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ザリガニの鳴くところ の商品レビュー

4.3

168件のお客様レビュー

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    78

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/02/03

本屋に立ち寄った時に本書がふと目にとまり、著者紹介欄で、「著者が69才と高齢時に出版され、しかもそれが初めての小説だった」とのことでしたので、非常に興味が湧き、購入した本です。小説の翻訳本を購入するのは、かなり久しぶりのことです。 結論から言うと、大当たりの小説でした。 星6つ...

本屋に立ち寄った時に本書がふと目にとまり、著者紹介欄で、「著者が69才と高齢時に出版され、しかもそれが初めての小説だった」とのことでしたので、非常に興味が湧き、購入した本です。小説の翻訳本を購入するのは、かなり久しぶりのことです。 結論から言うと、大当たりの小説でした。 星6つのランクがあれば、それに該当します。まだ今年に入って1月しか経っていませんが、私的に今年NO.1になる小説かも。 600ページ弱の超大作でしたが、本書の解説欄にもありますが、ページをめくる手が止まりませんでした。 カイアという、一人の少女が大人になるまでの物語が、時系列を行き来しながら進んでいきます。 ミステリー小説のジャンルにはなるのでしょうが、特筆すべきは自然界や動植物の描写が非常に秀逸な点です。これは、著者が動物学者でもあるからでしょうが、カイアが目にしている風景等がイメージしやすかったです。 いや~、本当に面白かったです。翻訳も非常に上手で、読みやすかったです。 著者は新作も準備中とのことで、非常に楽しみです。 映画も制作されているようですので、是非、見てみたいです。

Posted byブクログ

2024/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

情景描写がとても美しい。訪れたこともないノースカロライナの自然豊かな湿地帯が目に浮かぶようで、何とも言えない懐かしい気持ちになった。 物語は1960年に2人の少年が沼地で死体を発見するところから始まる。死体の発見時と、主人公カイアの幼少期、二つの時間軸を行ったり来たりしながらストーリーが展開する。読み進めるとカイアの過去や人物像が少しずつ浮き彫りになっていく。それと同時に殺人事件の捜査が進む。 事件なのか事故なのか、犯人は誰なのか、ミステリー要素と、文字さえ読めなかった少女が名誉博士となるサクセスストーリー要素、一匹狼のように自然と暮らし人を信用しないカイアのラブストーリー要素、その他の要素の配合が絶妙で、一気に読み終えてしまった。 ストーリーの所々に登場する詩がまた良い味を出している。サミュエル・ウルマンの詩集を読みたくなった。

Posted byブクログ

2024/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評判が良かったので読んでみたけれど、ミステリーを期待していたのでちょっと期待外れでした…。人種差別、貧困、女性の権利、自然保護といった今ウケるテーマだったから評価されたのでは?と穿った見方までしてしまった。 自然描写が美しく、法廷のシーンも面白かったけれど、結局なぜカイヤがチェイスを殺したのか、そしてその証拠を持ち続け、詩で書き綴ったのか、チェイスはなぜ貝のペンダントをつけ続けたのか?など明言されず、人物の行動が理解できなかった。カイヤは元恋人を殺したことについて、どんなことを思いながら数十年を過ごしたのだろうか?

Posted byブクログ

2024/01/31

予想していたけれど、最後までどきどきして読み進めた。 久々に一気に読めて、爽快。 カイアの純粋さ、強さがうらやましい。

Posted byブクログ

2024/01/29

映画の雰囲気がとても好きだったこと、そして、その映像を原作はどのように記述しているのか気になったということから読んでみた。 映画ではやはり飛ばされている部分や、私が見落とした部分などを、ゆっくり自分の速さで受け取ることができたので読んで良かったと思う。 カイアの寂しさは推測す...

