ザリガニの鳴くところ の商品レビュー
最初は物語の舞台である沼地が想像つかなかったが、描写が細かく読んでいて想像できた。物語としても面白かったが、馴染みのない舞台だからかイマイチ自分に馴染まず、長く感じ、途中気持ちがだれてしまった。裁判が始まってからはどうなるかドキドキして読むスピードは早くなったけど。作者が学者なの...
最初は物語の舞台である沼地が想像つかなかったが、描写が細かく読んでいて想像できた。物語としても面白かったが、馴染みのない舞台だからかイマイチ自分に馴染まず、長く感じ、途中気持ちがだれてしまった。裁判が始まってからはどうなるかドキドキして読むスピードは早くなったけど。作者が学者なので動物が好きな人にとってすごく楽しく読めると思う。
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正直最初は読み進めるのに時間がかかり、最後まで読み切れるのか不安だったけれど、気づけばすっと物語に入り込んでしまっていた(ふと気づいたらあっという間に潮が満ちてきてしまっていたような)感覚。時間軸を行き来しながら、カイアの人生と事件の捜査が進んでいく物語の構成が面白く、湿地や沼地...
正直最初は読み進めるのに時間がかかり、最後まで読み切れるのか不安だったけれど、気づけばすっと物語に入り込んでしまっていた(ふと気づいたらあっという間に潮が満ちてきてしまっていたような)感覚。時間軸を行き来しながら、カイアの人生と事件の捜査が進んでいく物語の構成が面白く、湿地や沼地など眼にする機会が殆どなかった情景もいつのまにかイメージが形成されていたのは作者の描写の巧さ故でしょう。読み終えた後で、アマンダ・ハミルトンの詩を全部読み直した。このタイミングでこの詩が詠まれたことの意味…とか色々考えるものがありました。色んなテーマを緻密に散りばめた壮大な物語でした。
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2021年本屋大賞翻訳小説部門1位、文庫本が発売され、購入。 ノースカロナイナの湿地で、チェイス・アンドルーズの遺体が発見された。 『湿地の少女』カイアが犯人として疑いの目を向けられる。 親兄弟に見捨てられ、6歳からたった1人で、湿地て生きてきたカイア。 人々から助けも受けるこ...
2021年本屋大賞翻訳小説部門1位、文庫本が発売され、購入。 ノースカロナイナの湿地で、チェイス・アンドルーズの遺体が発見された。 『湿地の少女』カイアが犯人として疑いの目を向けられる。 親兄弟に見捨てられ、6歳からたった1人で、湿地て生きてきたカイア。 人々から助けも受けることもできず、蔑まれてきたカイアが犯人なのか… カイアに対する差別、偏見の強さに驚かされる。 そんな偏見から、カイアが犯人だと決めつける保安官、チェイスの母親、目撃者たち… カイアだと断定できる証拠は何ひとつないのに。 最後にトムが言ったように、カイアに対してもっと早く救いの手を差し伸べていれば、起こり得なかっただろう… あの環境でカイアはたったひとりでよく生きた。 『湿地の少女』から『湿地の専門家』と呼ばれるまでに。 その強さには感動を覚える。 カイアに手を差し伸べてきたテイトの優しさ。 将来を考えると、カイアとずっと一緒にいられないと考えたのは弱さだろう。誰もがそうなるだろう。 ただカイアを想い続け、ずっと見続けた姿勢は立派だった。 『湿地の専門家』カイアしかできないことだった。 湿地のすべてを知っていたカイアだからこそ。
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ミステリー要素をスパイスにした欧米版おしん ミステリーはあくまでスパイスでしかないのでそれを期待して読むとすごくもやもやすると思う。だからカイアという一人の女性の人生譚と捉えるのが一番いい気がする ラストの裏切りはなるほどなと思わされて面白かったが、途中が少し冗長すぎて結末に至る...
ミステリー要素をスパイスにした欧米版おしん ミステリーはあくまでスパイスでしかないのでそれを期待して読むとすごくもやもやすると思う。だからカイアという一人の女性の人生譚と捉えるのが一番いい気がする ラストの裏切りはなるほどなと思わされて面白かったが、途中が少し冗長すぎて結末に至るまでしんどかったという印象
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間社会と自然、という醜さと美しさの狭間で翻弄される主人公。少女は自然の一部のようでありながら、恋がきっかけで人間界との繋がりが増えていき、苦しみを抱えることになる流れがやるせない。 最後の所は、結局それしか無かったような気もする。もし他の人が義憤にかられて手を出していたとしたら、そのせいで彼女は容疑をかけられることになるし、自殺だとしたら話が組み立てられない。彼女はただ誘っただけであり、直接手を下していないのであれば、それはそれで自然の摂理だったのかも。
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常々読書は自分のためにするものだと思っている。 長編から短編まで自分がどう思ったかが一番重要であり、他の人の意見はあくまで参考だと思っている。だけど、この小説は誰かと話したい、語ってみたいと思わせる作品だった。それだけこの小説が持つパワーや自然への愛、差別や偏見というものが解像度...
常々読書は自分のためにするものだと思っている。 長編から短編まで自分がどう思ったかが一番重要であり、他の人の意見はあくまで参考だと思っている。だけど、この小説は誰かと話したい、語ってみたいと思わせる作品だった。それだけこの小説が持つパワーや自然への愛、差別や偏見というものが解像度高く表現されているのだと思う。
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湿地の少女の人生を見るヒューマンドラマでありながら、事件に迫るミステリーである小説。読者は主人公である湿地の少女カイアの人生を覗くこととなりますが、途中でもう読むのを止めたくなることもありました。でも、義務感から彼女の人生を読まなければならないと思わされるようなそんな心揺さぶら...
湿地の少女の人生を見るヒューマンドラマでありながら、事件に迫るミステリーである小説。読者は主人公である湿地の少女カイアの人生を覗くこととなりますが、途中でもう読むのを止めたくなることもありました。でも、義務感から彼女の人生を読まなければならないと思わされるようなそんな心揺さぶられる小説でした。とても素晴らしかったです。
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アメリカ南部の湿地に一人ですむ少女の話。 自然の美しさと残酷さ、偏見、ミステリー。 人の美しさ、残酷さももともとのD N Aに組み込まれているなんて。善悪と関係なしに。 この湿地を体感したい、全身全霊で!
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変わらないもの 変わっていくものを湿地の自然の摂理と人の心の移ろいを対比に表しているかのようで考えさせられました。裏切られたような結末なのに 違和感なく受け入れ許してしまう自分がいました。何が正解なのか分からなくなるこの余韻が好きかもしれない。
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読み終えたあとの余韻がすごい。自然の中で暮らす少女の成長描写の瑞々しさの一方で、人と人は繋がりながらでなければ生きていけないということの描き方が素晴らしいと思った。
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