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クララとお日さま の商品レビュー

4.3

98件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    33

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    10

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    1

  5. 1つ

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2024/09/11
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インスタで知って読みたいと思った本。 厚みにちょっと躊躇したけど、思っていたより読みにくくもなく、優しい語り口で心地よく読めました。 (でもやっぱり厚いので時間かかった…!) AIの視点だからなのか「ん?どういうこと?」と思う表現があったものの、慣れてくると何となくそういうことかと想像ができて。 読み終えて解説と他の読者さんの感想を読んで補完した所も多々あり… でも読者に考えさせる余韻のある書き方がイシグロさんの特徴と言っている方がいたのでこれで良いのかな。 今まで触れたことのないテーマだったけど面白かった。イシグロさんの他の作品も読んでみたい。ノーベル賞受賞作品も。 でも展開的にこうなるだろうとは分かっていても、最後は寂しいなー。 でもクララが出した結論はとてもよかった。この結論をクララが出すということに意味があるのだろう。

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2024/09/08
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AI。少女。知能。感情。学習と模倣。 境界を超えるとしているのは、AIなのか、それとも、人間なのか。

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2024/09/01
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語り手はAF(Artificial Friend)の少女クララ。彼女が店頭で外の世界や人々を観察し、買い手が現れるのを待つ場面から、物語が始まります。 病弱な少女ジョジーの家庭に買い取られる時には、クララの方でも、買い手を選ぶ様子がありました。 感情をもち、考える頭脳をもち、周囲を観察することで更に学習していくクララは、自分なりの宗教的な考えももち行動していきます。 ジョジーと、彼女の幼馴染のリックとの間に、そして人間とAFとの間に存在する格差が、不穏な空気をぷんぷん漂わせていて、クララの純朴な語り口とのギャップがより気持ち悪く、作者の上手さを感じます。 よくわからないクララ語もありますが、そんなことも気にならないくらい、圧倒される、そしてAIや人間や社会について考えさせられる物語でした。

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2024/08/31

クララの繊細な心の動きや葛藤が伝わってきて、引き込まれていきます。AIの有用性やそれを使う人間の生産性ばかりがクローズアップされる中、AIと人間が心を通わせる内面の物語にようやく出会えた。

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2024/08/31

大学の入学前課題だった。おひさまを中心に物語が繰り広げられていた ずっとクララは自分の主人であるジョジーのために尽くしてきて、ジョジーが亡くなったらジョジーの代わりになるように大人達からは扱われ、ジョジーがうまく成長できたら捨てられてしまうが、自分は役目を果たしたと感じているクラ...

大学の入学前課題だった。おひさまを中心に物語が繰り広げられていた ずっとクララは自分の主人であるジョジーのために尽くしてきて、ジョジーが亡くなったらジョジーの代わりになるように大人達からは扱われ、ジョジーがうまく成長できたら捨てられてしまうが、自分は役目を果たしたと感じているクララのことを考えて苦しい 本当に幸せなのか

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2024/08/12
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英語版で読了。 カズオイシグロさんの書き方?表現方法?は情景や登場人物の感情が想像しやすく、好きです。 これからもっと進歩するであろうAIやロボットの存在について着手してる作品だが、私はAFであるクララに同情してしまった。もちろん人間に成り変われるほどに進歩してしまったロボットは脅威になり得るが、クララのような本当に人間の為に考え、寄り添い、一生懸命なロボットがいたら、愛着まで沸いてしまうだろう。 クララの太陽に対する熱狂的な信仰心は少し異常なものに見えたが、何かを直向きに信じることの大切さ、それがもたらす奇跡をロボットが教えてくれたことがとても読んでいて斬新だった。 ジョジーの病が治ったのは良かったが、最後用済みのクララが捨てられてしまうのは心が痛んだ。

Posted byブクログ

2024/08/12

カズオ・イシグロさんの小説は、いつも何とも言えない読後感にとらわれます。決してシンプルなストーリーではなく、何かを直接描くやり方でもなく、幾重にも張り巡らされた風景から、起こっている事態を読者が推測していくような…それでもその描写は驚くほどに心に残り、後から思い出して、何の話だっ...