映画の雰囲気がとても好きだったこと、そして、その映像を原作はどのように記述しているのか気になったということから読んでみた。 映画ではやはり飛ばされている部分や、私が見落とした部分などを、ゆっくり自分の速さで受け取ることができたので読んで良かったと思う。 カイアの寂しさは推測することしかできないけど、たくましさは見習いたいと思うほどだった。 行ったことはないけれど、湿地の豊かな自然をまじまじと感じられる、よい作品。

Posted byブクログ

2024/01/26

初めての翻訳小説。全米で一番売れた本とのことでどうなの?おもろいの?って期待大。 幼少ころ家族に見捨てられ、ひとりで生きてきた湿地の少女の物語。孤独に人との関わりを断った生活に、手を差し伸べられ、そして裏切られ、傷つき、また孤独に落ちていく。 村の若者の死からカイヤに疑いがかかり...

初めての翻訳小説。全米で一番売れた本とのことでどうなの?おもろいの?って期待大。 幼少ころ家族に見捨てられ、ひとりで生きてきた湿地の少女の物語。孤独に人との関わりを断った生活に、手を差し伸べられ、そして裏切られ、傷つき、また孤独に落ちていく。 村の若者の死からカイヤに疑いがかかり、物語が湿地から裁判へと、そして判決。 貧困、家族、人種差別、偏見、貧富の差、男女、恋愛、孤独、どれもしんどいお話で辛くなる。 最後は大自然の掟に従った学者らしい終わり方。 そしてビックリのどんでん返し‼️

Posted byブクログ

2024/01/24

ザリガニが鳴くところ、動物が本来の姿に戻るくらいの深いところにある自然のことを言うらしい。 ある沼地で一人で、孤独に育った少女が、家族とのつながりを求める中で多くの裏切りにあう。それでも人とのつながりと自らの沼地で培った知恵から自分の社会の中での存在を作り上げていく。 そういっ...

ザリガニが鳴くところ、動物が本来の姿に戻るくらいの深いところにある自然のことを言うらしい。 ある沼地で一人で、孤独に育った少女が、家族とのつながりを求める中で多くの裏切りにあう。それでも人とのつながりと自らの沼地で培った知恵から自分の社会の中での存在を作り上げていく。 そういった側面と、沼地の深部で起こった青年の不可解な死についての捜査と裁判が、女性の成長の物語と時系列が並行しながら進んでいく。 裁判の様子、米国の時代背景なども含めて、興味深い内容でした。

Posted byブクログ

2024/01/23

英文にて読んだ。東海岸の情景が表現豊かに描かれ、どこか懐かしさを感じる。人間ドラマは意外な展開となった。環境エッセイとサスペンスが組み合わされた秀作。

Posted byブクログ

2024/01/20

湿地の自然の素晴らしさ。ミステリー要素は強くは無いと思ったけど、物語を読み進めるときに、時代を行ったり来たりすることで登場人物の一人一人をより理解しようとする楽しみ方ができた。

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2024/01/18

湿地で密かに暮らす主人公カイアの物語。母親、父親、兄妹に見捨てられ小さい時から1人で湿地で暮らしていたカイヤが黒人のジャンピン夫妻やテイトらに助けられ成長していく。一度テイトと恋に落ちるもテイトの大学進学の際にテイトが距離を置くようになりカイアは見捨てられたと思う。そこに村一番の...

湿地で密かに暮らす主人公カイアの物語。母親、父親、兄妹に見捨てられ小さい時から1人で湿地で暮らしていたカイヤが黒人のジャンピン夫妻やテイトらに助けられ成長していく。一度テイトと恋に落ちるもテイトの大学進学の際にテイトが距離を置くようになりカイアは見捨てられたと思う。そこに村一番のスポーツマンであったチェイスがカイアに近づき交際をするも実際は別の女性と婚約していることを知りまたカイアは見捨てられひとりぼっちになる。その後チェイスが火の見櫓で死体として発見されカイアが容疑者として裁判になるも無罪となりカイアとテイトは再びよりを戻し湿地で生活するようになる。 話全体として湿地という自然の魅力がうまく描写されていて湿地に行ってみたくなった。話の途中に詩が挟まれていてその詩がカイアが書いていたのは驚いたし、最後の蛍の詩でチェイスを殺したことを示す詩が出てくるところは震えた。カイアから人がどんどん離れて行っても最後までカモメたちは寄り添っているのが自然と生活しているカイヤをうまく表現しているなと。

Posted byブクログ