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うるさいこの音の全部 の商品レビュー

3.4

107件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2024/09/07

外の世界と隔離できればいいけどそうもいかないし、求めるものにきちんと返さなければ、という意識が働く人にとってはつらいよな、と。 表紙にもうるささが表現されていた。

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2024/09/18

相手から求められている(だろう)自分を解釈してそれであろうとしている、仕事でも私生活でも。 それを取り払った時に得られるものは良いのか? 自分でやりたいように自分であればいいと思う

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2024/08/27

ホラー小説だった。 文学賞を受賞しただけなのに、周囲の不穏な空気を感じる主人公。日常が浸食されていく様がまさにホラーだった。

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2024/08/19

この本は、わたしの日常生活に、 曖昧さを与えてくれた。 読んでいたら、 小説なのか?現実なのか? わからなくなる感覚があった。 途中で何度も、 ページ行ったり戻ったり、 そうゆう話はひさしぶりだった。 頭の中で、ぐるぐる考えてしまう私には、 共感できる部分が沢山あった...

この本は、わたしの日常生活に、 曖昧さを与えてくれた。 読んでいたら、 小説なのか?現実なのか? わからなくなる感覚があった。 途中で何度も、 ページ行ったり戻ったり、 そうゆう話はひさしぶりだった。 頭の中で、ぐるぐる考えてしまう私には、 共感できる部分が沢山あった。

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2024/08/14

今年の25冊目。星3.2。おいしいごはんが食べられますように で芥川賞を受賞した作家さんの作品です。個人的に、芥川賞系統の本は得意じゃないというか、ああいう感じの文章が好きではないのであまり触手が動かないのだけど、高瀬さんの受賞作は芥川なのにエンタメ性も高くて、読みやすくとっつき...

今年の25冊目。星3.2。おいしいごはんが食べられますように で芥川賞を受賞した作家さんの作品です。個人的に、芥川賞系統の本は得意じゃないというか、ああいう感じの文章が好きではないのであまり触手が動かないのだけど、高瀬さんの受賞作は芥川なのにエンタメ性も高くて、読みやすくとっつきやすかったのが印象的だったから、別作品も読んでみたいなあと思っていた。 今回のも比較的読みやすかった!が、終盤に行けば行くほど、純文学感が増していって、ちょっと苦手になっていったかも笑。とはいえ、世界観のグラデーションの付け方は見事だった。 作家である主人公の日常と、主人公が小説として書いている世界とが、最初は読み手である我々にも明確に区別できるのだが、途中から「どっちがどっち?」と判別がつかなくなってきて、それが「作家としての、ペンネームの自分」と「一個人としての、本名の自分」の境目が危うくなってくる主人公のまなざしとリンクしていく感覚。読書にまるで主人公の隣にいるような感覚にさせる筆力がすごいなと感じた。"うるさいこの音"というのが、最初は周囲の雑音かと思っていたけど、読み進めていくに連れてこれは自分の心の声や雑念のことも含めて言っているのかもしれない、と思った。

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2024/08/12

おいしいごはんをたべられますようにと同じ作者の方の本だった。あの本を読んだ時と同じいやさがこの本にもたくさん散りばめられていた。勝手に決めつけてくる人、心の境界線を軽々と超えてくる人 小説家の日常と取り巻きをここまでありありと書くとは。現実とフィクションの境目がわからなくて戸惑う...

