籠の中のふたり の商品レビュー
主人公の快彦は弁護士だが、母が自殺して以来、周囲との深い関わりを避けて生きてきた。 そんな中、傷害致死事件を起こして仮釈放になった従兄弟の亮介の身元引受人となり、一緒に暮らし始めることで、これまでの生活が少しずつ変わっていく。 最初は亮介の存在を疎ましく思っていた快彦が、亮介と心...
主人公の快彦は弁護士だが、母が自殺して以来、周囲との深い関わりを避けて生きてきた。 そんな中、傷害致死事件を起こして仮釈放になった従兄弟の亮介の身元引受人となり、一緒に暮らし始めることで、これまでの生活が少しずつ変わっていく。 最初は亮介の存在を疎ましく思っていた快彦が、亮介と心を通わせていく様子が好ましく思えた。 ラストは思ってもいなかった事実が明かされるが、周囲の温かさと2人の絆の強さに救われる。
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うーん。 相手が落とした飲み屋の「マッチ」で居所を見つけたり、家から女性が出てくるのをみて「もう他の相手をみつけたのね!」といきなりぷんぷんしたり、昭和感というか設定展開が古過ぎる…。 30も過ぎた快彦が父親の実の子じゃないと知った時「傷ついた」のがよくわからない…。驚くとは思うけど。そんな感じで最初から快彦が幼稚で感情移入できない。 亮介は、理由があるとはいえ憎しみのあまり人を殴る性格(倫理観)の持ち主で、それがどうしてみんなに好かれるのかもうまく描かれている気がしない。 口調や素行がぞんざいでも「本当は優しい人」、これも昭和の遺物だと思う…。 もともと人物を個々に描き切るのは得意ではない作家さんという印象だったけど、2022年〜になってもこれでは…。 「犯罪者」のその後は最初からテーマにし続けているほどこだわりがあるんだろうけれど、時代や著者の年齢(成長)で変化していなくては。 率直な感想として、リアルに現実(とりわけ昭和〜平成よりも、加速度を増している現代)を理解していない、ついていけてないのかな、と感じた。
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弁護士をしている快彦(32)は父をなくし、じつは幼いころ母も突然自殺していて、心を閉ざしがち。結婚を考えていた恋人の織江にも心が通わないと別れを告げられた。そんな時、傷害致死で服役していた同じ年の従兄弟が出所するので身元引受人になってほしいという話が舞い込む。すべてを閉ざして生き...
弁護士をしている快彦(32)は父をなくし、じつは幼いころ母も突然自殺していて、心を閉ざしがち。結婚を考えていた恋人の織江にも心が通わないと別れを告げられた。そんな時、傷害致死で服役していた同じ年の従兄弟が出所するので身元引受人になってほしいという話が舞い込む。すべてを閉ざして生きている快彦は断りたいのだが、なし崩し的に従兄弟の亮介を自宅に同居させることになる。 なぜ人好きのするお人よしの亮介は殺人をおかしたのか。自分に引受人をたのんだのはなぜなのか、母は本当に自殺したのか、だとしたら理由は何だったのか。 少しずつ読んでいると先が分かるように誘導され、気持ちよくエンディングまで流れました。最初は内向きな快彦にイラっとする感じですが、亮介に引っ張られて明るくなっていくのも読みやすかったです。 殺人自殺などに、男女間のお話もあるので中学生から。
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2024年初版。あるキッカケで、他人に心を開かない距離を置くようになってしまった主人公。そんな男が20年以上親交のない従兄弟と繋がりができる。二人が互いに刺激を受けて、変わって行く物語です。ストーリーが、よく練られていて意外な展開に引き込まれます。固く閉ざされた主人公が、どうなる...
