幽玄F の商品レビュー
戦闘機または音速、それとも"ナニカ"に取り憑かれてしまった天才パイロットのトップガンマーヴェリックとは真逆を攻める波瀾万丈にも程がある狂気的な物語の着地に考察が捗る。 圧倒的な情報量とディテール、あらゆる価値観にカルチャーが混沌する世界観は安定の佐藤究スタイル...
戦闘機または音速、それとも"ナニカ"に取り憑かれてしまった天才パイロットのトップガンマーヴェリックとは真逆を攻める波瀾万丈にも程がある狂気的な物語の着地に考察が捗る。 圧倒的な情報量とディテール、あらゆる価値観にカルチャーが混沌する世界観は安定の佐藤究スタイルで読み応えは抜群。 突き抜ける美学を感じる。格好良き!
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久々にこういう照りつける太陽を浴びてジリジリという陽炎とエンジン音が脳内に響き渡る作品に出会ってしまった。 私のジャンル外だけど、すんなりぐいぐいと読めてしまった。 三島由紀夫、の作品は一切読んでないけど、彼のオマージュ作品として、、は他の方の感想を見るとして、 わたし個人として...
久々にこういう照りつける太陽を浴びてジリジリという陽炎とエンジン音が脳内に響き渡る作品に出会ってしまった。 私のジャンル外だけど、すんなりぐいぐいと読めてしまった。 三島由紀夫、の作品は一切読んでないけど、彼のオマージュ作品として、、は他の方の感想を見るとして、 わたし個人としては、熱狂と本能の赴くままに、がテーマだなと思った。なぜなら主人公は自分の興味に焦点をあてすぎているし、その為以外の大義を持ち合わせる事を受け入れられず、やっぱり少し狂ってるからだ。 んー、三島由紀夫はやっぱとち狂ったお方だったんだろうなぁ
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本棚登録忘れてたやつ 主人公が一貫して空を飛ぶことが好きなところがよかった 最後はバッドエンドかもしれないけど主人公的には救われた感じもあって個人的には好き
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「幽玄F」(佐藤究)を読んだ。 〈三島由紀夫作品をモチーフに〉とあったので、私の中での食わず嫌いのビッグネームの筆頭が三島由紀夫であることを鑑みればなかなか手が出ないのも宜なるかな。なのである。 まあ最後まで一気に読んだので面白いのかと問われれば面白いって答える。 三島由紀...
「幽玄F」(佐藤究)を読んだ。 〈三島由紀夫作品をモチーフに〉とあったので、私の中での食わず嫌いのビッグネームの筆頭が三島由紀夫であることを鑑みればなかなか手が出ないのも宜なるかな。なのである。 まあ最後まで一気に読んだので面白いのかと問われれば面白いって答える。 三島由紀夫思想が前面に出て鼻につくということは全くなくてというか私は気づかないまま戦闘機の描写に驚いているうちにラストを迎えていた。 まあ主人公は何かしらの矜持を貫いたとなと頷く。 物語の舞台がバングラデシュに移ってからの展開がマジか!?と唸る。 やっぱり感想としては〈面白い!〉でいいんだろうと思う。
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戦闘機の速さに魅入られた男、易永透。最初は天才パイロットの成功小説かと思っていたが、そこは佐藤究氏。そんなもので終わるはずがない。舞台は日本、タイ、バングラデシュへと移り、不思議な物語へと誘われていく。 三島由紀夫の豊饒の海シリーズ、「暁の寺」「天人五衰」がモチーフになっている。昔、通読した際に、ちんぷんかんぷんで空気感だけは味わった記憶が蘇ってきた。 輪廻転生、ウロボロスの蛇、真言宗の経文、死と生の境界線、空の青…。 ラストがいい。 狂っている。でも透が本望を遂げて光になったその先は…。おそらく昇華し生まれ変わったに違いない。悲しみは無く、達成感に包まれるむしろ幸福を感じる読後感となった。
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面白かった。久しぶりに一気読みしてしまった。 佐藤究のなにも不思議なことではないように狂った行動を行う主人公たちには独特の魅力を感じ、いつも惹き込まれる。 もし透が6の欠けた腕時計を見ていたとすれば、ギャンブルの話をしていた彼を思い出し、嵐が原因では無い不時着に気づけたのだろうか。 そして彼の行動は変わっていたのだろうか。 読了後本の装丁に感動した。 青緑の空色のブックカバーに死の赤と蛇。 佐藤究の他の作品でも思ったが後から意味の分かる表紙が多く読んだ後も楽しめる。
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アナーキー! 佐藤究さんの作品の割には、暴力が暴力を呼ぶような描写は出てこないな……と思いましたが、やってることはどこまでも純粋なのに、本当に周囲も世界も自身の願い以外どうなってもよい、という突き抜け方は半端なかったです。 漫画とかではありそうな話ですが、それらより世界観がリアルなので、余計に戦争とか貧困とか、ピリついた国同士の事情など影の部分が見えてきて、主人公の行動がどんな結果を招くかということが、否応にも意識させられます。 だけど、本当に自由に空を駆けていくときの瑞々しく澄み切った描写、果ては撃ち落とされた時の神々しさすら感じられる描写によって、一種の爽やかさすら感じました。
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小さな頃から飛行機に憧れて、ついには戦闘機のパイロットとなった易永透(やすながとおる)は、しかし、訓練中に超音速で呼吸困難を起こして、戦闘機パイロットから外された。透は自衛隊を辞めた。自分が乗れない戦闘機を見たくなかった。 透はタイへ行く、さらにはバングラデシュへ。 バングラデシュの貧しい孤児ショフィクルに懐かれ、やがて打ち明けられた彼の友だちのメルドンドの話に、透は衝撃を受ける。 間に挟まれた伏線が回収されるにつれ、どんどん引き込まれて行く。 賢いショフィクルらしいエピローグに救われた。 精神的な事や仏教の教えが僧侶である透の祖父を通して描かれる。 孔雀のお経が蛇から身を守るものとして授けられるのが興味深かった。 蛇とは何を表すのか、最初は悪いものとして出てくるが、聖蛇ナーガは崇める対象、最後は透自身が蛇の化身のようになる。 結果はどうであれ、夢中になれるものがある人は羨ましいと思う。
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飛行機、特に音速を超える戦闘機に取り憑かれた男の話。前半は透の幼少期から、航空自衛隊のパイロットになる話。後半からは、自衛隊を辞めて、タイ、バングラデシュでの生活を描く。 一度は諦めた音速の世界を、透はやはり諦めきれず、取り憑かれたのか引き寄せられたのか、戦闘機へと導かれ、幽玄...
飛行機、特に音速を超える戦闘機に取り憑かれた男の話。前半は透の幼少期から、航空自衛隊のパイロットになる話。後半からは、自衛隊を辞めて、タイ、バングラデシュでの生活を描く。 一度は諦めた音速の世界を、透はやはり諦めきれず、取り憑かれたのか引き寄せられたのか、戦闘機へと導かれ、幽玄の空へと飛び立つ。
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最初は飛行機が好きでパイロットに憧れる主人公の青春物語かと思った だから半分もいかないうちの怒涛の展開であまりのスピード感に 主人公の透のマッハな生き方を感じた。
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