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百年の子 の商品レビュー

4.3

142件のお客様レビュー

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2023/10/13

家族、友達、こじれた関係、祖母の生き方 タイトル100年の子、思い出はいろいろだが、懐かしく読ませていただいた女性は本当に強い

Posted byブクログ

2023/10/09

ひとりでは到底立ち向かえない時代の流れに 屈するでもなく 逆らうでもなく 受け入れてその先へ行く 「後悔のないように。」 爽やかすぎる祖母の生き様に グッと来ました。

Posted byブクログ

2023/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「マカン・マラン」の作者さん。 文章が硬めで印象がガラリと違っていました。 文林館という出版社につとめる明日花が、自社の創業100周年を記念した企画を担当する。 そのなかで知り得た、歴史や家族のこと…。 明日花は令和の「コロナ禍」という戦いのなかで学年誌に関わることになる。 当時を生きた人たちの目線で、学年誌が子どもたちに求められていたか、どのように作られていたかを追いかけていく。 昭和20年頃には学年誌はすでに発行されており、有名作家も連載し子どもに夢を与えるものだった。 しかし読めるのは一部の子で、貧しい家の子は学校にも行けず働きに出るような時代だった。 楽しみだった学年誌も戦争により内容もかえられていく。 戦況の動向で子ども向けでさえ厳しく制限された出版物。学年誌もそうせざるを得なかった。 戦後二十年、昭和40年代には学年誌の絶頂期。 各学年ごとに発行され、人気マンガの掲載、たのしい付録もついてきた。 架空の名になっているが、これは小学館の史実に基づいている。 出てくる作家やマンガ家の名ももじってあるが、あ〜あの人!あの作品!とニンマリする。 子どもにも文学を!と息巻く若手編集者の奮闘が書かれている。 じつは子どもは人間の影や裏も感じとり、自分で理解する力を備えている。 それを疑似体験できるのが読み物で、そのためにも児童文学は必要だと、この編集者は目覚めるのだ。 これは私も共感できる部分で、読書は作品のなかでどこへでも行けるしどんな人にもなれるし、さまざまな感情を引き出す。 令和に生きる明日花。彼女の不満は女性なら誰しも一度は感じたことのあるもので共感する。 女性や子どもが主張できる時代になっている、まだそれが100年そこそこしか経っていないというのも印象的だった。 明日花と、祖母と、編集者だった野山、三者の時代と学年誌の取り巻く環境はおおきく変わっていく。 史実を基にしているので戦争の重い話で、硬い文章だったけれど、ラストはうまくまとめ上げて、小説って素晴らしい!と感じさせてくれる。

Posted byブクログ

2023/10/01

小学館をモデルにした文林館の100周年事業に携わることになった女性が、この社の柱となる学習雜誌の100年の歴史を紐解いていくことにより、家族とのこじれた関係を修復していく。 特に最終章がすばらしかった。 人間の歴史は100万年。でも子どもと女性の歴史は100年。 戦前の子どもと...

小学館をモデルにした文林館の100周年事業に携わることになった女性が、この社の柱となる学習雜誌の100年の歴史を紐解いていくことにより、家族とのこじれた関係を修復していく。 特に最終章がすばらしかった。 人間の歴史は100万年。でも子どもと女性の歴史は100年。 戦前の子どもと女性の立場と、今の子どもと女性の立場は変わったのだろうか。タイトルの意味、仕事の携わり方、子どもと女性の立場。様々なことを考えさせられた。 本当にこの本と出会えて良かった。

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2023/10/05

主人公の明日花が抱えているわだかまりの一つ一つが、文林館の100周年の準備を進めるうちに少しづつ解消されていく様子がとても良かった。 人には偏見を持ち、仕事にはやり甲斐を失い掛け、よく有る事だけど、自分の心の持ち方一つ、考え方一つでその見え方が変わってくる。 親子三代。近過ぎるか...

