レーエンデ国物語 月と太陽 の商品レビュー
24/05/11 最後に物語の完成度を一段上げる語りを用意しているの、1作目と同じ。 肩入れする登場人物はいなくて、カタルシスも控えめだけど、壮大な歴史を物語として読んでいる満足感がある。タイトルが示している通りなのよね。
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戦記物として読めば面白かった。 しかし???な事はいくつかある。「残虐王」ルチアーノを最初にぶち上げておいて後述で触れる程度の扱いってのはどうなんでしょう? そもそも1話でユリアが政略結婚受け入れておけば、こんな革命云々の話にならないのに。
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第1作から100年後という設定。 帝国の圧政下、弱き者が虐げられ虫けらのように殺される、そんな世界を変えたいと立ち上がったのはレーエンデの村のひとりの少女だった。 生来の怪力とカリスマ性をもって革命の英雄へと駆け上がる物語は、あまりにも過酷で、目を背けたくなるほどおぞましい戦争の現実が描かれる。 とりわけ、幼な子まで虐殺され、女性が性暴力を受ける場面は何度もあり、読み進めるのが苦しくなる。 最後、レーエンデの自由のために命をかけて戦ったテッサは、そのレーエンデの民に裏切られ、帝国に追いつめられて処刑される。城壁の上に何日も晒され、水も食料も与えられず暴行を受け無残に死んでいった英雄の姿は、前作のトリスタンの美しい死とは対照的にあまりにも醜く惨たらしい。それなのに、テッサは死ぬまで希望を失わず、未来に再び革命が果たされることを信じていた。自らすすんで一粒の種となり地に落ちて、それがいつか芽吹き人々の糧となるために犠牲になる、その高潔な魂はこの上なく美しく心を揺さぶる。 しかし、愛する人を救えなかったルーチェはレーエンデの民を決して許さなかったのだろう。純粋で優しかった少年が「残虐王」と呼ばれるような恐怖政治をしいたのはその復讐でもあり、レーエンデ人に真の絶望と危機感を与えることによって、次こそ革命を成し遂げる者が現れることを願っていたのかもしれない。
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自分の愛する場所や人を守るために、自らが戦場に赴き敵国と戦うテッサとそれを支えるルーチェ。 最終章では残虐王と呼ばれることになるルーチェだが、その真の目的が4巻目でようやく理解できた。 テッサ・ダールの芯は根強く、死後もなお受け継がれていくことになる。 それぞれの思いや決意が大勢...
自分の愛する場所や人を守るために、自らが戦場に赴き敵国と戦うテッサとそれを支えるルーチェ。 最終章では残虐王と呼ばれることになるルーチェだが、その真の目的が4巻目でようやく理解できた。 テッサ・ダールの芯は根強く、死後もなお受け継がれていくことになる。 それぞれの思いや決意が大勢の人々を動かすことがどれだけ大変で難しいことか、改めて感じた。 思ってるだけじゃ何も変わらない、自らが動かなければ自分の意思を伝えることはできない。
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ファンタジーは好きではないが、本屋大賞ノミネートとのことで読んでみた 2巻目から読み始めたが 期待は良い方向に外れ ストーリー展開もよく面白かった テッサ・ダール とってもかっこいい
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前作よりは世界観がわかっていたからか、ページ数の割に早く読めたかも。 革命の話に生死はつきものだけど、割と主要キャラでもバンバン死んでいくから感情が大変です。しかも結構えぐい死に方をしていきますよね…。まぁしかたないんだが。 まぁ、国を取り戻すってこういうことだよね…と、うっすら十二国記を思い出しました。 ルーチェは拗らせましたね。気持ちは分からんでも無いが、そこに至るまでのあれこれを考えて鬱々としてしまいました。 次作読む前に何か癒し系の本を読んでからにしようと思います。
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大人のための王道ファンタジーと銘打たれた「レーエンデ国物語」シリーズ第二弾。 少年は大人になり、少女は英雄になった。 前作の主人公ユリアの時代から百数十年の後、名家ヴァレッティ家の次男ルチアーノは、就寝中に何者かに襲撃され、父も母も殺され、レーエンデの東にあるダール村へ流れ着...
大人のための王道ファンタジーと銘打たれた「レーエンデ国物語」シリーズ第二弾。 少年は大人になり、少女は英雄になった。 前作の主人公ユリアの時代から百数十年の後、名家ヴァレッティ家の次男ルチアーノは、就寝中に何者かに襲撃され、父も母も殺され、レーエンデの東にあるダール村へ流れ着く。その村の少女テッサに拾われ、彼女の家族に養われることになったルチアーノは、身分を隠しルーチェと名を変えて生きることを決意する。穏やかな日々を送るルーチェだったが、村の危機に際し、怪力を誇るテッサは戦場に赴くことに。 驚いたのは、主人公も、時代も、完全に変わったことだ。何なら、レーエンデ自体も様変わりしている。しかし当然といえば当然である。これは「国」の物語なのだから。前作で魅了されたユリアもトリスタンも、この時代にはもういない。しかし、物語は地続きであり、さりげなく彼らのことが語られもする。本書の物語は前作以上に壮大で、運命は凄惨である。幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたしとはならない。国がそこにある以上、大団円はないのである。 というわけで、即座に続く3巻を手に取った。
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レーエンデ国物語の1巻も終わりに納得できず、2巻もテッサがなんとかしてくれると読み進めたら悲しい結末で、レーエンデの未来が気になって気になって仕方なくなった。1巻を読み終わってから頭の中にレーエンデの世界がずっと広がっている。
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辛い、苦しい、悲劇、結ばれずに死んでいく人々 そればかりの物語なのに読んでしまう。 序章で、「え?そんな禍々しい話なの?」と思ったことが終章で、そういうことか、となった。 レーエンデ国物語はいつ報われるのかな
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今回も壮絶な戦い、大きな決断の物語でした。 前作、ヘクトルとユリア、そしてトリスタンが 始めた革命から約100年後のお話です。 元を辿れば、誰だって悪くないのに、 誰しもが悪人になってしまう時代。 悪くない、悪くないのに………。 悔しくて悲しくて、涙が流れてしまう。 ルーチェとテ...
今回も壮絶な戦い、大きな決断の物語でした。 前作、ヘクトルとユリア、そしてトリスタンが 始めた革命から約100年後のお話です。 元を辿れば、誰だって悪くないのに、 誰しもが悪人になってしまう時代。 悪くない、悪くないのに………。 悔しくて悲しくて、涙が流れてしまう。 ルーチェとテッサの思う幸せを見届けたかっただけなのに!!! 100年が経っても国は変わらない、を見せつけられてしまって読了後は心がポカンと。 この革命の結末を見届けるまで、深くレーエンデ国に入国し続けたいと思います
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