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空鳥(ヌエ)の碑 の商品レビュー

3.9

159件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    65

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

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2023/11/21

久し振りのシリーズ新作だけど割と地味だなあ。と思っていたらじわじわと面白くなってくる悦び。 多視点描写の面白さ。こことここが繋がるのかという驚きと快感を、こことここは繋げちゃいけないというものと絡める。 過去が舞台なのに、実に今が描かれている物語の妙。 これはアレみたいなものかな...

久し振りのシリーズ新作だけど割と地味だなあ。と思っていたらじわじわと面白くなってくる悦び。 多視点描写の面白さ。こことここが繋がるのかという驚きと快感を、こことここは繋げちゃいけないというものと絡める。 過去が舞台なのに、実に今が描かれている物語の妙。 これはアレみたいなものかなと思っていたら、最後の最後にそのまんまアレだった驚き。 いつもの登場人物がなんやかんややるだけでも面白いのは、シリーズを追ってきた(待っていた)者の感慨。 待ってました! と快哉上げる読了感でした。

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2023/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作中リアルタイムでは人の死なない、京極堂シリーズのなかでは珍しい作品。 京極堂の長広舌が専門家たちとの会話が主で、いつも以上に難解&スピーディーな感じ。 久しぶりのシリーズ新刊で、京極堂も榎木津も、関くん、木場修、益田くんと勢ぞろいが嬉しかった。 ラストの山の方々とのこの後が気になる。(これでおしまいとか言わないですよね?京極先生)

Posted byブクログ

2023/11/18

2023年発行、講談社のKODANSHA NOVELS。百鬼夜行シリーズ。シリーズのだいたいのパターンを踏襲しているように思える。関係ない蘊蓄を語っているようで、最後には繋がっていく。ただの蘊蓄でしかない部分もあるのだが、今回はつながらない部分は多くなかった気がする。 しかす、少...

2023年発行、講談社のKODANSHA NOVELS。百鬼夜行シリーズ。シリーズのだいたいのパターンを踏襲しているように思える。関係ない蘊蓄を語っているようで、最後には繋がっていく。ただの蘊蓄でしかない部分もあるのだが、今回はつながらない部分は多くなかった気がする。 しかす、少し散漫だったんじゃないかなぁ。まぁ長くなるのは、この作者の特徴だからいいのだが。

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2023/11/18

日光へ。 京極堂は日光で発掘された古文書の鑑定を依頼され。 関口と榎木津はそれに同行する形で榎木津の兄が経営している日光のホテルに泊まる。 そこで関口は、父親を殺してしまった記憶が甦ったというホテルのメイドに話を打ち明けられて悩む劇団作家と出会う。 益田は、失踪人の捜索の依頼...

