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琥珀の夏 の商品レビュー

4

191件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

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    50

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2024/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夏なので読んでみた。 子供たちの自主性•気持ちを尊重し、自分で考える力を伸ばすことに重きを置いている「ミライの学校」にまつわるお話。 所謂「カルト宗教」ではないのかなと思いました。 あるテーマに対し子供達が意見し合う「問答」というものに関しては、本当に子どもたちの考える力を伸ばすことに繋がると思うし、悪いことばかりではないのかなと。 ただし、ミライの学校の子どもは実親と一緒には住めなかったり、子供たちの自主性の過剰なまでの尊重(学校に大人が誰もいない期間がある等々)、これはどうなの?と思う部分もたくさんありました。 小4から小6の夏休みだけをミライの学校で過ごした「法子」と、小さい頃からずっとミライの学校にいる「美夏」。 お互いの抱える苦悩がすれ違い、読んでいて苦しい場面も沢山ありましたが、お互いとても大切に思い合えていたことに感動しました。

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2024/08/09

辻村さんは子どもの心理描写を描くのが抜群にうまいな、、たしかにこんなふうに生きてたよなあって思えるシーンがいっぱいあった。 ミライの学校、私はそんなに悪いもんでもない気がしてしまって、すべてのものは毒にも薬にもなるんだな〜ということを実感した。

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2024/08/04

辻村美月らしく、文章が読みやすいし続きが気になるストーリー。子供時代と現代のストーリーが交互に流れ、事件の真相が解明されてく様子が良かった。ミステリー要素とは別に、子育てに苦悩する主人公の気持ちも刺さった。

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2024/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

終わり方も綺麗に纏まっていて良かった。薄々田中の正体には気付いていたが、それなら死体は…と気になる展開でサクッと読んでしまった

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2024/07/29

辻村深月さんの描く物語に出てくる子供は、現実感もありながら、どこか危うさや不安定さがとても読み取りやすいです。『ミライの学校』で子供時代を過ごしそのまま大人になった人、合宿だけ参加した人、それぞれ抱く感情が違う。大人になってからの事件で再会を果たしましたが、当時の思い出の種類が見...

辻村深月さんの描く物語に出てくる子供は、現実感もありながら、どこか危うさや不安定さがとても読み取りやすいです。『ミライの学校』で子供時代を過ごしそのまま大人になった人、合宿だけ参加した人、それぞれ抱く感情が違う。大人になってからの事件で再会を果たしましたが、当時の思い出の種類が見え方がなんとも残酷だなと思いました。

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2024/07/25

作者は子どもの心の機微を描くのが上手だと思う。 幼いミカが両親を思って泉に願い事をしに行くところは切なくて胸が締め付けられた。 ノリコが学校では目立たない、どちらかというと浮いている存在で、いろいろなところでなぜ自分はうまくできないのだろうと感じるのには共感できた。 新興宗教の二...

作者は子どもの心の機微を描くのが上手だと思う。 幼いミカが両親を思って泉に願い事をしに行くところは切なくて胸が締め付けられた。 ノリコが学校では目立たない、どちらかというと浮いている存在で、いろいろなところでなぜ自分はうまくできないのだろうと感じるのには共感できた。 新興宗教の二世というたびたび取り沙汰される問題を扱っているが、その問題を掘り下げるばかりの作品ではなく、あくまでそれを舞台に子どもたちのことを描いたという感じ。 過去と現在をいったりきたりする構成だけど、切り替わりが絶妙で違和感なく読み進めることができた。 ノリコが子どもの頃に見た〈ミライの学校〉と、大人になってから報道などで知ったそれとでは乖離があること、あらためて子ども時代を振り返って気づくことなどがリアルだった。 〈ミライの学校〉で育った大人が世間擦れしていなくて純粋だと表現したところも。 それから、けん先生の過去と今を冷静に分析する法子が妙に印象的だった。 美夏と滋と、法子の関係がこれからも続いてほしいと思った。

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2024/07/25

自分も幼少期に数日間サマーキャンプに参加したことがあったので、子供心ながらに誰かに認めてもらいたい、友達がいない子と思われたくないなど幼少期に感じていたなど思い出しながらサクサク読み進めることが出来た。 大人になって大人の法子に共感出来る部分がたくさんあった。心の中で正しいことだ...

自分も幼少期に数日間サマーキャンプに参加したことがあったので、子供心ながらに誰かに認めてもらいたい、友達がいない子と思われたくないなど幼少期に感じていたなど思い出しながらサクサク読み進めることが出来た。 大人になって大人の法子に共感出来る部分がたくさんあった。心の中で正しいことだと分かっていても、周りの目を気にしたり、後のことを考えて面倒なことから目を背けてしまうズルい自分がいる。 だから法子が美香に真正面から向き合い、美香をも過去の呪縛から解いた結末には自分自身も救われた気持ちになった。

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2024/08/05

親と離れて集団生活をする『ミライの学校』。その敷地内で白骨死体が発見される。その死体はあの頃出会ったミカなのか。 親に会いたくても会えない。教育に取り憑かれた大人達と学校以外の世界を知らない子供達。 幼いミカがどれほど親に会いたかったのか、願いが叶うと言われる泉での描写から胸が...

親と離れて集団生活をする『ミライの学校』。その敷地内で白骨死体が発見される。その死体はあの頃出会ったミカなのか。 親に会いたくても会えない。教育に取り憑かれた大人達と学校以外の世界を知らない子供達。 幼いミカがどれほど親に会いたかったのか、願いが叶うと言われる泉での描写から胸が痛くなる。 最後の法子と美夏の電話で少し救われた。

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2024/07/18

子どもたちの繊細で壊れやすい心の描写が読んでいて辛くも愛おしくもあった。ミカちゃんが宝物を泉に流してしまうシーン、その後にひどく後悔するところも含めとても切なかった。子どもには平等と愛情、どちらも必要。その通りだと思った。

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2024/07/13

初めての辻村作品。これだけ売れている作家とあって、文章力や構成力は申し分ありません。心の繊細な機微に感情を揺さぶられたり、大人のずるさに心を痛めたり、没入できる箇所がたくさんありました。 ただ、一方で、常長に感じられるところもあり、六百頁超えは長かった。百頁くらい削ってほしかった...

初めての辻村作品。これだけ売れている作家とあって、文章力や構成力は申し分ありません。心の繊細な機微に感情を揺さぶられたり、大人のずるさに心を痛めたり、没入できる箇所がたくさんありました。 ただ、一方で、常長に感じられるところもあり、六百頁超えは長かった。百頁くらい削ってほしかったかな。 ミライの学校の活動にのめり込み、自分の娘をないがしろにするミカの両親。あることが原因で、やっと両親と対面したミカが「何かがあったら、この人たちは、会いに来てくれたのか。いい子にしてたら、会えるんじゃなくて、何か、問題を起こせばよかったのか」と抱いた心情は本当に切なかった。

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