幽玄F の商品レビュー
「三島由紀夫×トップガン」 佐藤究作品はハズレがなく、今作もまた素晴らしかった。 文章表現による戦闘機の操縦描写は美しく、荘厳さすら感じ、戦闘機乗りの主観には驚くべきリアリティがあった。 しかし読後に抱いた感情は、よくわからない。無色透明な・・...
「三島由紀夫×トップガン」 佐藤究作品はハズレがなく、今作もまた素晴らしかった。 文章表現による戦闘機の操縦描写は美しく、荘厳さすら感じ、戦闘機乗りの主観には驚くべきリアリティがあった。 しかし読後に抱いた感情は、よくわからない。無色透明な・・・なにか。 心に波立つざわめきはあったが、形を成さなかった。 しばらく放置して反芻すれば明瞭な形が浮かんでくるだろうかと2ヶ月ほど置いてみたが、変わらない。 そんな不思議な読書体験だった。 とはいえ、端的に面白かったので、ぜひ読んでみてください。そして、感想を教えてください。
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「テスカトリポカ」は衝撃的だったので佐藤究さんの作品は早く読みたいと思っていたのです。一気読みでした。話がどう展開していくのか先が全く読めませんでした。でもどの辺りが精神的支柱としての三島由紀夫だったのかよく分かりませんでした。
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静かに、淡々と物語が進行していく。 色々な人とのちょっとした関わりが印象的。 戦闘機…昔読んだ「ファントム無頼」や「エリア88」などを思い出しながら読みました。 なんとも言えない透の生き様でした。 若い頃三島由紀夫さんに挑戦して挫折しましたが今なら読めるでしょうか?心が揺れます。
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これまでに読んだ佐藤究さんの作品と比べると、 サッパリとした印象。 それは、雲のない澄んだ青空を思わせる。 主人公の淡々とした性格、人間的な部分より機械の説明に多くを割く構成が静謐さを生み、空や風や死を感じさせる。 上空の冷気に包まれるようだった。 内容だけでなく、そういう書...
これまでに読んだ佐藤究さんの作品と比べると、 サッパリとした印象。 それは、雲のない澄んだ青空を思わせる。 主人公の淡々とした性格、人間的な部分より機械の説明に多くを割く構成が静謐さを生み、空や風や死を感じさせる。 上空の冷気に包まれるようだった。 内容だけでなく、そういう書き分けができることが凄い。 ・ 美術教師は言った。「これが心理補色だよ。赤の残像でシアンが見える。きみたちの探しているのは、こういう青じゃないかな」 (中略) 空の青とは、すなわち死の補色だった。 ・ 個人的には同級生の溝口君のその後が気になる…。 後半に主人公と接点があったら良かったなぁ。 (いかにもな感じで作品をダメにしてしまいそうだけど…)
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「テスカトリポカ」の次作。 三島由紀夫をモチーフに書いた(書かされた?)とのことで、「豊潤の海」「太陽と鉄(「F104」)」などの三島の作品のオマージュにもなっているという。(主人公の名前も) 自衛隊のエリート戦闘機乗り崩れの遍歴譚だが、無常観というか揺蕩う(たゆとう)感じは...
「テスカトリポカ」の次作。 三島由紀夫をモチーフに書いた(書かされた?)とのことで、「豊潤の海」「太陽と鉄(「F104」)」などの三島の作品のオマージュにもなっているという。(主人公の名前も) 自衛隊のエリート戦闘機乗り崩れの遍歴譚だが、無常観というか揺蕩う(たゆとう)感じは確かに三島を想起させる。
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空を思わせるカバー、青空を示していると分かり一層期待をもたせた。 最後のおちは?クエスチョン❓ この展開になるの、うーん、勿体ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ラストこう終わるのかー 戦闘機に魅せられた男の話。なのかな? 佐藤究さん作品初めて読みましたが、好みー!! まぁラストは…!!??!でしたが、三島由紀夫モチーフ作品でもあるらしくそのあたりは全くわからないので何とも言えませんが、個人的にずっと面白く読めたので、作者の他の作品も読みたくなりました。
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雑誌掲載時に読んで、単行本は読んでないんだけど、単行本の方が人の目に触れそうなので、こちらにも書くよ。 「幽玄F」どんな話か知らずに読んでたら、主人公がファイターパイロットになり、おお、燃える、と思ったら、あっさり自衛隊を辞めてしまい、くすぶってると思ったら、ぶっ飛んだことをや...
雑誌掲載時に読んで、単行本は読んでないんだけど、単行本の方が人の目に触れそうなので、こちらにも書くよ。 「幽玄F」どんな話か知らずに読んでたら、主人公がファイターパイロットになり、おお、燃える、と思ったら、あっさり自衛隊を辞めてしまい、くすぶってると思ったら、ぶっ飛んだことをやり始め、そこからなんかファンタジーになってしまった感じでちょっと残念。 序盤は、佐藤究らしく?不穏な感じで良かったのになぁ。 私は三島由紀夫を読んだことがないので、三島由紀夫云々は分からない。 佐藤究作品がとても好きで、新作を1番楽しみにしてる作家だったんだけど…。 ふと、この人の作風、すごくマッチョだな??と今ごろ気がついて(遅いか。笑)、さらにTwitterでまさにインセルみたいな人が本作を超持ち上げてるのを見てしまい、すごく嫌な気持ちになった。 佐藤究の作風がマッチョでもミソジニーは感じないんだけど、インセルに好かれちゃうのかぁ。 ちょっと引いてしまったよ…。
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何が驚いたって三島由紀夫の担当編集者がまだ(少なくとも取材時には)生きていたって事だよ。 豊饒の海は学生時代に読んだが細かいことは忘れてしまった。
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「三島由紀夫をモチーフにした小説」とのことだったので、氏の小説は「金閣寺」しか読んだことのない僕には理解が難しい部分がたぶんにあるんだろうと覚悟の上で読んだ。 やはり消化不良の感が…。 文章は平易でスジは理解しやすい。 ロードノベルとしてとても楽しく読ませていただいた。 ただ...
「三島由紀夫をモチーフにした小説」とのことだったので、氏の小説は「金閣寺」しか読んだことのない僕には理解が難しい部分がたぶんにあるんだろうと覚悟の上で読んだ。 やはり消化不良の感が…。 文章は平易でスジは理解しやすい。 ロードノベルとしてとても楽しく読ませていただいた。 ただ、全体的に抑制的な語り口も相まって、最後まで読んで自分がたどり着いた所がどこなんだかわからない。 三島文学に馴染んだ人には響くものがあるんだと思う。そこがわからないのが残念。 この小説の主人公とおなじ読みの名前やすながとおるが登場する「豊饒の海」を読んでみたいと思った。 ♫Letting Go(feat.Jenna G)/Goldie(2009) ← 刊行にあたりSpotifyに公開された、佐藤さんやデザインを手掛けた装丁家・川名潤さんらによるプレイリストから。
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