日光へ。 京極堂は日光で発掘された古文書の鑑定を依頼され。 関口と榎木津はそれに同行する形で榎木津の兄が経営している日光のホテルに泊まる。 そこで関口は、父親を殺してしまった記憶が甦ったというホテルのメイドに話を打ち明けられて悩む劇団作家と出会う。 益田は、失踪人の捜索の依頼を受けて手掛かりを求めて依頼人と共に日光へ。 木場は、定年退職する老刑事と上司が引っ掛かっている二十年前の死体消失の変事を探るために日光へ。 何の関りもないと思われたそれぞれの事件になぜか重複する人物たち。場所。 それらを合成させて一枚の絵にすると、まるで存在するはずのない鵺のように。 一方、京極堂の鑑定している文書にもおかしなものが。 さらには京極堂や関口や榎木津の学友らしき女も渦中の場所へ。 前作「邪魅の雫」にも登場した公安調査庁の郷嶋までも日光に。 いったい何が起こっているのか、いたのか。 う~ん。今回は残念ながらそれほど合いませんでした。☆3で。 レビュー、ちょい辛口で失礼します。 おどろおどろしさが足りない。物足りない。17年振りの新作に期待し過ぎないようにと読んだのだが、それでも期待してしまったのかもしれません。 最後の謎解きも、う~ん。どうだろう。ネタバレになるので書けませんが、しっくりこない。 でも、おもしろかったんですよ!! 京極堂も榎木津も関口も木塲も相変わらずで楽しかった。文句なく。 でもストーリーはどうだろうと思ってしまう。 もし、あのキャラたちがいなかったら。 そんな”タラレバ”を考えるのはおかしいのかもしれない。 魅力的なキャラを作り出せるのも十分にすばらしいこと。 たとえばホームズの小説からホームズがいなかったらとか、ルパンがいなかったらとか、考えるだけで意味がないだろう。 それでも。 ただのキャラ小説にはなって欲しくない。 あくまで俺個人の感想に過ぎないのだが、デビュー作「姑獲鳥の夏」から右肩上がりにおもしろくなっていった本シリーズは、「絡新婦の理」「塗仏の宴」あたりを頂点にして下っているように感じた。 残念。 あ、ラストに巷説百物語シリーズのような化け物遣いの話が出たのはニヤリとさせられました^^ おまけ。 本書ノベルズはとある紀伊国屋書店で購入したんですが凄かったですねー。 広い店内の4か所にどさっと配置。 購入特典で付いてきた書店オリジナルのブックカバーがまた良かった。 いつもの薄茶色のカバーにでかでかと京極夏彦の文字、サインなのかな? さらに「古書肆 京極堂」の文字と共に「昭和二十五年開業 東京都中野区 墓ノ町ノ眩暈坂上ル」と。 まるで京極堂の店のブックカバーのようでした。 まあ京極堂は古本屋なんだけどな。 さらには「Rosen Kreuz」とマークまで。 これは榎木津の薔薇十字探偵社のものかな? なんとも気合の入ったブックカバー。 本来なら読んでしまえば捨てるものだが、こんなスペシャルなカバー捨てられんよ。 作家生活30周年ということもあって特別版なんだろうけど、こういう粋なことをとくに宣伝することもなくスッとやってくれる書店はカッコイイなー♪

Posted byブクログ

2023/11/18

長い長いお話の中で全体に貫かれているテーマがあるのが好き。メモしながら読み進め、謎として残ってた事が、最後一気にスッキリするのが気持ち良い。でも結局寒川はどうなったのか、気になる。そして『わはははははは!』をもっと求む。

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2023/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2ヶ月かかってようやく読み終えた。 はじめ、今回はいつもとちがって作中では何も起こらずに過去に起こった出来事をバラバラの登場人物達が追っていく話、という印象。 中盤になるにつれ、それぞれの出来事が複雑に絡み合い、一つの大きな事件と陰謀が鵼のように浮かび上がってくる。 ・・・と思いきや、最後にそれぞれの出来事は無関係で、事件も陰謀も鵼もなかったということが明かされる。はじめの印象通り、何も起こってなどいなかったのだ。 百鬼夜行シリーズらしく、読者の自分も登場人物と一緒に騙され、翻弄され、最後は京極堂に祓ってもらう、という体験ができた。 とても面白かった。

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2023/11/15

超絶★5 いくつもの謎がキメラの如く読者に襲い掛かる、17年ぶり百鬼夜行シリーズ最新作 #鵼の碑 ■きっと読みたくなるレビュー 参った…正直、気軽にレビューを書けません。怪物レベルの一冊です。 文学性と芸術性が高すぎて、何を書いても陳腐になりそう。でも本年度を代表する名作なのは...

