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生殖記 の商品レビュー

3.9

985件のお客様レビュー

  1. 5つ

    281

  2. 4つ

    336

  3. 3つ

    236

  4. 2つ

    57

  5. 1つ

    14

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2024/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちんこの話です。簡単に言うと。正確には男のちんこが意思を持って、そのちんこ目線での現代への意見を言ってくって感じですね。真面目に言ってんるでちんこちんこ言ってるのに不快に思わないでくださいね。ちんこ。 共感するところが多いです。ほんとに。 最近言いがちな、「多様性の時代だよ」みたいな言葉が嫌いな人とか、面白いんじゃないかと思います。 朝井リョウってなんかほんとに色々観察してきた人なんだなあって思いましたねー。そんなところも共感できます。あとちんこ視点にすることで他の人からなら受け流すかうぜーなって思うことも、妙に説得力あるってところもいいですね。しかも朝井リョウ独特のユーモアも入れれるってところもよくできてるなって。 個人的にはめちゃくちゃ好きな話でした。 読んでみて!

Posted byブクログ

2024/10/20

まさか、○○目線で語られる作品とは!面白かった。 語り口はライトだけれども、赤裸々に語られる○○からみた人、社会、仕事、などの現代人の抱えるモヤモヤした感情が言語化されて、わたしは「しっくり」きた。 朝井リョウさんって、すごいな。

Posted byブクログ

2024/10/19

語り手の設定に驚きましたが、「正欲」を読んだ時と同じような感覚になりました。登場人物も誰がどんな人なのかあまり理解できず、朝井リョウさんの世界は合う合わないがあるんだろうな〜。

Posted byブクログ

2024/10/19

本作のハイライトは、主人公と同じく同性愛者の友人が主人公と話す後半のシーン。聴いてたpodcastで「後半3/4くらいから一気に面白みが増した」と言ってたが恐らくココ。幼い頃から社会という共同体における成長や拡大に対しとっくに諦念していた主人公に対し、同性愛者の友人も性的志向の観...

本作のハイライトは、主人公と同じく同性愛者の友人が主人公と話す後半のシーン。聴いてたpodcastで「後半3/4くらいから一気に面白みが増した」と言ってたが恐らくココ。幼い頃から社会という共同体における成長や拡大に対しとっくに諦念していた主人公に対し、同性愛者の友人も性的志向の観点では主人公と同じ境遇だったにも関わらず、彼の行動言動は社会を変えていこうという真逆のベクトル。 捉え方間違ってるかもしれんけど、ココは素直にポジティブに映った。『正欲』のホワイト版というか、あの作品で最終何も解決しなかった彼らの諦念に対し、颯という友人が放った言葉がアンサーになってるように受け取った。 否定形の意思表示って、誰にも見えないんですよ。どんどん外界を遮断して、自分から独りに逃げ込んで、いろんなことを”してやらない”って決めて、それで世界を否定した気になっても、周りから見ればそれって、ただそこにいる人なんです。 『正欲』続編という触れ込みに過度に期待し過ぎて終わり方はあまり好きではなかったのでふが、設定のぶっ飛び具合含め、やはり朝井さんが「今、コレを書きたいのだ」という意思が全面に感じられて、唯一無二な同世代の表現者だなぁと改めて誇らしく思った。

Posted byブクログ

2024/10/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語の語り手は、朝井リョウさんのラジオを聴いているかのような軽快さはあるけど、内容は自分の有耶無耶のままにあった感情がしっかりと言語化されていた。 話はちょっとずれるが、最近色々なSNSをみているとクイズを出している人を見かける。 純粋なクイズではなく、「頭のいい人なら解ける」とか「これは誰が正解でしょう」とか。 文章問題だったり、盗撮したような画像が載せられていたり。 それに対しての答えは「◯◯でしょ」とそのまま答えている人もいれば、「こういう盗撮しない人が正解」とか、その人に賛同するかのように群がる人たち。 こういう投稿を見るたびに人は神のように注目されて崇拝されたいのか、それをそのまま収益に繋がり、崇められたいのだろうか。 何故SNSまで誰かに認められたり、認めたりが必要なのか。それが行き過ぎるとすごく上から目線の投稿する人いますよね。。。 などを考えてきたのをこの小説では、うまく盛り込まれていたので読んでいて爽快でした。 とても面白かったデス。

Posted byブクログ

2024/10/19
  • ネタバレ

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小説というより評論とか解説書に近い感じがした。前作がかなり劇的だったので構えていたけど、読んでる間はへーなるほどみたいなテンションだった。 語り手が語り手なだけに、ディープな性の表現があるかと思ったが、あくまで生物としての生殖の面にフォーカスしていた。性欲ないの?と思ってしまった(笑) けど、主人公の思考の根とか、人格形成の過程とか、誰かの実体験...?と感じるくらいリアリティがあった。前作も感じたけどこの辺の文章力がすごいなぁ。 生殖をテーマにしながら途中いろんなものに噛みついていて面白かった。今回の語り手は本作の世界をメタるのと同時に、そういう文句を代弁する役として適任だった。コレに適任とかあるのか知らんけど...

