎解きありで正統派の推理ものでもありつつ、うーんそうきたか!そういう結末?!と唸るものがありました。 城崎のキャラで続編もありそうだけどどう繋ぐんだろ?
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えええ、これがデビュー作なのおおおお!!と、そのクオリティに舌を巻いた。 第34回鮎川哲也賞受賞作。 帯でも選考委員の先生方が絶賛しているし、収録されていた選評も興味深く読んだ。 しかし、何より本編。 「顔が瓜二つ」という現象は、医学素人にもその原理は想像がつくものの、むしろ...
えええ、これがデビュー作なのおおおお!!と、そのクオリティに舌を巻いた。 第34回鮎川哲也賞受賞作。 帯でも選考委員の先生方が絶賛しているし、収録されていた選評も興味深く読んだ。 しかし、何より本編。 「顔が瓜二つ」という現象は、医学素人にもその原理は想像がつくものの、むしろそのあとの展開こそが大切というか。『禁忌の子』ってそういう意味だったのね。 謎で畳み掛けてくるストーリーに、著者の職業に裏打ちされた医療用語や医療現場のリアリティが光る。 つい最近、朝井リョウの『生殖記』を読んだこともあり、図らずも生殖医療について思いを馳せたりした。 結末については「うーん……」とすっきりしないところもあるものの、さすが鮎哲賞というような面白いミステリが読めて楽しかった。来年の続編も早々に決まっているそうで、楽しみにしています。
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感情を揺さぶられて、途中も、最後も泣いてしまった…なのに純然たる本格ミステリー。この読後感をなんと表現したらいいんだろう…話題になるのも納得。めちゃくちゃ面白かった。
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