空鳥(ヌエ)の碑 の商品レビュー
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4センチ越えのお弁当箱サイズ、再来! 本当にお久しぶりで、もう皆さんにお会いできないと思っていたから、年度替わりのバタバタのなか、必死で読んだ。 中禅寺と共に日光のホテルに滞在する関口は、劇作家の久住と出会う。久住はホテルの女中に「人を殺した」と告白されて悶々としていて。 薔薇十字探偵社の益田の元に、旅に出たまま戻らない婚約者を探してほしいという女性の依頼人が。 木場は引退した老刑事の慰労会で聞いた、二十年前に起きた3体の遺体が消えた事件を追う羽目に。 中禅寺は学僧、築山の依頼で輪王寺の敷地内で発掘された古文書と教典らしきものの調査に明け暮れて。 病理学者の緑川は二十年疎遠にしていた大叔父の遺品整理に村はずれの診療所を訪れ、マタギの老人と出会う。 日光の神社仏閣について、東照宮について、朝廷と幕府とは。 戦前戦時中の思想。あれこれがいろんな角度から語られて、パンクしそうに。 それぞれが「鳥」からスタートして、様々な情報や人間関係に翻弄されて、一緒にこちらもモダモダする。 早く榎木津さん出てきてバーンと観てよ、と期待していたのに、出てきたら騒ぐだけで余計に混乱。やはり、最後は中禅寺さんが祓ってくれた。 長くて本当に必要なのーと何度も思うんだけど、最後に行きつくとストンと落ち着くところに落ち着くような気持に。これが忘れられずにまた読んでしまうだな、きっと。 それにしても久しぶりすぎて、刑事さんたちとか築山さんとか忘れてしまってるなあ。 「科学的思考と云うのはそれらしいことを丸飲みで信じ込むことではないんだよ、築山君。疑い、考え、徹底的に検証すること、そしてそれが証明出来なければ解らないとする姿勢こそが、科学的思考だ。」
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久しぶりの鈍器、読了しました。 姑獲鳥の夏を初めて手に取ったのは三年前。番外編含めシリーズを一気に半年ほどで読み切り待つこと今に至る。 長年のファンに比べたら大したブランクではないものの、あちこち忘れているところが当然ありまして。本編、番外編、登場人物にまつわるあれこれが、ちら...
久しぶりの鈍器、読了しました。 姑獲鳥の夏を初めて手に取ったのは三年前。番外編含めシリーズを一気に半年ほどで読み切り待つこと今に至る。 長年のファンに比べたら大したブランクではないものの、あちこち忘れているところが当然ありまして。本編、番外編、登場人物にまつわるあれこれが、ちらほら出てくるんですよ。その度いちいち、ああ読み返したい、でもムリ!と思うのです。 メンバーは皆様お変わりなく(それもそのはず劇中では前作から半年も経ってないのだから)、懐かしくも愛おしく元気そうで良かった!などと感慨に耽ることができます。関口の陰鬱っぷりも相変わらずでイライラします。 さて、内容についてですが。 ひたすら繰り出される多量の蘊蓄に必死について行くという苦行はいつも通りでしたが。これまでの作品らしいオカルトホラー感はあまりなく、それぞれの懊悩も何だか軽め。どうかと思うような偏執的嗜好も見受けられず。 纏わりつくような独特の湿度は無かったような。全般ライトな印象でした。 そりゃあそうよね。 だって、事件が◯◯◯◯◯◯んだもん。 一言でいうなら「長尺の番外編」な感じ。それくらい京極堂も榎木津も出番とインパクトが少なめだったから。 でも、まあ、かつえていた百鬼夜行シリーズ欲は満たされました。次回作が楽しみです。 脳内配役は 郷嶋郡治→遠藤憲一 緑川佳乃→安達祐実 で読みましたよ。
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京極堂シリーズ、久しぶりの新刊!! 現実では20年くらい経っていて、読者である私も彼らの年を追い抜いたけれど、作中は『姑獲鳥の夏』から1年半しか経ってないんだって。 舞台は日光、ゲストキャラクターの緑川佳子は賢くてさっぱりした中禅寺たちの旧知の仲(いつのだろう?彼女は女学校に進学...
京極堂シリーズ、久しぶりの新刊!! 現実では20年くらい経っていて、読者である私も彼らの年を追い抜いたけれど、作中は『姑獲鳥の夏』から1年半しか経ってないんだって。 舞台は日光、ゲストキャラクターの緑川佳子は賢くてさっぱりした中禅寺たちの旧知の仲(いつのだろう?彼女は女学校に進学した後、医者になったようだけど…)。 ほとんど全ての主要人物に会った彼女を通してみると、京極堂たちの同窓会に参加したみたいだったねぇ。 分厚いけれどサクサク読めた。
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今回はそれぞれの謎が絡み合い複雑化していったものを京極堂こと中禅寺が解決する。舞台は日光。久しぶりに発売された百鬼夜行シリーズでしたが、相変わらず楽しかったです。毎回、色々な知識と最高のカタルシスをくださる本。これが最新作なので、新作を早く!
