風に立つ の商品レビュー

柚月裕子(著者)

2024/11/03

不器用な男達の家族愛の物語。
家族への想いは同じでも、その表現方法は人それぞれ。その結果、想いが伝わらなかったり、束縛になってしまったり。
少しずつ心を開いていく少年を中心に、お互いが通じ合っていく。
やはり、言葉って大切なのだと…。

2024/10/30

補導委託という言葉を初めて知った
補導委託を希望した少年とその両親、受託先となった南部鉄器工房の父子の親子のつながりを扱った作品
言葉を交わすことの大切さを知る

2024/10/30

南部鉄器の職人の家に非行少年が補導委託としてやってくる。
最初は少年の非行の理由が気になりミステリーのような気持ちで読んでいたけど、人と人とのコミュニケーション、伝え合い、分かりあうことがテーマの作品だと気づく。

大きな展開がある訳ではないけれど、一人一人の人間が丁寧に描かれていてとても沁みた。
近くにいるほど分かり合えない。でも分かってもらえたときの喜びはだからこそ大きく、感動するものがあった。

2024/10/29

補導委託先として、非行少年を預かることになった不器用な親子の話

悪くはないが良くもなく、単調な印象
で、最後泣けるかと言えばそうでもなく、今ひとつ

2024/10/26

補導委託という制度を初めて知りました。

家庭裁判所が非行少年の最終的な処分を決める前に、民間の施設などに少年をしばらく預け、生活指導をしてもらう制度のようです。

本作では、窃盗を繰り返した春斗という少年が、南部鉄器工房・清嘉に住み込みで預けられることになり、工房の親方や職人たちとの関わりを通じて、自分自身を見つめなおしていく様子が描かれています。

少年の立ち直りのために、見ず知らずの人たちが関わりを持ってくれるというのは温かいことだと思いましたし、逆に少年の成長を側で見ることで、大人たちも気づくことがあるというのも素敵ですね。

家族だからこそ、近くにいるからこそ見えていないこともある。
自分の気持ちは言葉にして伝えるとともに、相手の気持ちを聴く姿勢も大事にしなきゃなと思いました。

2024/10/25

自分の心の中を見せるのは難しいし、人の心の中を見るのも難しい
でも、思っている事は素直に言葉にした方が、絶妙にいい！

2024/10/24

保護委託のお話。
家族のあり方を考えさせられたお話でした。どなたかも書かれていましたが、老眼とは言い得て妙。年頃も相まって、悟の気持ちも春斗くんのご両親の気持ちもわかる。応援者と味方は違うという言葉は、これからの人生で大事にしよう。
読んでいる頃に西田敏行さんの訃報を知り、あぁ孝雄役をやっていただきたかったなぁと思ってしまいました。ご冥福をお祈りします。

2024/10/21

気持ちの伝え方が不器用な親子の話。

親子だから、わかるだろうではなく、
親子だからこそ、言葉や態度で伝えなければ
相手には伝わらないんだろうと思った。

苦労してきた分、
自分だけがしあわせになることに
臆病になってしまう。
でも、親子でお互い少しづつ
気持ちが理解できたことで、これからは
思う存分しあわせになってほしい。

2024/10/20

家族の在り方を改めて見つめ直すキッカケになりました。岩手の南部鉄器工房を営む親子、妻に先立たれ、ギクシャクした関係のまま…
ある日、突然、堅物な父親が、非行少年を見守る補導委託をすると言い出す。全ては俺1人で面倒みるので、迷惑をかけないが約束だった。だが、事あるごとに巻き込まれて、いつしか違う感情が…。

家族とは…いろいろな関係性はあるが、どれも正解、ただちょっとのすれ違いだけなんだと。

2024/10/18

補導委託の制度は知りませんでした。
ザ！みたいな職人さんと、これまたザ！みたいなキャラクターのバイトくんに囲まれて、大事にされている春斗は丁寧に描かれて微笑ましく読み進めることができました。
ただ、父と息子の物語なのですが、春斗の父はステレオタイプに過ぎる気がするし、結末のために（？）、悟は終始煮えきらない中二病のようで、共感できませんでした。