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2024/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現代日本のマイノリティの在り方を考えさせられる物語でした。 主人公がオスの同性愛個体の生殖器在住の生殖本能という発想がぶっ飛んでます。 主人公が棲みついている「尚成」の思考や言動が笑えるのと、主人公の思考が深すぎて考えさせられることのギャップが面白いです。 一つだけ納得できないのは女性でも性交で主導できる体位があるでしょと言いたい。

Posted byブクログ

2024/10/19

最近漠然と死にたくなった。 客観的な評価であれば仕事もできてるらしい、稼ぎも平均より結構いい、容姿もいいと言われ彼女もいる、友人もいて特に困っていることはない。 違和感を感じたのは「人に評価されたい」と言う気持ちが消えたとき。頑張る意味がわからなくなった。異動した後だったから評...

最近漠然と死にたくなった。 客観的な評価であれば仕事もできてるらしい、稼ぎも平均より結構いい、容姿もいいと言われ彼女もいる、友人もいて特に困っていることはない。 違和感を感じたのは「人に評価されたい」と言う気持ちが消えたとき。頑張る意味がわからなくなった。異動した後だったから評価されにくくてかなと思って勉強してみた。仕事も回るようになった。憧れの部署にきた。変わらなかった。 プライベートで目指す人物像がなくなった。いろんな本を読んでいるうちに、かつて「こんな人になりたい」の人物像に既にすごく近いところにいると気づけた。 ふと1番仲良い友人と連絡が取れなくなった。家族曰く命に別状はないらしいが、今は連絡が取れないと。 欲しいものがないのに、大切なものは今後どんどん失うの?なら先細りでは?と思うようになった こんなことを考えているうちに今死んだら綺麗かなって。死ぬほどの理由はない。死ぬ夢を見て死ぬのは怖いと思った、だから多分死ねない。ふと死にたくなる人っているのかなと思って色々読んでいるときに、この本を読んだ。 生産性を手放そうとしたとき人は動けなくなる、「動く理由がなくなる」。共感しかなかった。 自殺ワードが出てきたとき、やっぱりこういう思考の先には死があって自然なんだと思った。 とり急ぎこの思考が続いたら死んでもおかしくないものってことには気づけた。脱線だけどAGA薬の効果もあり?ホルモンバランスで鬱寄りなのもありそう、筋トレと睡眠気をつけてみよう。思考時間を減らすために予定を入れよう。目先の対策はバッチリ。 尚成はマットに手を添えて権威の崩壊を見守ることを生き甲斐にしたけど、自分は何に「しっくり」しよう。「次」を見つけ続けた後に大義があるから尚成は幸せそうだけど、今それが見つからない。 「急がないでいいよ、生き延びて」そんな言葉に最近救われたけど、そうしているうちに見つかるかな、擦り切れるのが先かな。

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2024/10/19

朝井さんの本は相変わらず読者を生かしも殺しもする。まず、この本の特徴は語り手が同性愛者の男性器であるということだ。今までに見たことのない視点、言うならば超俯瞰で物事を投げかけてくる。ヒトならではの共同体感覚、拡大成長発展に属さない者を排斥する空気感。全てが歪であることを改めて実感...

朝井さんの本は相変わらず読者を生かしも殺しもする。まず、この本の特徴は語り手が同性愛者の男性器であるということだ。今までに見たことのない視点、言うならば超俯瞰で物事を投げかけてくる。ヒトならではの共同体感覚、拡大成長発展に属さない者を排斥する空気感。全てが歪であることを改めて実感させられた。尚成は学生、社会人時代共に共同体から拒絶されないように生きてきた。それは「手は添えて、だけど力は込めず」が表すようにいかにして溶け込むか。そこに個体としての意思は介在しなかった。物語を通していくにつれ、マイノリティなりの戦い方が確立されていくのが非常に面白く、ヤケクソではない世界の見方が最後に言語化されていてスッキリした。尚成に賛同するもしないも、きっとヒトならではの思想であり、共同体による圧力のもと生み出されているのだと思う。

Posted byブクログ

2024/10/18

「何者」「何様」「正欲」の後にこの作品を読んだら、なんだか今までと全然違う表現の仕方に戸惑ったかもしれないけれど、 「風と共にゆとりぬ」を間に読んでいた私にとっては、話し手の視点には驚いたものの、なんだか馴染みのある口調でスッと読み進めることができた。 この作品は、ギリギリまで...

「何者」「何様」「正欲」の後にこの作品を読んだら、なんだか今までと全然違う表現の仕方に戸惑ったかもしれないけれど、 「風と共にゆとりぬ」を間に読んでいた私にとっては、話し手の視点には驚いたものの、なんだか馴染みのある口調でスッと読み進めることができた。 この作品は、ギリギリまで「もしかして?」と期待させつつも一筋縄な結末には落ち着かせないところが、朝井リョウさんらしいし、より「人間」を感じさせられる気がします。

Posted byブクログ