百年の子 の商品レビュー
古内一絵さんの作品で一番好き。 小学館と思われる出版社の百年を、令和と昭和を生きた孫娘と祖母の 姿を通し、浮き彫りにしている。 わたしは、まさに高度成長期の学年雑誌画最盛期のリアル読者。 そうそう、あったあった、と思わせられながら、学年雑誌のあれこれも楽しんだ。 秀逸だったのは...
古内一絵さんの作品で一番好き。 小学館と思われる出版社の百年を、令和と昭和を生きた孫娘と祖母の 姿を通し、浮き彫りにしている。 わたしは、まさに高度成長期の学年雑誌画最盛期のリアル読者。 そうそう、あったあった、と思わせられながら、学年雑誌のあれこれも楽しんだ。 秀逸だったのは終戦の日。 もう号泣。 説明過多にもならず、物足りなくもなく、ズバッとあの日を描き出している。 数頁の中に、庶民の哀しみ、怒り、身勝手さが描かれていて、 記憶にあるフィクションで終戦の日の描き方としては、秀逸に感じだ。 他にも個人的な思いは多々あるが、それはまた別の所で。
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戦時中戦後と現代を交互に行き来する構成の物語でした。現代では認知症を発症したおばあちゃんだけど、その人生の濃さというか深さが感じられ自分や家族の日々について、今人生の進行中なんだなと思いました。
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某雑誌の歴史と主人公の家族の歴史に、ここ数年の私たち自身の歴史が重なって読み応えがありました。人の思いは折り重なって知らず知らずのうちに誰かと誰かを繋げているんだろうなあ、と思いました。それに気づかないまま一生を終える人の方が多いから、こういう本を読むと、幸せな気持ちになります。
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好きな作家さん。読後にはいつも勇気を貰っている。今作は今を生きる編集者が過去、自分の祖母も同じ出版社に携わっていた事を知る所から終戦後の出版界の在り方や当時の作家等の事と共に現代と昭和期を交互に展開していく。 人類の歴史は百万年、だが、子供と女性の人権の歴史はまだ百年に満たない。...
好きな作家さん。読後にはいつも勇気を貰っている。今作は今を生きる編集者が過去、自分の祖母も同じ出版社に携わっていた事を知る所から終戦後の出版界の在り方や当時の作家等の事と共に現代と昭和期を交互に展開していく。 人類の歴史は百万年、だが、子供と女性の人権の歴史はまだ百年に満たない。て言うフレーズが心に残る。
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贔屓の作家さんなのですが、戦時中から時系列を前後させる展開や構成が以前読んだ著書2作品に類似していて若干の物足りなさはありました。NHKの朝ドラになりそうな事実をヒントにしたフィクションなので初読みだったら星5だったかもしれません。
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納得できない異動。 おばあちゃんの名前を見つけてから 面白くなっていく。 スエさんの話、戦時中の話は少し辛い。 彬の話が面白い。 戸塚治虫→手塚治虫だよね。 トキワ荘だし。 ドラえもんについても少し触れている。 2人組の作家とから連載が取れたと。 神田界隈の出版社の若手社員による...
納得できない異動。 おばあちゃんの名前を見つけてから 面白くなっていく。 スエさんの話、戦時中の話は少し辛い。 彬の話が面白い。 戸塚治虫→手塚治虫だよね。 トキワ荘だし。 ドラえもんについても少し触れている。 2人組の作家とから連載が取れたと。 神田界隈の出版社の若手社員による懇親会。 出版労働組合の集まり。そこで他者の編集に、児童文学を読んだのか?と言い合いになるところで、たくさん名作の名前が上がり興奮する私。 「ふたりのロッテ」 「クリスマス・キャロル」 「水の子」 「シャーロック・ホウムズの冒険」 「海底二万里」 「宝島」 「飛ぶ教室」 「ナルニア国物語」 「鐘のなる丘」 「ビルマの竪琴」 学年誌とは、児童に興味を持たせる編集をして、読むこと、書くこと、新しく作り出す力を養い、"1人で学ぶことの楽しさ"を身につけてもらう。というのが創始者の発想。 展示会では、百年分の連載を並べる。 時代が見えてくる。 会社の百年企画の仕事をしている時に、 祖母がこの会社にとってとても重要な人物だったことを知る。 母とゆっくり会話できて良かった。雪解け。 ラストの謝辞で明らかになったが、 これは小学館の歴史。 いくつかの事実をヒントにしたフィクション。 参考文献の量がものすごい。 読後感は爽快。 西浦裕太さんの彫刻も素敵。
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胸が一杯だ。 出版界を舞台に、戦中戦後の激動の時代を生き抜いた祖母と令和に生きる孫を描いた壮大な物語。 小学館の学年別学習雑誌の歴史と共に描かれるのは、戦争の悲惨な光景と女性の生き辛さ。 幼い頃から読み耽った懐かしい雑誌や実在した人物が眼前に浮かび上がり、物語世界に没入出来た...
