籠の中のふたり の商品レビュー
薬丸岳、やっぱり良かった^_^これぞミステリーでした。ミステリーとわかっていながら、人、仲間の繋がりの大切さを痛感できた^_^
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※このレビューにはネタバレを含みます
薬丸岳さんの作品本当に好きでよく読みますが今回は一味違った印象。 ヒューマンドラマのような要素もありつつミステリーとしても楽しめる。内容もライトな感じ。 序盤主人公も亮介もあまり好きになれなかったが後半には、どちらももう籠から出してあげたい!みんなと一緒に歌いたい!という気持ちに。 人間関係も複雑ではなく、推測しながら徐々にピースがハマっていく感じがテンポ良く、ラストは一気読み。
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母親の自殺は自分のせいだったのではないか? 小学校の時に母を自殺で亡くした主人公の村瀬快彦は、人と深く接することができなくなった。 母を亡くして20年、弁護士になった快彦は疎遠だった従兄弟の蓮見亮介からある日突然、仮釈放のための身元引受人になってほしいという依頼がくる。...
母親の自殺は自分のせいだったのではないか? 小学校の時に母を自殺で亡くした主人公の村瀬快彦は、人と深く接することができなくなった。 母を亡くして20年、弁護士になった快彦は疎遠だった従兄弟の蓮見亮介からある日突然、仮釈放のための身元引受人になってほしいという依頼がくる。 彼はどうやら傷害致死事件を起こし、服役中だったらしい。 20年ほど疎遠だった従兄弟がなぜ身元引受人の依頼を? 何か思うところがある快彦は亮介の身元引受人となり、新な共同生活が始まる。 というお話。 章立てはされていないのですが、何篇かのミステリーが自然と描かれている作品。 主人公のキャラクターが個人的にははじめがしんどくて、読みづらいなぁと思っていましたが、主人公が徐々に周りに心を開いていったところから私のエンジンがかかりだし、200ページをこえたあたりからは一気読みでした。 主人公が徐々に周りに打ち解けていく過程が心地よく、薬丸岳先生らしい考えても自分なりの答えを出すのが難しいテーマがあるなと思いつつも、なんというか薬丸岳先生の作品にしては爽やかなという感じの印象です(あくまで、私が過去に読んだ作者の作風と比較してですが) タイトルからどこが籠の中のふたり?という風に思いましたが、読後は確かに籠の中のふたりというタイトルにピッタリだなと思いました。 正確にはいつの間にか、籠の中に迷い込んだふたり?と言ったほうが良いかもですが。 ミステリーとしては、謎解きという部分ではそこまで凝ったということもなく、読んでいて、察しがつけば察し通りにおさまるんじゃないか?と思うのですが、結末や亮介の人となりを知ったとき、亮介の起こした傷害致死事件は赦されても良いのではないか?と思うかもしれません。 犯罪者で傷害致死とはいえ人を殺害している亮介をです。 これこそ、本作の隠されたテーマなのではないか? と思いながら、私の感想レビューを終えたいと思います。
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よかった。 母親の自殺が原因で人と深く関われない快彦が、仮出所した従兄弟の亮介の身元引受人になることでだんだんと変わっていく。 深い話だった。
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最初はただの男の友情物語なのかなと思って読んでいた。久しぶりに再会した服役していた小学生の同級生と弁護士になった男。 性格の違う二人がなんだかんだと友情を深めていくだけの話かと思いきや、後半になるにつれて話が主人公の出生の秘密とかに迫っていき、謎が謎を読んでページを捲る手はノンス...
最初はただの男の友情物語なのかなと思って読んでいた。久しぶりに再会した服役していた小学生の同級生と弁護士になった男。 性格の違う二人がなんだかんだと友情を深めていくだけの話かと思いきや、後半になるにつれて話が主人公の出生の秘密とかに迫っていき、謎が謎を読んでページを捲る手はノンストップに! ただの友情物語では無いとこが面白かった。
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語り手の主人公が中二病的で内向型なせいで、物語の導入部で村瀬快彦に感情移入できず「面倒な男」程度にしか読めなかった。 たしかに物語自体が微妙に村瀬と従兄弟の亮介の生立ちに関わり、誰もが口を閉ざし暗中模索のなかで悶々とするのは分からないではないが、村瀬も弁護士ならもう少し大人でも良...