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・読み終わった〜。 ・久々に京極堂シリーズを読んだ。というか京極夏彦が久々か。 ・読み始めて早々、あ〜これこれこの感じ、となって非常に楽しかった。 ・読後感としては相変わらず煙に巻かれた様な感じだけど、楽しかったから良し。 ・分厚く読むのに時間がかかったけど、体感としてはスイスイ...
・読み終わった〜。 ・久々に京極堂シリーズを読んだ。というか京極夏彦が久々か。 ・読み始めて早々、あ〜これこれこの感じ、となって非常に楽しかった。 ・読後感としては相変わらず煙に巻かれた様な感じだけど、楽しかったから良し。 ・分厚く読むのに時間がかかったけど、体感としてはスイスイ読める感じ。この感じも懐かしい。 ・この文体ってやっぱり発明だよな、とか読みながら思った。 ・シリーズ物の良い所。馴染みの登場人物達が相変わらずな感じの活躍(って程してない様な気もしますが今回は)で、出てくる度にあ〜久しぶりって感じでそれも楽しかった。
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17年ぶりの京極堂が登場するシリーズ長編。 今回は不思議なことがほとんどなく、登場人物ごとに違う謎を追いかけるような形で物語が進んでいき、最後にそれら全てが京極堂の言葉で解決する。 刑事の木場が追いかけている事件はかなり昔に3人の死体が無くなった先輩刑事の疑問を解決するものであり、関口は知り合ったばかりの人と同じホテルの従業員の昔話の真実を突き止めることであり、探偵の益田は人探しの依頼をうけ依頼人と共に探すため日光を向かう。 その日光で緑川、京極堂、榎木津、益田。関口、木場たちは出会うことになる。 原子力爆弾を開発する機関の依頼を受け、問題の地で実験をしていた訳だが、原子力に反対する者たちが集まりフェイクの実験を繰り返していたことが謎の答えとなるのだが、フェイクを知らない者たちのにより、色々な謎が生まれてしまっていた。 面白い話なんだが、長すぎるのと、各パートに物語が分かれているので、頭の中で話がバラバラになってしまい、読み返すという作業が頻繁におこり、イマイチ楽しめなかったのでこの評価にした。 一気に読んでしまう人にとってはもっと良い評価になることだろう。
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大作でした。 ただ読み終わってから思うと事件らしき事がなかなか起きてなかったなぁと思いました!。一体どこが事件なのって感じでした。 最後の謎解きにいたってようやく全体像が把握出来ました。 いつものメンバーがいつもの通りの活躍でどんどん読み進めて一揆に読了しました。この厚さを一気に...
大作でした。 ただ読み終わってから思うと事件らしき事がなかなか起きてなかったなぁと思いました!。一体どこが事件なのって感じでした。 最後の謎解きにいたってようやく全体像が把握出来ました。 いつものメンバーがいつもの通りの活躍でどんどん読み進めて一揆に読了しました。この厚さを一気に読み終わらせるテクニックは対したものですね!。
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「この世に不思議な話など何もない」との不思議な話は、健在でした。また、他の京極堂シリーズを読みたくなりました。
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学生の時、はまったよなあ。 とにかく長いんだけど、 やっぱり最後がどうなるか気になるから、 読むしかない。 欲を言えば、もうちょっと馴染みのキャラに 活躍してほしかったよ。 それとも、こんなもんだっけ?
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「僕は考えました。そして、最近になって少しだけ解ったような気がするんですよ」 「解ったと云いますとー」 「僕に何かを期待しているのは誰でもない、僕自身なんですよ。最初の失敗を取り返そうとしているのか、それともそれが失敗だと思いたくないのか、それは判らないんですが、兎に角、何かを期...
「僕は考えました。そして、最近になって少しだけ解ったような気がするんですよ」 「解ったと云いますとー」 「僕に何かを期待しているのは誰でもない、僕自身なんですよ。最初の失敗を取り返そうとしているのか、それともそれが失敗だと思いたくないのか、それは判らないんですが、兎に角、何かを期待しているのは僕なんです。それだけのことです」 「誰かのためじゃなく、自分のためなんですよ。それって、或る種の自己正当化なんでしょうね。それを認めたくないから、他人のためなんだと無理矢理に思い込もうとする。だから背徳くも感じる。結果が出るのが怖い。怖いから先延ばしする。」
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