1,800円以上の注文で送料無料

クララとお日さま ハヤカワepi文庫
  • 中古
  • 書籍
  • 文庫
  • 1225-12-01

クララとお日さま ハヤカワepi文庫

カズオ・イシグロ(著者), 土屋政雄(訳者)

追加する に追加する

クララとお日さま ハヤカワepi文庫

定価 ¥1,650

990 定価より660円(40%)おトク

獲得ポイント9P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房
発売年月日 2023/07/19
JAN 9784151201097

クララとお日さま

¥990

商品レビュー

4.3

141件のお客様レビュー

レビューを投稿

2026/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学生時代に読んだ『わたしを離さないで』の世界観が好きだったので、あらすじから似たような雰囲気を察知してこちらも読んでみた。 AIロボット視点で語られる美しくて精細な情景描写に対し不穏な気配が根底に漂っていて、そのアンバランスな雰囲気が本当に良かった。 ただ、ディズニー的なファンタジー要素があるとは思ってなくて、そこだけちょっと拍子抜けだったかも。 作中でたびたび登場する用語の意味を調べたときに、検索結果に出てきたAIによる要約で物語の核となる計画のネタバレを喰らってしまったことが本当に悔やまれる。 それさえ無ければもっと衝撃を味わえたかもしれない。 ラストで店長さんと再会して話すシーンは、穏やかさと退廃的な雰囲気が感じられて素敵だった。ぜひとも映像で見てみたい。 「特別な何かはあります。ただ、それはジョジーの中ではなく、ジョジーを愛する人々の中にありました。」 終盤で語られるクララのこの言葉から、私の人生のバイブルである少女漫画『フルーツバスケット』の以下のセリフが思い起こされた。 「例えば人の素敵というものがオニギリの梅ぼしのようなものだとしたら その梅ぼしは背中についているのかもしれません…っ」 一個人を特別なものにする何かはその人自身には見えない(=感じられない)ものでも、その周囲の人にはきちんと見えている(=感じられる)。 人はその人自身では完全な一個人にはなれなくて、周囲と関わり合いを持つことでようやくその存在を完成させることができるのかもしれない。 どんなに完璧なAIでもそこの溝を埋めることはできないのだなとわかって、改めて人間らしさとは何かというものが少しわかった気がする。

Posted by ブクログ

2026/01/03

最終章でのAFロボット・クララの考察、人間が人間たらしめているものとはの一節で大号泣。好奇心と観察眼が人一倍強い彼女だから、気がつけた心理。 それを語ったのはロボット達の終着地である、あの場所だなんて…。 懸命に祈りを捧げる彼女の姿は、もはやロボットを超えた別の生命体。もし物語が...

最終章でのAFロボット・クララの考察、人間が人間たらしめているものとはの一節で大号泣。好奇心と観察眼が人一倍強い彼女だから、気がつけた心理。 それを語ったのはロボット達の終着地である、あの場所だなんて…。 懸命に祈りを捧げる彼女の姿は、もはやロボットを超えた別の生命体。もし物語が続くのならば、彼女の幸せを願わずにはいられない。

Posted by ブクログ

2025/12/28

カズオ・イシグロは好きで何冊も読んできたが、なぜか読んでいなかったクララとお日さま。ノーベル文学賞受賞でものすごい話題になってからの第一作目で、推しがとんでもなく有名になりすぎてなんだか距離が…みたいな感覚? ようやく文庫版を手に取る。読み始めたらもう一気に読んだ。相変わらず静...

カズオ・イシグロは好きで何冊も読んできたが、なぜか読んでいなかったクララとお日さま。ノーベル文学賞受賞でものすごい話題になってからの第一作目で、推しがとんでもなく有名になりすぎてなんだか距離が…みたいな感覚? ようやく文庫版を手に取る。読み始めたらもう一気に読んだ。相変わらず静謐でシンプルな素敵な文章。「私を離さないで」のような、読者に隠されたままの世界の秘密(今回はとうとう最後まですべては明かされなかった)。そして、人工知能ロボットという、人間の世界を学習中の、語り手として信頼をしきれない主人公クララ。読者は足元がぐらつき、視野が制限されたまま、クララの目を通して、クララの主であるジョジーとその家族や友人を観察する。 ジョジーは何らかの理由で病気のようだ。クララはジョジーの友人として尽くすというミッションのために、心を砕く。そう、クララは人工物だが、とても温かい存在だ。人工物なのに、信仰の念も強く、心打たれる。されど家電なのだ。非常に切ない存在だ。そのピュアさは、アルジャーノンに花束を、を少し思い出させた。 ちょうどAIやロボットや人型アンドロイドが急に実用性を増して取沙汰されてきた時期に描かれた小説だとして読むと、味わい深い。人間とアンドロイドの越えられない壁、アンドロイドに助けられ慰められるが、進化をしたとしてもアンドロイドはアンドロイドでしかなく、すなわち道具でしかありえない。そういった冷静な答えを、穏やかで温かな文章に乗せて突きつけてくるカズオ・イシグロ。それなのになおアンドロイドに感情移入して共感をしてしまうという人間味を、物語の最後に読者に体験させるカズオ・イシグロ。天才。

Posted by ブクログ