語り手の主人公が中二病的で内向型なせいで、物語の導入部で村瀬快彦に感情移入できず「面倒な男」程度にしか読めなかった。 たしかに物語自体が微妙に村瀬と従兄弟の亮介の生立ちに関わり、誰もが口を閉ざし暗中模索のなかで悶々とするのは分からないではないが、村瀬も弁護士ならもう少し大人でも良かったのではないか。 それでも従兄弟同士でお互いの首木を外しあい、新たに他者との繋がりへの結末は好ましく感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
正義ってなんなのだろうということをよく考えます。 人を殺してはいけない。それはたとえどんな大悪人であったとしてもどんな事情があったとしても絶対に揺らがない。 日本社会はそういう大前提があると思います。(世界では多分違う国もあると思いますが)でも本当にそうなんだろうか、とこの小説を読むとその倫理を大きく揺さぶられます。 その人間が生きていることによってたくさんの人の人生が狂わされ不幸のどん底に落とされ、反省することも更生することもなくどんどんその人間が生きれば生きるほど不幸な人が増え続けていく。 そんな悪魔のような人間は実際にいるだろうと思います。そういう人間であっても殺してはいけないのか。そういう人間であっても殺した人間のほうが裁かれることは法律で決まっているから免赦されないのか。 本書にででくる亮介ほど人望があり、正しく生きている人間はいないのではないかと思えてならない。より正義の人間だからこそ自分を許せないだけでなく罰し続けなければならないと考え続けてしまう。快彦は小説の設定上、法を司る職業でなければならなかったでしょうね。 ここに出てくる快彦の友人関係がとても素敵でした。亮介という人の魅力もとても描き方が上手だなとも。 著者の薬丸さんは、正義を問うこともさることながら最後の方にある人に「母親の影響」のために人格が歪んでしまったのではないかという話をさせていますが、ここも本当に訴えたかったことの一つなのではないかと感じました。 親子関係の重要さ。家族関係の健全さ。 著者の「本当に書きたかった物語を書けた」というコメントを見ました。 「籠の中のふたり」たしかにこのタイトルしかありえないと思いました。 快彦と亮介、その家族や友人知人との思い合いの輪が読了後とてもいとしく感じられました。 本書はブクログさんのプレゼント企画でいただきました。薬丸さんの著作は全て読んでいます。 大好きな作家さんの著作をこのような形で手に取ることができてブクログさんに大感謝です。
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薬丸岳さんの作品はいつも、とても苦しくなりながら読んでいる感じなのだけれど、本作はほんの少し、苦しさ度合いが低かったかも。悪者以外の登場人物がみんな良い人だからかな。 一気に読ませるのはさすがだと思いました。 次回はどんな設定で書かれるのか楽しみです。
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父を亡くし恋人にも振られ一人になった弁護士の村瀬快彦は、20年以上疎遠だった従兄弟・蓮見亮介が傷害致死罪で服役していた事を知る。身寄りのない彼の身元引受人となり二人で暮らし始めたが…。子供の頃に母を亡くしてから人と関わる事を極力避けてきた快彦が、明るい亮介に影響されて変わっていく...
父を亡くし恋人にも振られ一人になった弁護士の村瀬快彦は、20年以上疎遠だった従兄弟・蓮見亮介が傷害致死罪で服役していた事を知る。身寄りのない彼の身元引受人となり二人で暮らし始めたが…。子供の頃に母を亡くしてから人と関わる事を極力避けてきた快彦が、明るい亮介に影響されて変わっていく様に温かみを感じていたのに、亮介の起こした事件にまさかの真実がかくされていたなんて…。フィクションだというのに遣り場のない憤りを覚えた。1つの執着が何人もの人生を歪めてしまう。なかなかに重い物語だった。
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重いものを抱えた従兄弟同士の村瀬快彦と蓮見亮介。 過去に何があって二人は籠の中に閉じこもってしまったのか。 少しづつ明かされる彼らの過去が悲しく、それでもお互いを助け合って抜け出そうとする姿に応援したくなる。
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