1,800円以上の注文で送料無料

地雷グリコ の商品レビュー

4.2

557件のお客様レビュー

  1. 5つ

    234

  2. 4つ

    215

  3. 3つ

    68

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    6

レビューを投稿

2024/07/10

青崎有吾さん「地雷グリコ」 結構前から書店で目にしてきた作品だが、ゲームを主体としている学園物との書籍説明で先入観から自分には合わないだろうと手にしてこなかった作品。 そうしたら本格ミステリー大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞の三冠達成し、直木賞にもノミネートされているではな...

青崎有吾さん「地雷グリコ」 結構前から書店で目にしてきた作品だが、ゲームを主体としている学園物との書籍説明で先入観から自分には合わないだろうと手にしてこなかった作品。 そうしたら本格ミステリー大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞の三冠達成し、直木賞にもノミネートされているではないか。 これは読んでみないとと思い立ち購読。 物語は書籍説明の通り高校生の学園物ストーリー。全5篇からなる連作短編集で高校生の射守矢真兎(いもりやまと)という女の子が5篇とも違う独自ルールのゲームで各々の対戦相手と戦うという物語。 主人公真兎には凄くカジュアルな今風の女子高生をイメージさせられる。途中から歌手でタレントの「あのちゃん」を真兎に重ねて想像して読んでいた。 その真兎の洞察力と天才的な勝利への道筋を立てる閃きと勝負運の強さが引き立つ物語だった。 この作品の面白い所が誰もが幼少期に遊んだ大衆的なゲームに知的な独自ルールを追加する事で、複雑かつ才略の富んだ別物のゲームに変わるという所。 特に「自由律ジャンケン」のルールは秀逸で無限の可能性と複雑さが加わり推測力を試されるゲームへと変貌する。この作品を読んだ誰かと対戦してみたいと素直に思った。 とても面白い作品だったし、知的興奮を刺激される物ばかりだった。 しかしやはり自分は学園物のライトノベル風の作風があまり好みではないと改めて感じてしまった。凄く個人的意見だが生徒会長のジェンダー描写やSチップの設定等がどうも馴染めなかった。物語として大金や人生や生死等を賭ける重たい設定ではなく、軽く仕上げる為に重要で必要な設定だったのは理解できるのだが自分には凄く引っ掛かかってしまい最後まで違和感をぬぐえなかった。 続編を望む声が多いとの事。もし執筆されるのならばやはり読んでみたい。それほど作者の描く独自ルールには奥深さがあった。

Posted byブクログ

2024/07/25

作者の青崎有吾氏はミステリーを中心に書いている作家。 本作は射守矢真兎(いもりやまと)という、一見脱力しただらしない服装の1年生になったばかりの女子高生が、その学校の生徒会や、カルタ部を出禁にした喫茶店、他校の生徒会などを相手に、ちょっと変則的なゲームで勝負をする。 例えば本の...

作者の青崎有吾氏はミステリーを中心に書いている作家。 本作は射守矢真兎(いもりやまと)という、一見脱力しただらしない服装の1年生になったばかりの女子高生が、その学校の生徒会や、カルタ部を出禁にした喫茶店、他校の生徒会などを相手に、ちょっと変則的なゲームで勝負をする。 例えば本のタイトルにもなっている「地雷グリコ」は、いわゆるジャンケンをして、買った方がグリコ、チョコレート、パイナップルと数えながら階段を登るゲームがベース。 地雷グリコは参加者が或る段に「地雷」を仕掛けられる。どの位置に地雷を仕掛けたかはそれぞれの参加者自身と審判役しか知らない。 ジャンケンをして相手の仕掛けた地雷のある段で止まると、ペナルティとして10段下がらなければならない。 こんな風にどの話も皆が知っている、やったことのあるゲームに変則ルールをプラスしたものに射守矢真兎が挑戦しなければいけなくなる。 ルールの説明もちゃんとされて、ゲームの経過もそのまま説明されていくので、どうやって射守矢真兎がゲームを勝ち抜くのか?というところが謎解きにあたる。 ルールを変えた部分が、ミステリーの伏線と言えるが、もう一方で注目されるのはルールの「解釈」。 ルールで禁じられていない意外な一手が勝負の行方を決める。 高校の生徒会が強力な権限とお金を持っていて、学生を支配しているという設定は20世紀の学園ドラマみたいで荒唐無稽というか、使い古されたあり得ない設定だけど、ストーリーは面白いし、一応ラストは真兎がそうやってゲームの勝負を続ける理由も明らかになり、ちょっと友情が感じられたりもする。 良作。

Posted byブクログ

2024/07/07

『地雷グリコ』題名からの危険なイメージからは想定外の新しい学園ものミステリー。 幼い頃遊んだであろう、「だるさまんがころんだ」「グリコのおまけ」や、「ぼうずめくり」「ポーカー」「じゃんけん」までを絡ませている。 主役のJKは、生徒会や飲食店店主達とさまざまな目的のためゲームを...