カズオ・イシグロさんの小説は、いつも何とも言えない読後感にとらわれます。決してシンプルなストーリーではなく、何かを直接描くやり方でもなく、幾重にも張り巡らされた風景から、起こっている事態を読者が推測していくような…それでもその描写は驚くほどに心に残り、後から思い出して、何の話だったかな?というようなことは決してありません。そしてどの小説にも通じる、重厚な孤独。多くの人が出てくるにも関わらず、生きることは孤独なのだと感じます。 このなんとも言えない読後感から、大好きな作家と一言で言うことはできないのですが、ものすごい作家ということはできます。本書もその一つだと感じました。

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2024/08/08
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まず、終始一貫してAIの口調で描かれていることが凄いし語り手がAIであるのは珍しいと思った AIが感情を得ていく過程が読んでいて面白かった 思春期の子供とAIの友達(クララ)を絡めて描いているのも新鮮で面白かった AIが発達していくと未来はこうなる可能性もあるのか、と思わされた 改めてAIはこれからも開発を続けていくべきなのか、人間にとって必要な存在なのか深く考えさせられた 人間の形をしたAIとはいえ、クララに対してモノ扱いする人間たちの描写が読んでいて悲しくなった ジョジーが死んだらクララに代わりになってもらおうと思っていた大人たちの気持ち悪さ、身勝手さ、親のエゴがよく描かれていた 最終的にAIが人間の代わりになることはない、とクララが述べていたのが良かった 隣のおばさんが見かけた、死んだはずのサリーについて、最後の店長さんの歩き方についての解釈がよくわからなかったけど調べたらまあ納得できた

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2024/07/31

本書では「愛とは何か」という永遠のテーマに対して、AI(作中ではAF)の視点から描くという斬新な手法によって取り組んでいる。著者の愛をテーマにした作品といえば「わたしを離さないで」が有名だが、両作品のエッセンスは共通しているように思った。 人間はAIロボットに対して愛情を抱くこ...

本書では「愛とは何か」という永遠のテーマに対して、AI(作中ではAF)の視点から描くという斬新な手法によって取り組んでいる。著者の愛をテーマにした作品といえば「わたしを離さないで」が有名だが、両作品のエッセンスは共通しているように思った。 人間はAIロボットに対して愛情を抱くことが出来るだろうか。このテーマは、我々人類がそう遠くない将来真剣に考えなくてはならないテーマだろう。

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2024/07/19

評価が難しく、無しとした。 個人的に、こういった語りの本は好みじゃないせいもある。 終始ですます調のクララの語り・・AIという存在、しかも従順に買主(お客様に従うように)インプットされている存在であることを考えるとやむを得ないのだろう。 ノーベル賞受賞後の作品という事でイシグロ...

評価が難しく、無しとした。 個人的に、こういった語りの本は好みじゃないせいもある。 終始ですます調のクララの語り・・AIという存在、しかも従順に買主(お客様に従うように)インプットされている存在であることを考えるとやむを得ないのだろう。 ノーベル賞受賞後の作品という事でイシグロ氏が言わんとしたメッセージが「生きることの意味を問う」だとすれば、クララの存在自体が物質であるだけにおのずと限界がないはずがない。 更に「格差社会」が格子の様に張り巡らされている事にも読み手は気づかされていく・・AI自体が旧モデル,ジョジーの親友リックに於いての「向上処置」双方の母親に存する「歪みのある母子関係」そして国内においては都会と田舎等が陰陽の影となり展開に影響していく。 読み始めてすぐ気づくのは過剰かと思えるクララのお日様信仰。 単行本の最期で「生きるものが持つ可能性という陽カリ模様を拡散する」と解しているが今一つ納得が行かない。 クララはイシグロが作ったもっとも美しい子供というがAI.ラストシーンで廃棄場に置かれたクララに語り掛ける店長さんとのシーンはタダ・・朽ちていく美しき者を思わせ、むしろ滅びゆく哀しさを思わせられた。

Posted byブクログ