おいしいごはんをたべられますようにと同じ作者の方の本だった。あの本を読んだ時と同じいやさがこの本にもたくさん散りばめられていた。勝手に決めつけてくる人、心の境界線を軽々と超えてくる人 小説家の日常と取り巻きをここまでありありと書くとは。現実とフィクションの境目がわからなくて戸惑うところが多々あった。

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2024/08/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の朝陽の身の回りにはズケズケ物を言う人が多い。 朝陽はそんな人達の無神経さに辟易しながらも、こんな風に思ったことをそのまま言えたら良いのにって羨ましくも感じている気がする。 この小説、朝陽の心の声も周囲からの声もとにかくめちゃくちゃうるさいんだよな。 一回長期休暇取って離島にでも行ってくれば?って言いたい。笑 そんな外や内からの「うるさいこの音の全部」が、ゲーセンの音が少しずつ朝日の耳を傷つけているように、朝陽の心を傷つけているっていうことなのかな。 『耳が傷ついて、確かに聞こえなくなっている音があるのだろう。でもそんなものは、実感していないのだから、初めから存在していないのと同じだ。』(p21) 朝陽は周囲の人みたいに素直に心を表現できないんだけど、それができない自分の繊細な感受性も自覚していて、こんな自分だからこそ小説が書けるんだとも思っているんだろう。 実生活の自分ができないからこそ、身の回りで起きたエピソードを元に感じたことを素直に小説で表現したら、他人からは「自分をネタにされている」って捉えられたり…きっついだろうなぁ。 そういえばこの本を読んで、児玉雨子の「誰もにも奪われなくない」を思い出した。 『わたしをわたしたらしめる何かを誰にも奪われたくない。でも、守ろうとしているそれがわからないままでいる。』(誰にも奪われたくない」p94) これを読んだ時に正直あまりしっくり来なくて、自分と社会が混ざり合う事で自分らしさが曖昧になっていく感じは何となくわかるんだけど、「奪われる」ってどういうことだ?って思ってた。 だけど「うるさいこの音の全部」を読んで、自分の大事な物を守りながら社会で生きていくためには、自分がすり減ってしまうような感覚なのかなーと少し腑に落ちた気がする。 『こういう気持ちを、朝陽も有日も、誰にも知られたくない。秘密にしておきたいのではなくて、存在することを知られてもいいから、受け渡したくないのだ。分かんないだろおまえら、と相手も定かではないまま喚き散らしたい。知られたくないんだこんなことは。書きたくないのに書いてしまうんだ。書きたくないことが書きたいことである時が、あるんだ。そんな日ばかりなんだ。』(p177) この表現すごい。 高瀬隼子さんの作品、これからもたくさん読みたい。

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2024/08/03

有名になるとにわかに親しげに連絡してくる知人たち。作家ではない素の自分と接してほしいのに、作家という前提が拭えなくなり、そのこと自体も疑問に思わない周囲の人々たち。なんとなくつらい。

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2024/09/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私小説のように思えてくるけど、だとしたら高瀬さんもそうやって詮索されることにうんざりしているから私小説だと思ってはいけないような気がしてきて、絶妙。 高瀬さんの実際のサインが楷書ということが激アツ。 "言いかけて止めるためだけに、言いかけたのだと思った"というところ、どうやったらこんな文が思いつくのか、、

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2024/07/03

交互に出てくる現実と執筆とが、文体の違いで表されてるのが、ようやくわかった。 相手に求められてる反応ができてるか常に気にしちゃう自分が、小説では思い切りよく行動してる。その小説が現実に近づいていくのに、幽霊的な非現実の内容になっていく交差感。自分のこと理解してほしいと思いながらも...

交互に出てくる現実と執筆とが、文体の違いで表されてるのが、ようやくわかった。 相手に求められてる反応ができてるか常に気にしちゃう自分が、小説では思い切りよく行動してる。その小説が現実に近づいていくのに、幽霊的な非現実の内容になっていく交差感。自分のこと理解してほしいと思いながらも、架空の自分を積み上げていく矛盾。いろいろ計算して、新しい試みを取り入れて、出来た本ってカンジ。 一方で、書きたくないけど書きたい、苦しいけど手放したくない、不安すぎて気持ちいい…作家のもがきは、リアルでヒリヒリした。 書き方はおもしろいけど、登場人物に魅力がなさすぎて、読み進めるのに努力が必要…

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