2024年初版。あるキッカケで、他人に心を開かない距離を置くようになってしまった主人公。そんな男が20年以上親交のない従兄弟と繋がりができる。二人が互いに刺激を受けて、変わって行く物語です。ストーリーが、よく練られていて意外な展開に引き込まれます。固く閉ざされた主人公が、どうなるのか興味津々で読み進みます。とても面白い。私は好きですねえ、こんな本。
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傷害致死罪で刑期を終えて出所した亮介の身元引受人になった(亮介の希望で)弁護士の快彦。 とにかく謎が多くてその謎を知るために2日で読了。 なぜ快彦の母親(知世)は21年前に自殺したのか、 なぜ亮介の父親の昌弘はその5ヶ月後に妻と子(亮介)を捨てて失踪したのか、 なぜ亮介はまわりの人たちからの人望も厚い好人物なのに初対面の石倉祥次を殴って殺したのか(実際は殴って倒れたところの打ちどころが悪くて死んだ) 読んでいくうちに快彦の大学教授の父親は養父でほんとの父親は失踪した亮介の父親の昌弘なんじゃないかと思ってたよ。 でも、妹の快彦の母親とは兄妹だし、近親相姦なのか? と疑問だったけど最後まで読んで納得。 それにしても石倉祥次はひどい悪党。こんな悪党とつきあってしまった知世の人生は転落の一途を…。 この本筋以外にも同級生の仲間(初恋の清美)の離婚問題や 愛犬ロウのやんちゃぶりなど盛りたくさん。 あの手紙はやっぱり本人の亮介が書いたものだったんだね。 どんだけ自分を罰する気なんだろう。 籠の中からふたりともお互いの存在があってこそ出られて良かった。 心の壁がなくなって(亮介のお陰で)織江とよりを戻したように、亮介も府中時代の結婚まで考えた彼女とよりを戻してほしい。 でも、清美の線もありかも…。 とにかくふたりには幸せになってほしいとそう願わずにはいられない。 同級生がやってるショットバーがあるっていいね。
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優しい人間ドラマとミステリーとの塩梅がめちゃくちゃいい作品。初読みの作家さんでしたが、他の作品も読んでみようと思う。
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従兄弟同士。隠された出生の秘密や過去。どうしようもなく苦しく逃れられない痛みを抱えて生きていく二人の心の機微が描かれている。周囲の友人たちの温かさが救いで絶望に至らないのが良かった。
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薬丸岳さん作品はこれが初読なんだけど、一気読みする程面白かったなー! 前半快彦と亮介の出会いから、亮介によってだんだん快彦の心が解きほぐされていく→からの、後半怒涛の謎の解き明かしで、全く飽きずに読めた。
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もっと人を信じること、そして、自分自身と向き合うことができる小説。 孤独な弁護士が傷害致死事件を起こした従兄弟の身元引受人となり、二人で暮らしていく。その中でなぜ傷害致死事件を起こしたのか・・・ その衝撃の秘密を知ること。 胸が締め付けられる衝撃的な後半で出来事が圧巻でした。...
もっと人を信じること、そして、自分自身と向き合うことができる小説。 孤独な弁護士が傷害致死事件を起こした従兄弟の身元引受人となり、二人で暮らしていく。その中でなぜ傷害致死事件を起こしたのか・・・ その衝撃の秘密を知ること。 胸が締め付けられる衝撃的な後半で出来事が圧巻でした。 人と関わることでの衝撃から逃げてしまいたくなる恐怖やそっとして欲しいと思ってしまう気持ちが共感しました。 その中で、快彦の成長する姿などは心に刺さりました。 人って何かをきっかけに成長できるのなど実感できます。 物語も後半に向けてヒートアップしてページを捲る手が止まりませんでした。 ぜひ映像化してほしい作品です。
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母親を自殺で亡くした弁護士の快彦は、それ以来他人と深く関わるのを避けていた。唯一の家族である父も亡くし恋人と別れ一人になった彼は、傷害致死事件を起こした従兄弟の身元引受人となる。従兄弟とはいえ長年会っていなかった亮介を半ば忌避する快彦だったが、亮介との生活で徐々に変わっていく自分...
母親を自殺で亡くした弁護士の快彦は、それ以来他人と深く関わるのを避けていた。唯一の家族である父も亡くし恋人と別れ一人になった彼は、傷害致死事件を起こした従兄弟の身元引受人となる。従兄弟とはいえ長年会っていなかった亮介を半ば忌避する快彦だったが、亮介との生活で徐々に変わっていく自分に気づいた。つらく切なく、しかしとても優しいミステリです。 他人と接することで相手を傷つけ、また自分も傷つくことを恐れる快彦は、とても心優しい人物なのだけど。だからこそそういう態度しか取れないのがもったいないし悲しいと思っていたのだけれど、彼がどんどん変わっていくさまにほっとさせられます。一方で亮介は、一見あけっぴろげで傍若無人なように見えるけれど、実は気遣いのある人物だし。だからこそなぜ彼が事件を起こしてしまったのかが大きな謎。それがどう解かれるのか、そして快彦の家族に関わる謎もまた気にかかり、ぐいぐい読ませられます。 思いもかけないところから繋がっていく謎と真相は、ひどく苛酷なものでした。それでも作品の読み心地が重たいばかりでないのは、快彦も亮介もたくさんの人に必要とされ支えられている部分が大きいからなのでしょうね。やはり人間って、日ごろの行いが大事だということを思い知らされます。
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