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琥珀の夏 の商品レビュー

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164件のお客様レビュー

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    48

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/06/25

友達から、「自分が面白くないと思われている」という表現を読んだ時、心がギュッとなった。 私自身も思春期に、友達との会話やコミュニケーションにとても悩んで苦しんだ時期があった。 ひとりぼっちよりはマシだと思って、あまり好きではない友達とつるんだりしたこともあった。 大人になった...

友達から、「自分が面白くないと思われている」という表現を読んだ時、心がギュッとなった。 私自身も思春期に、友達との会話やコミュニケーションにとても悩んで苦しんだ時期があった。 ひとりぼっちよりはマシだと思って、あまり好きではない友達とつるんだりしたこともあった。 大人になった今、視野が少し広がって色んな価値観も知ることができてやっと、思春期時代を客観視することができる。 だけど、痛みは痛みとして残ったままで、思い出して自己嫌悪に陥ったりすることがある。変わってないなあと思ってしまう。 そんな自分と重ねながら読んだ本でした。 ノリコとミカの関係が前を向いていて救われました。

Posted byブクログ

2024/06/24
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親が子どものことを思って入れた場所に囚われ続けたまま成長したミカ。 その場所に一時的に行ったからこそ、自分も理解できるという思いでいたノリコは、途中でその思いが砕かれる。 しかし、同じ子どもを持つ親だからこそ感じとれる部分もあって、それが終盤の2人を繋ぎ止めていく。 子どもは今自分がいる環境やそこからの影響が全てで、その子の普通になる。 他を知らないから、それが良いのか悪いのか、考えることもできない。 宗教のように、同じ理念に共感した場に集まる中にも色んな思いを抱える人がいるのかと思った。 また、子どもの教育等に良いからという思いでも、大人になったときにどうなのかという視点でも考える必要があると思った。

Posted byブクログ

2024/06/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新興宗教。昔からあったけど2022年くらいから特にクローズアップされてる。宗教って自分自身の意思がなくなってしまう感じが子どものころから怖かった。そういえば、エホバの証人を親が信じている家の子がいたけど、今頃どんな人生送ってるのかな?

Posted byブクログ

2024/06/16

失恋後15作品目 読み終わった時に、なんとも言えない気持ちになった。夏の思い出がそれぞれの立場によって、同じ出来事でも感じたことや考えていることは…当たり前ではあるが違うのだと。宗教的なニュアンスのある施設での親子分離での自立生活。色々な思いを抱えている子どもたちや大人たち。 分...

失恋後15作品目 読み終わった時に、なんとも言えない気持ちになった。夏の思い出がそれぞれの立場によって、同じ出来事でも感じたことや考えていることは…当たり前ではあるが違うのだと。宗教的なニュアンスのある施設での親子分離での自立生活。色々な思いを抱えている子どもたちや大人たち。 分量的には長く、途中重く、でも最後はなんとなく光があるような、そんな感じがした。

Posted byブクログ

2024/06/15

子供の頃のお話しは面白かったし、宗教のお話しも楽しめたけど、ただ一点、情緒不安定で冷静さのない法子の職業が弁護士だということがショックというか、残念だなぁ。

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2024/06/11

読んでいて苦しくなる小説でした。 親が子供のために良かれと思ってやった事が、子供を長い間苦しめ、その子供も自分の子供を同じように育ててしまい、なかなかその呪いを断ち切るのは難しいと思いました。 ずっと苦しんでいたミカはこれから幸せになって欲しい。

Posted byブクログ

2024/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作品全体にただよう陰鬱な雰囲気が、個人的には好みでした笑 「ミライの学校」をめぐるお話で、もう名前からうさんくさいやんと思って読み進めていましたが、そんな世界の中でもいろいろな感情を持った人々が存在していて、必ずしも否定はできないなと考えさせられました。 宗教めいている施設ですが、お互いに抱いている親しみや、愛情は否定できるものではなかった。それは私たちが暮らしている日常と何も変わらないものだったと感じました。 宗教こわいでは終わらせない。さすがすぎる。辻村さんあっぱれ。

Posted byブクログ

2024/06/08

さすが辻村さん、すっごいところを突いてくる。 子供にとっての幸せとは何か。教育とは何か。 そもそも正しい間違っているなんて価値観は社会にあるのか。 なんて子供の心理描写が上手いんだろう。自然の学校での日々を読みながら、自分の子供時代を思い出す。 登場人物たちの心の深ーい根幹の...

さすが辻村さん、すっごいところを突いてくる。 子供にとっての幸せとは何か。教育とは何か。 そもそも正しい間違っているなんて価値観は社会にあるのか。 なんて子供の心理描写が上手いんだろう。自然の学校での日々を読みながら、自分の子供時代を思い出す。 登場人物たちの心の深ーい根幹の所まで切り込んでいく様がお見事としか言いようがない。

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2024/06/08

この気持ちをなんと言い表せば良いのだろう。 辻村作品の真骨頂だなぁと感嘆する。 全てが対比で描き出されていく感覚。 過去の思い出と現在。 親と子。理想と現実。善悪や甲乙はつけられないまま、物事は一様に計れない事を教えてくれる。宗教団体「ミライの学校」という特殊な環境を舞台に描か...

この気持ちをなんと言い表せば良いのだろう。 辻村作品の真骨頂だなぁと感嘆する。 全てが対比で描き出されていく感覚。 過去の思い出と現在。 親と子。理想と現実。善悪や甲乙はつけられないまま、物事は一様に計れない事を教えてくれる。宗教団体「ミライの学校」という特殊な環境を舞台に描かれる登場人物の感情は、私たちのそれとどこまでもリアルで地続きだな、と。

Posted byブクログ

2024/06/04

万人に合う教育や指導法は無いもので合って。 それを強制する事は親のエゴなのかと思った。 しかし、小さい子にとって親は全て。生きる全てと言っても過言では無い。その親が信じるもの教えるものには従うことは当然であって...宗教然りカルト的思考然り。 その中で成長した人が偏った知識や誘導...

万人に合う教育や指導法は無いもので合って。 それを強制する事は親のエゴなのかと思った。 しかし、小さい子にとって親は全て。生きる全てと言っても過言では無い。その親が信じるもの教えるものには従うことは当然であって...宗教然りカルト的思考然り。 その中で成長した人が偏った知識や誘導的問答で 生きづらい人生になってしまうのは辛いと感じた。 やはり、親と教育者の育成は非常に大切なんだと再確認できた。 最後の展開は少し希望の光が見えて良かった。 非常に引き込まれる面白い内容でした。

Posted byブクログ