『地雷グリコ』題名からの危険なイメージからは想定外の新しい学園ものミステリー。 幼い頃遊んだであろう、「だるさまんがころんだ」「グリコのおまけ」や、「ぼうずめくり」「ポーカー」「じゃんけん」までを絡ませている。 主役のJKは、生徒会や飲食店店主達とさまざまな目的のためゲームを挑む、挑まれる。簡単そうなゲームが難解なルールで、読みながら主役真兎の勝ち進め方がわからない。 そこで、どうして勝てるわけ??「はて??」と、なる。 主役は真兎ではなかった。最後にJKの友情に感動しつつ、大円団となる。 それぞれの章のゲームをなぞるために、直ぐにまた初めから読み直した。(個人的には稀な読書体験を行なった。)

Posted byブクログ

2024/07/07

非常に面白い! 今年読んだ作品の中で現時点で個人的ベスト! 女子高生が頭脳戦を繰り広げるというどこかで聞いたようなあらすじではあるが、それぞれのゲームが個性的かつ分かりやすいこともありスラスラ読めました。連作短編でそれぞれの短編だけでも楽しめる一方で、最後にしっかりとしたオチも...

非常に面白い! 今年読んだ作品の中で現時点で個人的ベスト! 女子高生が頭脳戦を繰り広げるというどこかで聞いたようなあらすじではあるが、それぞれのゲームが個性的かつ分かりやすいこともありスラスラ読めました。連作短編でそれぞれの短編だけでも楽しめる一方で、最後にしっかりとしたオチもある。 すでに様々な賞を受賞されており、話題になっていますが、直木賞を取ればさらに盛り上がることでしょう。次回作も期待しております。

Posted byブクログ

2024/07/07

 面白いね〜  ただゲームをしてるだけだと思っていたら❢ なんとなんと最後に落ちが❢  さてさて、今回の直木賞はどうなるのか?

Posted byブクログ

2024/07/05

なんともマンガ的。読みながらマンガやアニメ、ドラマ化された絵が浮かんできた(メディア業界が手ぐすね引いてそう)。 ミステリ大賞など既に三冠らしく、ゲームは確かに凝っていて面白い。続編もありそう。けど、「そこまで面白いかな?」というのが正直なところ。私がギャンブル系マンガにハマれな...

なんともマンガ的。読みながらマンガやアニメ、ドラマ化された絵が浮かんできた(メディア業界が手ぐすね引いてそう)。 ミステリ大賞など既に三冠らしく、ゲームは確かに凝っていて面白い。続編もありそう。けど、「そこまで面白いかな?」というのが正直なところ。私がギャンブル系マンガにハマれないせいかもしれない。

Posted byブクログ

2024/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった!!! 天才の横にいる凡人(本人が思っているだけ)が語り手で、「成瀬は天下を取りに行く」に近い印象。

Posted byブクログ

2024/07/04

学園もののサクサク読みやすいライトミステリーです。全5章あり、各章で高校生たちが頭脳戦ゲームを繰り広げます。馴染み深いゲーム(グリコ、だるまさんが転んだ、坊主めくりなど)が土台となっているのでわかりやすく、かつ、独自ルールが加えられることで面白さが増しています。 次回作を期待させ...

学園もののサクサク読みやすいライトミステリーです。全5章あり、各章で高校生たちが頭脳戦ゲームを繰り広げます。馴染み深いゲーム(グリコ、だるまさんが転んだ、坊主めくりなど)が土台となっているのでわかりやすく、かつ、独自ルールが加えられることで面白さが増しています。 次回作を期待させる終わり方もとても好きです。

Posted byブクログ

2024/07/04

連作短編集ですが、それぞれのゲームの舞台となる頭脳ゲーム一つひとつがとてもよく作り込まれています。 絶対に負けた、と思われるところから見事などんでん返しで逆転する場面は(それこそ「水戸黄門」のように予定調和ではあるものの)ハラハラさせられますし、みるみる明らかになる伏線の数々に...

連作短編集ですが、それぞれのゲームの舞台となる頭脳ゲーム一つひとつがとてもよく作り込まれています。 絶対に負けた、と思われるところから見事などんでん返しで逆転する場面は(それこそ「水戸黄門」のように予定調和ではあるものの)ハラハラさせられますし、みるみる明らかになる伏線の数々には脱帽です。 主人公たちの友情をめぐる物語もあり、エンタメ作品として心から楽しむことができました。 個人的には、今回(2024年上期)の直木賞受賞作はこの作品では? と思っています。

Posted byブクログ

2024/07/03

“地雷”なんていうから、登場人物がガンガン死んじゃって、ざわざわ‥ざわざわ‥って感じの話だと思い込んで読み始めました。 そうしたら、なんと、キレ者の高校生たちの爽やかなお話ではないですか! ゲームを考える人も、相手の心理を読み合ってゲームに挑む人も、なんて頭がいいのだろう!こんな...

“地雷”なんていうから、登場人物がガンガン死んじゃって、ざわざわ‥ざわざわ‥って感じの話だと思い込んで読み始めました。 そうしたら、なんと、キレ者の高校生たちの爽やかなお話ではないですか! ゲームを考える人も、相手の心理を読み合ってゲームに挑む人も、なんて頭がいいのだろう!こんなに頭のいい高校生いるのか?と恐れ慄いてしまいますが、最後のゲームで主人公の少女が望んだものとは? そして、その少女が中学時代に仲良しだった二人の友だちの心の中が分かった時、あー青春だなー、やっぱり数ヶ月前まで中学生だったんだなぁと、ヒリヒリした中にも、ほのぼのを感じました。 このほのぼので、私の中で★4から★5へ! この3人の少女で続編も期待できるし、ライバルの少女の中学時代のスピンオフなんかも期待できるなぁ、なんて思ってます。 確実にアニメ化やドラマ化はあると信じている!

Posted byブクログ