胸が一杯だ。 出版界を舞台に、戦中戦後の激動の時代を生き抜いた祖母と令和に生きる孫を描いた壮大な物語。 小学館の学年別学習雑誌の歴史と共に描かれるのは、戦争の悲惨な光景と女性の生き辛さ。 幼い頃から読み耽った懐かしい雑誌や実在した人物が眼前に浮かび上がり、物語世界に没入出来た。 出版社で働く28歳の明日花と、明日花を慈しみ育ててくれた祖母スエに起きた奇跡、確執を抱えていた明日花と母親。 全ての事象には理由があり皆の根底にある愛情の深さに胸が熱くなった。 祖母の生き様に感銘し私達はどう生きるべきか改めて考えさせられる。
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Amazonの紹介より 昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌 人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。 舞台は、令和と昭和の、とある出版社。コロナ蔓延の社会で、世の中も閉塞感と暗いムードの中、意に沿わない異動でやる気をなくしている明日花(2...
Amazonの紹介より 昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌 人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。 舞台は、令和と昭和の、とある出版社。コロナ蔓延の社会で、世の中も閉塞感と暗いムードの中、意に沿わない異動でやる気をなくしている明日花(28歳)。そんな折、自分の会社文林館が出版する児童向けの学年誌100年の歴史を調べるうちに、今は認知症になっている祖母が、戦中、学年誌の編集に関わっていたことを知る。 世界に例を見ない学年別学年誌百年の歴史は、子ども文化史を映す鏡でもあった。 なぜ祖母は、これまでこのことを自分に話してくれなかったのか。その秘密を紐解くうちに、明日花は、子どもの人権、文化、心と真剣に対峙し格闘する、先人たちの姿を発見してゆくことになる。 子どもの人権を真剣に考える大人たちの軌跡を縦糸に、母親と子どもの絆を横糸に、物語は様々な思いを織り込んで、この先の未来への切なる願いを映し出す。 戦争、抗争、虐待……。繰り返される悪しき循環に風穴をあけるため、今、私たちになにができるのか。 名前は違っていましたが、昔お世話になった雑誌「小学1年生」にまつわる話を絡めた、ある家族の繋がりに感動と共に考えさせられました。 前半では、祖母が昔自分の会社に勤めていたことがわかるという主に家族についてのエピソードなのですが、途中から学年誌の歴史にふれていきます。 参考文献にも書かれていますが、この雑誌は小学館の「小学1年生」の歴史を基にした物語になっています。 小説の中では、文林館(小学館)、学びの一年生(小学1年生)だけでなく、実際にいた人物もちょっと名前を変えて登場します。 戸塚治虫や林由美子など、なんとなく現実ではあの人だなと思う人もいれば、これは誰に該当する?と思って、思わず検索したりとそういった楽しみ方もできました。 正直、昭和初期というと、男社会ということもあり、あまり女性が関わらないかと思っていたのですが、バリバリ関わっていたことに驚きでした。でも、その裏側では相当な苦労があったかと思います。戦争やお国のために戦わなければいけない運命に翻弄される人達と学年誌がどう関わっていたのか。どこまでが本当で、どこまでがフィクションなのかはわかりませんが、一つの学年誌を発刊するにあたって、様々な苦悩があったことを知りました。 展開としては、その中に祖母が関わることになりますが、どこで関わるのか。後半までは、昭和での祖母のエピソードって必要だったのかなと思っていたのですが、後半になるにつれて、点だったものが線となって、あらゆることが活かされていきます。 まさか、昭和のエピソードが令和のエピソードのココに繋がるとはといった驚きがあって、面白かったです。 結果的に学年誌の歴史を通して、主人公の家族が段々と「繋がれて」いることに感動がありました。 現実の小学館も、約100周年ということなので、これからも作り続けてほしいなと思いました。
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読む前のイメージでは『なんか重そう…』。 読み終わったあとは『重いじゃなくて深い』。 学習雑誌の『小学◯年生』は私もずっと読んでいたもの。それがモデルなのだろうと思われます。戦中戦後の出版社の苦労を通して子供、女性の立ち位置を考えさせられる。戦後、児童文学繁栄のために尽力してい...
読む前のイメージでは『なんか重そう…』。 読み終わったあとは『重いじゃなくて深い』。 学習雑誌の『小学◯年生』は私もずっと読んでいたもの。それがモデルなのだろうと思われます。戦中戦後の出版社の苦労を通して子供、女性の立ち位置を考えさせられる。戦後、児童文学繁栄のために尽力している人、そして現代この人達の苦労を伝えていこうとする姿が爽やかに感じました。
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古内先生の新作 書籍の方は8月4日発売予定だけど、audibleが先行発売されていたので、こちらで先に聴いてしまいました 小学館の「小学〇年生」は私も毎月楽しみに読んでいた、心に残る雑誌。でも、その百年は歴史の波に揉まれ波乱万丈。主人公の親子関係も絡んで圧巻の大河小説でした
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