超絶★5 いくつもの謎がキメラの如く読者に襲い掛かる、17年ぶり百鬼夜行シリーズ最新作 #鵼の碑 ■きっと読みたくなるレビュー 参った…正直、気軽にレビューを書けません。怪物レベルの一冊です。 文学性と芸術性が高すぎて、何を書いても陳腐になりそう。でも本年度を代表する名作なのは間違いないので、書けるだけ書いてみます。 百鬼夜行シリーズ、まだ『姑獲鳥の夏』しか読んでない私ですら、きゅんきゅんしちゃうほど面白い。最新作を待ってた往年のファンの皆さんは、一体どれだけ面白いのか想像もつかない。 そしてノベルズが読みやすい読みやすい(重いけど)。密かに文庫版で収集してたんですが、ノベルズで買いなおそうと思いました。 本作、物語の楽しさはもちろん、舞台になっている日光という土地や背景や、戦中戦後の歴史に学びが多い。鵼という妖怪をモチーフに作品全体が構成され、文章の細部まで美しくしたためられてゆく。さらに登場人物の行動や議論の中からは、読者に哲学や生き方の方向性すら示してくれるという恐ろしい作品。 何より、ほとんど会話しているシーンばかりなのに、なんでこんなにも面白いのか。マジで止まんないのよ。 しかもいつもキャストが、いつもの個性を丸出しなんですよね。キャラ小説としても素晴らしい。京極堂、関口、木場、榎木津、益田と、癖のある性格が相変わらずだし、厭味ったらしいやり取りも最高。イチ推しは緑川さんで、人を慮ってあげられる、しかも頭の切れる女性なんて、マジ惚れちゃう。 またストーリーのエンタメ性も抜群なんですよ。各登場人物たちが、全く別の事件や依頼事から謎を追っていくという展開なのですが、少しずつ繋がりが見えてくる。途中からノートにメモを取りながら読み進めてきましたが、この人がこう繋がって、こういうことなのか!みたいに情報まとめたり推理していくのが、めっちゃ楽しかったです。 後半、事件の背景が明らかになっていくのですが、人間の弱さと凶悪さに心が煤けてくる…でもすべての真相を知った時、悲しいながらも、物語『鵼の碑』としての綺麗さに救われ、過去から未来に生きていくべきヒントをもらえたような気がしました。 と…レビューを書いてみましたが、まだまだ真の良さが理解できていない気がするなぁ。やっぱり百鬼夜行シリーズを全部読まなきゃですね。 ■ぜっさん推しポイント 例によって本シリーズは様々な教訓を提示していただけます。 我々良い悪いの判断基準が不明確な場合、情報を探し、調査し、学び、考え、総合的に判断していく。しかし判断基準自体が存在しない場合どうなってしまうのだろう。それらしい基準を提示されたら、盲信してしまうに違いない。 本作のある人物の判断を見ると、戦争に突き進む日本と同じようなものを見た気がしました。見えているもの、見えてないもの、あるのか、ないのか、そして何が正しくて、どう判断するのか? 自身でしっかり熟慮することが大事だと思い知らされました。

Posted byブクログ

2023/11/15

久々のシリーズ新刊。 読み始めたときはそれぞれ個々に動いているいつものメンバーが少しずつ集まってきて一つの事実に辿り着く流れ。何処で繋がるかわからない状態から、読み進めていくうちに繋がっていくのが非常にスッキリと気持ちが良かった。 何度かにわけて読んだせいもあり、前に読んだところ...

久々のシリーズ新刊。 読み始めたときはそれぞれ個々に動いているいつものメンバーが少しずつ集まってきて一つの事実に辿り着く流れ。何処で繋がるかわからない状態から、読み進めていくうちに繋がっていくのが非常にスッキリと気持ちが良かった。 何度かにわけて読んだせいもあり、前に読んだところの記憶が薄れているところもあったせいで行きつ戻りつしながら読んだものの、中禅寺が何をしているのかがいつも以上に見えなかった。 後半はやはりそれぞれの繋がりが見えてきて読み進めやすかった。

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2023/11/11

17年待たされた京極堂シリーズ長編。 また懐かしき登場人物達が集結してくれたことに喜び。 本作も中禅寺の決め台詞、「この世に不思議なことは何ひとつ無いのだよ」に収束される物語であったけど、人間の縁、そして想いというものが織りなす謎とその物語の終演は愛読者に17年の時を納得させてく...

17年待たされた京極堂シリーズ長編。 また懐かしき登場人物達が集結してくれたことに喜び。 本作も中禅寺の決め台詞、「この世に不思議なことは何ひとつ無いのだよ」に収束される物語であったけど、人間の縁、そして想いというものが織りなす謎とその物語の終演は愛読者に17年の時を納得させてくれる出来でした。次は待たされることない続編を期待します。

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2023/11/10

ご無沙汰な新刊です。 相変わらず、始め読み進めているときは、混乱が積み重なって闇の中をぐるぐるしている気分ですが、謎が解けるわけでもないのに、エノさんが出てくると、光が見え、読むペースが加速する。

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