主人公の明日花が抱えているわだかまりの一つ一つが、文林館の100周年の準備を進めるうちに少しづつ解消されていく様子がとても良かった。 人には偏見を持ち、仕事にはやり甲斐を失い掛け、よく有る事だけど、自分の心の持ち方一つ、考え方一つでその見え方が変わってくる。 親子三代。近過ぎるからこそ捻れた感情に潰されてしまう。親子だからこそのわだかまり。お母さんのわだかまりが消えたことがとても良かった。 そして毎回思うことだが、この本を書く為にどれだけの本を読み下調べしたのかと考えずにはいられなかった。 マカンマランから待っていた新作は、期待を裏切らないどころか遥かに超える良い感動を与えてくれた。 そして、マカンマラン同様、読後感もとても良かった。

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2023/09/29

「小学1年生」を読んでいた昔のことを思い出しながら、あの雑誌もこんな思いを持った人達が作っていたのかなと考えた。 今でも覚えている付録がいくつかあって、それが学びのきっかけになったこともあったから、その思いに応えられたと言えるのかも。 祖母スエさんの考え方、生き方がとにかく素敵で...

「小学1年生」を読んでいた昔のことを思い出しながら、あの雑誌もこんな思いを持った人達が作っていたのかなと考えた。 今でも覚えている付録がいくつかあって、それが学びのきっかけになったこともあったから、その思いに応えられたと言えるのかも。 祖母スエさんの考え方、生き方がとにかく素敵で、こんな年の重ね方をしたいと思った。 出版業界、日本の100年を振り返りながら、じっくり色々なことに思いを巡らす、良い読書時間だった。

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2023/09/28

戦中と現在の、お仕事小説。 戦争に対しての思いや、子供の権利、男女格差、親子の確執など、重いテーマがどんどん現れる。 でも、お仕事小説の体を取っているから、個人の話として読むことができる。 参考文献には、仮名で出てきた作家たちの、著書が並ぶ。私はそこで、小説の世界が現実にぐっと近...

戦中と現在の、お仕事小説。 戦争に対しての思いや、子供の権利、男女格差、親子の確執など、重いテーマがどんどん現れる。 でも、お仕事小説の体を取っているから、個人の話として読むことができる。 参考文献には、仮名で出てきた作家たちの、著書が並ぶ。私はそこで、小説の世界が現実にぐっと近づいたように感じ、深い満足と共に現実に戻ってきた。私も、重いテーマたちをあきらめることなく考え続けたいと思う。

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2023/09/27

マカン・マランシリーズが有名な作家さん。 この小説は、文林館(小学館がモデル?)という出版社の100年を背景に主人公の明日花とその母、そして、祖母の生き方や相互の関係性などが、手に取るように描かれています。一気読みでした。 文中より 明日花 という名前は、 スエと待子の明日...

マカン・マランシリーズが有名な作家さん。 この小説は、文林館(小学館がモデル?)という出版社の100年を背景に主人公の明日花とその母、そして、祖母の生き方や相互の関係性などが、手に取るように描かれています。一気読みでした。 文中より 明日花 という名前は、 スエと待子の明日に向かって咲く花だ。 子どもは自由に伸びていくもの そこに蓋をするべきではないとした文林館創業者の理想を、100年後の今もなお、我々は暗中模索していることになる。 今をこれからを生きていく私たち、 胸を張って、明日を生きるぞ!って、 夏バテの疲れた心に、 ビタミン補給できた、かな。

Posted byブクログ

2023/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Kindleで読んだ。 明日花は、自社が出版する学年誌の歴史を調べるうちに、今は認知症の祖母が、戦中、学年誌の編集に関わっていたことを知り…。戦中~令和の出版界を舞台に、子ども、女性、母親が人生を摑み取る姿を描く大河小説。 「小学館」がモデル。 小学館の始まりが学年別学習雑誌だったなんて知らなかった。 戦中のスエパートと戦後の野山パート、どちらも興味深く読んだ。 戦中の「学びの一年生」を知る人が『黒歴史』だと言う、戦時中の誌面。 戦争がすすむにつれてどんどん戦時色が強くなり、大政翼賛会監修の下、「死してのち生きる」と誌面に書かれていたのは衝撃だった。 さらに、戦後は“これまで散々「鬼畜」呼ばわりしてきた米兵を、「タクサンキマシタ アメリカヘイ ミンナイイ人 コドモズキ」”と、今までとは逆のことを書いている。 子どもも大人も、何を信じればいいのか分からなかっただろうな…。

Posted byブクログ

2023/09/27

久しぶりに古内一絵作品を読んだ どんな作品を読んでも、引き込まれるし、感動する これからもファンでい続けたい この作品に出てくる子供たちのように 時代が100年の間を彷徨い、多くのことが起こる 祖母が なるほど、流石だ

Posted byブクログ